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あー!困ります!お客さま!女騎士にはお手を出さないでください!あー!お客様!あー!あー!

 魔王コーの演説に比べて、ギュンターのそれはあっさりとしたものだった。


 各々の豊穣の神に感謝し、また新たな命を芽吹かせましょう。

 あと今日もいっぱい催し物あるからみんな楽しんでね。


 要約してしまえばそれだけのことだ。

 それだけのことでしかないが、観衆は万雷の拍手で応えた。

 それはギュンターが人々に敬されているからというだけではなく、彼のあいさつで退屈なセレモニーが終わるからでもあった。

 事実、ギュンターとコーはそろって聴衆に片手を振って舞台上から去ってゆく。彼らもまた、のんびり祭りを見て回るのだ。

 彼らが去った舞台はこれから続く出し物催し物のためにさっと片付けられ、早速珍奇な格好をした楽団らしき一団が登場した。

 さてここから先、この祭りは正真正銘の農村地帯の祭り――つまりは村を挙げての乱痴気騒ぎとなる。

 それが証拠にセレモニーが終わるや否や舞台の前から立ち去り、意中の異性や同性に声をかけているものが何十人と見受けられる。

 現代のようには交通機関が発達していない時代の話である。

 人口が少ないところでは近親婚を避けるために季節ごとの祭りや村の行事ごとは盛大に行い新しい血を呼び込んでいたから、無理もない話であった。


 セレモニーが終了して2時間ほど。

 裸よりも恥ずかしいような恰好をしたモニカがどの女よりも真っ先に幼児の群れに拉致されたり、ボグロゥの周りで思い人を待っていた婦女子が様々な方法で告白されたり(あるいはしたり)、はたまたボグロゥがンゴワ様のようだと老人たちに拝まれたりならず者にケンカを売られたり。

 舞台の上では、首都から来たという芸人や楽団を始めとする演者がそれぞれの芸を披露してはおひねりをもらっていた。

 そういったものを見ている間に、いよいよアンネリーゼとシャンテの剣舞を披露する刻限となった。

 通りの向こうからエミリアがアンネリーゼをほとんどにらみつけるような視線で見ている。

 いろいろと面白いものが観れたのになぁ、と、アンネリーゼは内心でため息をついた。


「では参ろうか、アンネ。なに、剣舞と言っても難しいことはない。昨日の動きを再現するだけ也」


「承知仕った」


 シャンテに声をかけられ、アンネリーゼは意識を切り替えた。

 あの狭い舞台の上で昨日の化け物退治の動きを再現するなど難しいどころの騒ぎではない。互いの剣で怪我するどころか、まかり間違えば観客の命すらも危うい。

 細く深く息を吐きだし、脱力する。


「そんなに意気込むな。舞う前に木剣に差し替える故、危険はない」


「……それ早く言いなさいよ」


 苦笑交じりに文句を垂れた。

 

「お嬢ちゃん」


 背後から野太い声がかけられた。


「気を付けてな」


「はい。……あの、」


「うん?」


「昨晩はすみませんでした」


「こっちこそ悪かった。気にしないでくれ。じゃあ、いい演武を期待してる」

 

 女騎士は少し微笑むとオークと拳を突き合わせ、その場を後にした。


――――――――――――


『それでは次の演目です。シャンテ・アンドレア・シマヅ嬢とアンネリーゼ・エラ嬢による剣舞です』


 舞台袖に控える落ち着いた女性の声がラッパのような器具(スピーカー)から流れ、それを合図に二人は舞台袖から登壇した。

 観客がわっと沸く。

 シャンテは祭りの出し物の常連であったし、アンネリーゼも「化け物斬りの女騎士」として早くも噂の人物となっていたのだ。シャンテにお姉さま、と呼びかける少女の声が多いのが興味深いところであった。

