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5.街を探検しよう

 2匹目のペットを捕獲した後、リルアも案内に承諾してくれて街を見て回ることになった。

 ペットの捕獲ばかりでうんざりしていたから、凄く気休めになったよ。


 街には色んなお店があり、私はワクワクしながら一軒一軒みて回る。


「リルアさん。あの店は何ですか?」

「あの店は薬草などの薬材が売っている店です」


「じゃあ、あそこの店は?」

「あそこは魔導の書や武術の書など、色んな知識が詰まった本が売っている店です」


 私の質問にリルアさんが丁寧に一つずつ答えてくれる。


異世界には、私の世界にない店が沢山あった。私はウキウキしながらどこの店に入ろうか悩んでいると、一軒の気になる店を見つけた。


「ここは?」

「ここは防御力を高めるアクセサリーが売っている店です」


 防御を高めるアクセサリーか。私弱いから防御を高められたらいいななんて思いながら、


「アクセサリーのお店に入ってみても?」


 リルアさんに聞いてみた。


「ええ。構いません。お金のことは心配ありません。気になる物が有れば購入しましょう!」


 とリルアさんも笑顔で言ってくれた。


 そういえば、私、ここの世界のお金を持っていなかった。

 宿屋もムウの顔で無料で泊まらせてもらっていた。

 もしもの為にと回復薬なんかも持っているが、全て用意してもらったものだった。


 リルアさんにお金を出してもらうのも……とためらっていたら、


「ムウ様からミリさんが気になるものが有れば購入する様にと言われていますので」


 と言ってくれた。ムウ!いつの間に。ありがとう!


 ムウに感謝をしつつ店に入ると色んな種類のアクセサリーが売っていた。


「これが防御力をあげるの?」


 ブローチを手に取りリルアさんに尋ねる。


「えぇ、ブローチに石がはめこまれているでしょ?その石に魔力が宿っているんです」


 へぇーと思い他のアクセサリーも手に取る。

 やっぱり石がはめこまれている。


「防御力といっても、色んな種類があるんです。例えば、物理攻撃に特化したものや魔力攻撃に特化したものなど。だから、ミリさんがどの攻撃に対して防御力をアップさせたいかですが……」

 と教えてくれた。


「物理攻撃と魔力攻撃の両方とかはありですか?」

 と念のため聞いてみる。


「そうですね」とリルアさんは少し考えてから


「両方とも装備をするのは問題ないのですが、お互いの石の魔力が喧嘩をして、効果が少なくなる可能性はあります」


 そうか。じゃあどっちか片方の方がいいんだな?と私は悩む。


 物理攻撃か魔力攻撃か……

 よし!物理攻撃の防御を強化しよう!


 お店の人に物理攻撃に対応したアクセサリーを出してもらい、私は一つ一つ手に取ってみる。


 種類も結構あるな。指輪、ブレスレット、ネックレス、ブローチ……


 ブレスレットは今しているのがあるし。

 どのアクセサリーにしようか悩んでいると定員さんがアドバイスをくれた。


「効力はどのアクセサリーも一緒なのでデザインで選ばれる方が結構多いですよ?」


 そうか。と悩みながら、アクセサリーを一つずつ見つめる。


 ん?このデザイン可愛い!形は少しごついけど、ツタの模様が入った指輪。これがいい!


私がその指輪を持ってリルアさんに見てもらう。


「かわいいじゃないですか。ミリさんによくお似合いですよ」


そこまで言われたら買っちゃうよね!


