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異世界行きの切符
42歳厄年の春、俺はどうやら死んだようだ。
頭痛と寒気が酷かったので二日ほど休ませて貰ってたはずだが、寝込んで目が覚めると身体に自由は無かった。
まず目が見えない。
いや、光を感じることはできるが焦点が定まらず全てがぼやけて見える。
身体も動かない。
というか自由に動かせない…手足を動かすのが精一杯だ。
耳も…聴こえないでは無いが音が鳴っているくらいしか分からない。
最初は体調不良が悪化して病院にいるのかとも思ったが、数日経つと視界も音もクリアに聞こえ始めてきた…
視界が戻りわかったこと…
ここは病院でも無いし日本でも無いってこと、そして…
栗色の髪のすごい美人が俺を抱き抱えていること…
「あ、これ転生してるパターンだ…」
抱き抱えられ、窓ガラスに映る自分の姿を眺めつつ、どうやら
何処かの世界に転生したのだと悟った。