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ひとつぶの星(3)
塁にでると、次のバッターの初球で盗塁に成功し、そのバッターのヒットで一気にホームに還ってきた。
(盗塁は速さがすべてではない。スタートを切る勇気が大事なんだ。)
ベンチに戻ってきた大輔にチームメートが駆け寄る。
「ダイスケってちょー足速いな!」
「おれにも走り方教えてよ!」
最初は群がってくるチームメートにびっくりしていたが、次第に馴染んできた。
それから試合には大輔を起用する時が増えた。不動の9番センターとして経験を積んでいった。
チームメートも普段から真面目に練習に取り組む姿を見ていたので誰一人嫌味を言う人はいなかった。
大輔が塁に出れば1点はとれる。
まだ6歳でありながらもチームには必要不可欠な存在になった。
しかし、大輔自身は悩みがあった。
それは周りと比べて非力なことだった。
腕立て伏せを10回やるのがやっとの筋力しかなく、打球があまり飛ばなかった。
(もっと練習しなきゃ…)
そうしてチームに加わってから一年がたったのだ。




