第十一話 告白!?それとも!?
遅くなりました。
第11話です。
「銃弾を作ってもらいたいんです」
「ごめんなさい。無理です」
そこには潔く頭を下げるナナナさんがいた。
「ど、どうしてですか?」
ここは、僕にとっても引き下がれないポイントだ。
銃弾がないと、銃が使えない。
なので、銃は銃弾を手に入れるまで、アイテムボックスに眠らしていなければいけない。
それは、何日になることやら、何カ月になることやら。
そう考えると、何としてもナナナさんに銃弾を作ってもらわなければいけない。
このとき僕には、他のプレイヤーに作ってもらうという、選択肢は頭の中になかった。
「いやー、生産スキルは結構とっているけど、銃弾作成スキルまではとってないよ」
「な、なんですと?」
「だって、銃弾しか作ることができないスキルなんてほとんどのプレイヤーがとってないよ。
武器や防具は基本鍛冶スキルさえあれば作れるからね。
銃を使っている人が持っているかもしれないくらいだよ」
「そ、そうですか」
「ほんと、ごめんね。他の武器とかなら作ってあげられるんだけど」
ナナナさんは申し訳なさそうな顔をしている。
「いえ、いえ。仕方ありませんよ。
スキルを持っていなければどうしようもないわけですし。
それに、他のプレイヤーに頼めばいい事ですし」
「そうだね。それじゃあSPがたまったら銃弾作成のスキルを取っといてあげるよ」
「ほんとですか?
・・・でも、僕のためなんかにSPを使ってスキルを取るなんてもったいないですよ。
それにSPを使ってスキルを取るんだったら、自分のために使って下さいよ」
「別にいいんだよ。今欲しいスキル無いしね。
それに銃弾を作れると銃を使っている人に恩を売れるしね」
「恩を売るっていっても、銃を使っている人なんてあまりいないですけど」
「なんか、ユーリくんって有名になりそうなんだよね。勘だけど。
有名になった結果として銃を使う人が増えるんじゃないかとか、思ってるんだけど」
「はい?僕なんかが有名になるなんてあるわけないじゃないですか。
それに僕なんかが有名になれるんだったら、いろんな人が有名になってますよ」
「そう思うんだったそれでいいんだけど。
まあ、MMOで有名になるのは、本人の知らない所でがほとんどだから。
それじゃあ、スキルを取ったらメッセージを送るね」
そのとき、僕の頭の中には?マークでいっぱいになっていた。
「ナナナさん、メッセージって何ですか?」
ナナナさんの顔を見る。
ナナナさんの顔に、こいつは何を言っているんだと書いてあるように感じた。
「ほんと何にも知らないんだね、ユーリくん。
メッセージっていうのは、チャットみたいなもんだよ。
チャットが電話で、メッセージがメールだと思えばいいんだよ」
「そうなんですか。
ありがとうございます。それじゃあ、メッセージを楽しみに待っています」
「了~解。楽しみに待っててね~」
そのまま、レベル上げのために森に向かった。