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同じだけど、同じではない。

いつもの朝練。

日差しの高さが季節を感じさせる。

いつもと同じ筈なのに季節とほんの些細な朝の出来事でここまでも気持ちとやる気、心の高鳴りまでもが違うのかと良い意味で痛感した。


「香織!ファイト!ダッシュの時はつま先を意識して!」


朝の落ち込んでいた香織の表情はもうそこにはなかった。

そこにあったのは友達、いや、親友とも呼べる者との会話で落ち込みながらも奮起し、自分を奮い立たせ、自分という壁に立ち向かっている様だった。

そんな彼女をみて私も気持ちが高鳴った。

清々しくて心が熱く、時に切なく。

まるで恋の様に…



「志帆ぉ〜おつかれぇ〜」


「うん、お疲れ様。今日は朝から気合入ってたね!おかげで私も気合が入っちゃった!」


香織の前ではありのままの私でいられる。

飾らないで素直にいられる。

私が私でいらる、背伸びもせず。


キーンコーンカーンコーン


「もぅ予鈴だぁ今日1限目数学じゃん!うぇ〜ついていけないよぅ…」

項垂れ肩を落とす香織。


「またウチに来て勉強する?」


「真燈先輩、平気かなぁ?」

何故か気を使うのか分からなかったのだが


「まーちゃん平気よ、夜までクラブチームでサッカーの練習だから。」


「真燈先輩凄いよね〜、プロチームのジュニアユースからユースまで行って、このままいけばプロになれるんでしょ??」

香織はピョンピョンと跳ね、心踊らしている。


「まーちゃんどうなのかな?そういう話になると急に口数減るし、この話嫌なのかなと思って最近聞いてないんだ。」


「真燈先輩に私聞いちゃう!そしてその意気込みとか私も学びたいし取り入れたい!スポーツに対する姿勢とか!」

熱が入り、いつものゆったり口調がハキハキとしていて熱意の入りが良く分かる。

あぁ、この子はなんて素直で良い子なんだろう。

心でそんな事を温め浸っていると…


キーンコーンカーンコーン



『あっ』



2人して教室に走り、たまたま先生が遅れたおかげで遅刻にはならなかったのだが、折角拭いた汗がしばらくひかず授業が耳に入らなかったのは言うまでもなかった。





まだまだ初日を描いていきます。

1日の何気ない会話の中から想像してくだされば幸いです。

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