 ボグロゥはまだベンチに座ってこちらを見ている。

 その背後の村役場の講堂の窓には、魔族の群衆を恐れて外に出ない難民たちの姿。ふっと微笑んで彼らに手を振ると、ガラス越しに彼らが手を振り返してくるのが見えた。

 舞台中央に並び立ち、観客のほうに向きなおる。

 いささかの恥ずかしさを覚えながらマントを脱ぎ、係りの者に手渡すと、観客から軽くどよめきが沸き起こった。

 アンネリーゼはメルに譲ってもらった、過激な露出の服を身に付けていたからだ。

 火吹尾長飛竜モドキ(ワイバーン)の赤黒いなめし皮で作られた異常に丈が短いズボンとコルセットとひざ丈の編み上げブーツ、分厚い木綿のこれまた丈が短く前身ごろが開け放たれた藍色の上着、腰には愛用の長剣といういで立ちだが、腹は出ているわ太ももは付け根から丸見えだわ、尻肉むね肉その他がこぼれ出そうで心もとない。

 一方でシャンテは女中のお仕着せに派手なフリルのついたエプロン姿である。

 スカート丈はふくらはぎ、同じく火吹尾長飛竜モドキ(ワイバーン)のなめし皮でできたブーツを履いている。可愛さと美しさが奇妙に同居している上に気品すらあるその姿に、アンネリーゼは羨望を覚えた。

 ほほを赤らめたまま、呼吸を合わせてお辞儀をする。

 頭を上げるとき、真正面の最前列に座るコウタロウと目が合う。

 その瞬間にアンネリーゼは頭の中が真っ白になり、何も考えられなくなった。


 となりでシャンテが何か言っている。

 ただいまご紹介にあずかりました、(それがし)シャンテ・アンドレア・シマヅ、並びにこれなるは元聖法王国教会騎士アンネリーゼ・エラ。これより我らがお見せするは昨日山中に沸き出でたる怪異(モンスター)との一戦なり、うんぬんかんぬん。

 コウタロウのとなりで、ギュンターの膝に抱えられたこれまた恐ろしく過激な服装(というよりほぼ裸)のメルが声援をかけてくれる。

 アンネちゃーん、かわいいわよー。もっといろいろ見せびらかしなさーい。


 それらの一切はアンネリーゼの認識の外にあった。

 彼女の認識力はすべて、柔らかく微笑むコウタロウにだけ向けられていた。

 わけは分かっていないし、わかろうはずもない。

 アンネリーゼはコウタロウと目を合わせたまま、恥ずかしさそのほかで脳髄を沸騰させてしまったのだ。

 

 と、柔らかい微笑みを苦笑に変化させたコウタロウが、ちょいちょいとアンネリーゼの右方向を指さした。

 はっ、と振り向くと、柳眉を吊り上げたシャンテが横合いからこちらの顔を覗き込んでおり、それにびっくりしたアンネリーゼは飛び上がって後退した。

 その様子がいっそ面白く、観客から笑い声が起こった。


「おい、やるぞ」

 

「えっ」


「えっ、ではない」


 まったく、しっかりしてくれとかなんとかぶつぶつ言いながら、シャンテはアンネリーゼの長剣を剣袋ごと外し、木剣を手渡した。

 アンネリーゼをうながし舞台の端のほうで並び立つ。

 観客から見て右手、奥側がシャンテ、観客側がアンネリーゼである。

 もう一度観客に礼をして、舞台の反対側へ向き直った。

 部隊は差し渡し12m、39フィート余りある。


「では」


 低いがよく通る声でシャンテが宣言し、半呼吸後。


 二人は揃って二歩で反対側の端に到達し、ほぼ同時に互いの首を撫で斬った、かのように見えた。

 さらにその場で剣を振り上げ、八双から切り下し袈裟に切り上げ、切っ先を回し逆袈裟に切り下し、下段切り上げから一瞬のタメののち、観客から見て右手へ向かって再び水平に剣を薙ぐ。