「じゃあ、これで!」とその指輪を購入してもらった。


 店を後にして、街の探索はまだまだ続く。

 私は早速指輪を身につけ気分が上がっていた。


 次に入った店は果物が美味しそうに並べられていた。


「ここは果物をそのままいただくこともできますし、絞ってジュースにしてもらうこともできます」


 とリルアさんが教えてくれた。


「ジュース!飲みたいっ!」


 リルアさんにお願いしてジュースを買ってもらうことに。


「あっリルアさんもジュース買って、どこかで休憩しましょうよ?」


 私の提案にリルアさんもいいですね。とのってくれた。


 近くに休憩できる広場あると教えてもらい、買ったジュースを手に広場で休憩する。


 私は濃厚で甘いジュース。

 リルアさんは柑橘系のさっぱりとしたジュースを飲んでいた。


 ジュースを飲みながらリルアさんと話をする。


「リルアさん。この街はいいところですね!リルアさんの経営する宿屋はご飯が美味しいし、このジュースも美味しいし!」


「この街を気に入って頂けてうれしいです。そんな大きな街では無いのですが、いろんな商人達が大きな街に行くためにこの街を通るので、物流が豊かなんです」


「そうなんですね。私この世界に来てこの街に来なかったら、きっとへたれてたと思います」


「ふふふっ。ミリさんならどこに行こうがきっと大丈夫ですよ?」

 と笑ってくれた。


 そういえばと思い、私はリルアさんに気になっていることを聞いてみた。


「リルアさんもムウと同じ方の使いときいたのですが?」


「えぇ、そうです。まあ、ムウ様よりはかなり下っぱですけどね」


「そうなんですか?ムウってそんなにすごいんですね」


「はい。あの方は誰もが敬う様な方です」


 ムウうやまられるんだ。

 私は改めてムウの凄さを知ることとなった。


「さあ、そろそろ日が落ちてきたので帰りましょうか?」


 と言われたが、あと一軒行きたいところが。とリルアにお願いした。


 行きたい所。それはこの世界に来てムウが教えてくれた所……

 私はその店の事を話し、リルアさんに案内してもらった。


「つきました。ここですよ。魔力の有無を判定してくれる店です」


 そう、私は自分に魔力が宿っているかをみてもらうために魔力鑑定所にやってきた。


 ここは冒険者に成り立ての人達が魔力の有無をみてもらう為にある店。魔力があるか無いかで、今後どの様に戦いのスキルを上げていくかを判断することができるそうだ。


 まあ、魔力がある人は自然に魔法を覚えるそうだけど、自分にあるかどうか早く知りたい人は手っ取り早く鑑定所で調べてもらうそうだ。


 早速入り口から中を覗いてみる。店の中は薄暗くなんか出そうな雰囲気だ。私がおどおど店の中を覗いているから「いらっしゃい」とお店の人が挨拶をしてくれた。

 

「あの。魔力が私にあるかどうか調べてほしくて」


「わかりました。ではこちらに座ってください」


 そう言われて、机の前に置いてある椅子に案内された。


 リルアさんは入り口で待っててもらっている。

 ここは鑑定してもらう人しか入ることができないらしい。


 では。と店の魔術師が、机の上に置いてある水晶で私を鑑定し始めた。


 水晶で鑑定すること数分。

 魔術師が口を開いて話し始めた。


「残念ながら、あなたからは魔力の気配がありません」


 そっか、やっぱり魔力はなかったか。残念だけど仕方がない。


 ちょっと落ち込みかけたが、元の世界では魔力なんてものは無かったし、最悪、ペットのスキルで。とポジティブに考えることにした。


 でも、本当は私もカッコいい魔法使いたかったな。なんて思いながら。


 店の前で待っていたリルアさんにお礼をいい、鑑定結果を伝える。


 リルアさんも

「そうですか。残念でしたね。ミリさん帰ったら美味しいご飯を用意しますから、ご飯をたくさん食べて嫌なことわすれちゃいましょう!」


 と励ましてくれた。


 鑑定も終わって、宿屋に戻るとムウが出迎えてくれた。


「どうだった?この街は?」

「すごく楽しかったよ!防御力アップの指輪も買ってもらったし、美味しいジュースも飲めたし!」


 街を見回った感想をムウに話し、指輪のお礼もした。


「魔力の鑑定には行ったの?」


 とムウに聞かれたが、


「うん。それはだめだった。魔力の鑑定してもらったけど、私にはなかったみたい」


「そっか。でも、ミリには魔物のスキルを使えるんだから!これは誰にも真似できないよ?」


 と励ましてくれた。


「うん。私もそう思ってたところ。だから落ち込むのはやめたよ。ムウ、今日は私のわがまま聞いてもらってありがとう!」


「こちらこそだよ。僕達のためにペットの捕獲をしてくれてありがとう」


 お互いが感謝しあい、はにかみながら笑っていると


「ミリさんっ!ご飯ができましたよ」


 と、リルアさんが部屋までご飯を運んでくれた。さっき言っていたとおり、いつもより豪華なご飯を用意してくれていた。

「他の宿泊客の方には内緒ですよ?」


 私はうんうんと頷き一口パクリと食べる。


「美味しい〜っ!」


 今日はいたせり尽せりだ。

 私はとても充実した1日を過ごしたのであった。

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