物語の完結 皆様に感謝を込めまして。
備忘録iをお読みいただいた皆様と、私と私の虚構に関わっていた皆様に向けまして。
ここに明記させていただきます。
完結したのに何も書かないのはどうかなって思ったから。
忘れもしない過去を記したこの舞台の隅に、書き残します。
呆気無いエンディングでした。
起承転結、とありますが、あまりにも転が長すぎた、
そう今になっては感じます。
被り慣れた仮面も、染み付いた嘘も、
その全てを捨てることとなった今
私に残されたのは虚無と、虚構への憎しみ
ただそれだけでした。
手紙で繋ぎ止め、手紙で切れる
あまりにも皮肉めいていますよね。
あれだけ美しかったのに、今となっては何も書くことがなくて。
灰になりそうなまどろむ街と共に
私の虚構は砂のようにサラサラと崩れ落ちました。
あの街に立ち入ってしまったことが、
全ての崩壊を呼んだのでしょう。
序章が起こらなければ今はなかった。
だけど、あの日々を否定することは私にはできません
あの頃が一番美しかった。
そう思えてしまうほどに、夢は汚れてしまった。
美しいものには棘がある、といいますが、
それに気づきながらも見てみぬふりをしていた私が
何よりも愚かであり、
愚か者語りの主人公たらしめているのだと、感じます。
長い間ご哀読頂いた皆様に、心からの感謝を。
そして、この結末と共に、二年間に及ぶ長い物語に終止符を打ちます。
この物語に終止符を。
私のこの宣言は、ある人の最後の物語の開始も意味します。
その人は、虚構をよく知っており、虚構という概念を理解している。
この物語を、ひどく美しい“ネタ”として昇華してくれることでしょう。
だからこそ、本当のあとがきはその人に任せます。
なので、ここには今のありのままの私を書き記します。
私の夢は本当に美しかった。ずっと私の光であったから。
だからこそ、その喪失感はなかなか拭うことはできない様です。
物事にはその賞味期限があり、長引かせるのは無粋であると分かりつつも、
引きづり続けている自分がいます。
無関心、怒り、悲しみ、寂しさ、色々な感情の荒波に揉まれる私は、
どこまで行っても愚かで人間らしい。
分かりきっていた、いつか迎える日が来ると理解はしていたのに、
それでも、この物語のエンディングは私の身には重すぎたのでしょう。
正直、仮面と嘘から解放されて、スッキリでもするのかと過去の私は思っていましたが、
そこまで、私の心は冷めきることができなかったようです。
ただひとつだけ、
これだけははっきりということができます。
後悔だけはしていません。
私は、私の明確な意思を持ってこの道を歩みます。
夢の続きはまどろみの中へ。
その夢を見ることはもう二度とないでしょう。
夢よ、さようなら。
そして、私の進む道を見守ってくれている皆様に、ありがとう。
完全に昇華できる日が来ることを祈りまして。
sin