 剣を振りぬくのと舞台の中央に戻るのはほぼ同時だった。

 この間わずかに1秒ほど。

 観客からほうとため息が漏れる。

 一瞬ため、同時に一歩踏み込み切り上げる。

 右上段から切り下し、体を躱して前後を入れ替え、振り返りざまに引きながら逆袈裟一閃。

 互いの体温を感じ取れるほどの距離で、しかし彼女たちは紙一重で互いの剣を避けながら舞い踊った。

 時間にしてここまで、まだわずかに10秒程度の出来事である。

 内容としては昨日の怪異との一戦の再現に他ならず、つまりはまさしくただの演武でしかない。

 にもかかわらず二人の頬は上気し、呼吸は少し逸っている。

 艶めかしく視線を絡ませあい、間合いを取りながら舞台の中央へ移動。互いに旋回する。


「たまらぬな……やはり辛抱できそうにない」


 シャンテがちろりと舌なめずりをする。


「ただの剣舞だったはずだけど、」


 アンネリーゼは顎をしゃくり、挑発的な視線をシャンテに向けた。


「祭りで刃傷沙汰を起こす気?」


「木剣ゆえに危険はない。それに、たいていの怪我はすぐに治せる」


 観客にもそうとわかるほど二人の剣気が膨れ上がり、歓声は期待に沸いた。

 

「……とはいえ、互いに気を付けることに越したことはなかろうな」


「木剣だって下手したら死ぬじゃない。私のほうが弱いんだから、せいぜい手加減して頂戴、ね!」


 わずかな会話で合意に達した二人は弾かれたばねのように同時に踏み込み、渾身の一撃を放つ。

 ――しかし二人の剣は互いを捕らえることはなかった。

 二人の前に灰色の風が吹き込んだからである。

 風の名前はザボス。

 魔王領最後の、この世ならざる場所から来た最後の悪魔である。


「すまんが、儂も混ぜてもらおうか」


 彼はしわがれた声を出し、ぞろりと構えをとった。




『あー! 困ります! お客さま! 演者にはお手を出さないでください!』


「なんのなんの、化け物退治の演目だというに化け物がおらぬではないか。儂がその役、引き受けようというだけのことぞ!」


 司会の女性の声に対し、ザボスはこれまた声を張り上げて抗弁する。

 抗弁しながらその場で旋回、両手に携えた木剣で女騎士とメイドの木剣をはじく。

 二人は反射的に構えをとった。

 うろたえてはいない。


「失礼ながら公爵殿下。これなる剣舞は我らが演目。殿下のお手を煩わせるところでは御座り申さぬ」


 シャンテが何かを期待するような声音で言った。

 

「固いことを申すな。4年に一度の『試し』を今してやろうというのだ。お主にとっても損ではあるまい。それにそちらの女騎士殿は、どうにも儂に腹を立てているようだ。二人がかりならば、儂に一太刀良いのを入れられるやも知れぬぞ?」


 見ればアンネリーゼはザボスに一太刀入れねばどうにも気が済まぬ、という顔つきになっている。


「まさしくおっしゃる通り。私とシャンテ、乙女二人で睦み合おうというところに空気を読まれぬ殿方の闖入。こちらの法ではどうか知りませぬが、到底許せることでは御座いませぬ」


 アンネリーゼは言い放つと歯をむき出してうなりを上げた。しかし目は笑ってもいる。

 ただ生き延びるために剣を振り回す段階は、とうの昔に過ぎ去っているからだ。

 目の高さに剣を掲げ切っ先をザボスに向けた彼女の立ち姿は、牙をむく狼のようであった。


「いやはやなんとも。我らは揃いも揃って度し難い馬鹿ばかりということで御座いましょうや?」


 シャンテはシャンテで、ぎらりと目を光らせ構えを改めた。

 ザボスに対して半身となり、切っ先を下してやや猫背。

 大きく足元をくつろげ、全身を柔らかく保ったその姿はまるで豹のようである。


「まさに、まさに。さて、ならばどうする」


 木剣を手にした両手をだらりと下げ、膝を柔らかく保ちつつもやや前のめりに立つザボスは、まるで悪霊のようであった。

 ぴくりとその切っ先が動いた瞬間、女騎士とメイドはザボスに吠えかかった。


「「是非も無し!!」」




『あー! あー! 困ります! あーもうむちゃくちゃだよぉこれぇ……やめろぉ……なにすぅ……』


 司会の女性が泣き言をわめいた。

 無理もない、この後の進行が大いに崩れると思われたからだ。

 それにすべての魔族が暴力沙汰に免疫があるわけでもない。

 しかしそんなことは一切お構いなしに、舞台の上は暴風が吹き荒れた。


「ふッ!」


「はっ!」


「はっはぁ! ぬるい! ぬるいぞ娘ども!」


 アンネリーゼとシャンテが息を合わせて放った連撃を、ザボスはこともなげに受け止める。

 その速度はもはや常人には理解しがたく、動体視力に勝る獣人(ライカン)ですらついていくのに困難を覚えるほどだ。

 しかしザボスの指摘通り、アンネリーゼたちの連撃は少々軽すぎた。到底ザボスの防御を突破できるものではない。

 とはいえ、そのことは二人とも承知の上である。

 ここからが見せ場とばかりに、二人は持ち味を発揮し始めた。

 

「お」


 ザボスが感心した声を上げる。

 それまで激しく素早く均整は取れていても鏡合わせのように単純明快であった二人の動きが、複雑怪奇に絡み合ったものとなったからだ。

 鬼族の剣術を修めたシャンテは剣の素早さ、太刀筋の確かさではアンネリーゼを懸絶している。一人で先ほどまで二人で放っていた数を上回る連撃を繰り出し、ザボスをくぎ付けにする。

 一方で荒削りながらも戦場武術を身に着けたアンネリーゼは、剣のみならず拳足をも用いてザボスの動きに乱れを生じさせようとする。その動きの不可思議さはシャンテにはないものだ。

 二人のリズムはばらばらで、ともあればザボスのみならず互いをも自分の動きに取り込もうとするかのようだった。

 否、確かに二人はザボスと向き合いながら互いに戦っているのだ。

 睦み合いとはよく言ったもの。

 時に並び立ち、時に向かい合いザボスを挟み込むその動きは、まるで確かに――


「ふぅむ。悪くはない。悪くはないな」


 激しく舞い踊る二人に比して、ザボスの姿は風に吹かれる柳のようであった。

 彼はまだ攻撃はしていない。

 二人の剣の嵐に対して身をかわし、いなし続けているだけだった。


「が」


 ザボスは穏やかな微笑みを浮かべた。

 その刹那、彼の首筋を二人の突きが襲う。

 観客席から悲鳴が漏れた。

 木剣とはいえ柔らかい首筋を突いたならば――


 カン、と乾いた音がした。

 見ればザボスの首があったところで 二振りの木剣の切っ先が交差している。


「いささか物足りぬ」


 身をのけぞらせ首への突きを躱したザボスは、にちゃり、と笑った。

 

 そのおぞましい気配にシャンテは一瞬身をすくませてしまった。

 黄金色の化け物の放つ殺気とはわけが違う。

 この世ならざる者のみが身にまとう異様な妖気。

 気が付いた時には、気配もなく後ろに回り込んだザボスが剣を持たずに右手を振り上げ――


 すぱぁん!


「ひぎぃ?!」


 シャンテはしたたかに尻を打たれ、みっともない声を上げて飛び上がった。


()し。太刀筋まことに良し。速さもまぁまぁ。しかれどもそれに捉われ、圧が足りぬ。一撃一殺となるように精進せよ」


 内臓まで響くような平手の衝撃に、ゆっくりと崩れ落ちるシャンテ。

 長い髪が風に舞い、ザボスの視界をほんの数舜遮った。


「でぇえええい!」


 その陰から渾身の両足飛び蹴りを繰り出し現れたアンネリーゼ。

 顔面を狙ったその攻撃は、しかしあっさりとガードされる。


()し。荒削りに過ぎる。よくよく吟味、工夫せよ」


 と指摘すると、ザボスは返す刀で空中のアンネリーゼを横薙ぎに払う。

 アンネリーゼとシャンテの目がギラリと光ったのはその時だ。


「む?」


 ザボスの木剣がアンネリーゼを捕らえる寸前、シャンテはアンネリーゼの背中を自らの背中で跳ね上げていた。二人の間をザボスの木剣がかすめる。

 そのまま空中のアンネリーゼの両手を掴み、振り回して自分の股の間に彼女を通す。風圧と体の勢いでスカートが大いに舞い上がり、白いシルクの下着と靴下に覆われた下半身が露になる。

 それにザボスと観衆が目を奪われたその刹那、アンネリーゼは木剣でザボスの股間を軽く弾きながら彼の股を背後へと滑り抜けた。 


「おごっ!」


 次の瞬間、勝負は決まっていた。

 シャンテはくるりと回って膝をつき、逆持ちした木剣でサボスの腹を突いていた。

 アンネリーゼはザボスの背後に立つと袈裟にザボスの首をはねた。

 どちらも寸止めであるが、観客にははっきりそのように見えたのだ。


「「「うぉおおおおおおお!!」」」


 大きな大きな歓声が巻き起こった。

 ものすごい量のおひねりが飛んでくる。

 二人は股間のダメージが抜けないザボスをつついて正気に戻させた。

 ザボスが怒ったような情けないような顔でアンネリーゼをにらみ、小声で愚痴を垂れる。


「やってくれたのう、女騎士殿よ」


「公爵殿下が絶対に本気を出されないのは分かっておりましたから。こちらは全力を出しきってようやくこれです」


 一方でアンネリーゼは疲労困憊、ザボスに一太刀入れられたという喜びだけで立っているようなものだ。

 荒く肩で息をつき、足元がおぼつかない。どうかすると木剣を杖にしてしまいそうだ。

 シャンテも似たようなもの。むしろ直接打撃を(小さく形の良い)臀部に食らっているだけに、こちらの方が辛そうだった。

 

「ともかく、お手合わせいただきまして誠にありがとうございました」


 ふらつきながらも深々と頭を下げる二人を見て、ザボスは致し方なしとうなづいた。


「まぁよい。あとは今夜の酒のつまみだ。さて二人とも、余興とはいえ160年ぶりに儂に土をつけたものの顔を衆目に見せてやれ」


 彼は女騎士とメイドの肩を軽くたたいて観客に向きなおらせた。

 二人は晴れ晴れとした表情で、汗で額に髪を張りつかせたまま深々と観衆に頭を下げ、観衆はそれにさらに大きく声を上げた。

 

 ただその時、ザボスはアンネリーゼのコルセットの紐に爪をかけていたのだが。

 アンネリーゼの柔肉が雪崩を打ってこぼれ出したのは、まさしく当然の帰結である。



 完全に頭を血を上らせたアンネリーゼは胸元を押さえながら、観客席に逃げ込んだザボスを思うさまに罵った。

 観客は笑い転げ、おひねりを再度投げ入れるものさえいる始末。

 メルやギュンターは言うに及ばず、コウタロウさえも笑っている。

 向こうのほうを見やればボグロゥやエレーナたちも腹を抱えて笑っていた。

 エミリアはといえば、変わらず憮然とした表情でアンネリーゼをにらみつけている。

 と、その背後にすっと影が差した。エミリアと何事か言葉を交わしたようだ。


 自らの肩にマントをかけてくれるシャンテをを振り返り、真剣な目つきで、このあとちょっとだけいいかしら、とアンネリーゼは言った。

司会姉貴は淫夢民である可能性が微レ存・・・?

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