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4.スキル

 昨日はスライムをなんとか捕まえることができたけど。


 今日もムウに張り切ってペットの捕獲に行こうと言われて昨日と同じ草原に来ている。


「ミリ!いたよ!あの草むらのとこ!」


 ムウが私にペットの位置を教えてくれる。


 今度は一体どんなペット?見た目が怖くないやつがいいな?なんて思いながら、まじまじと草むらを見る。

 草むらの隙間から、白いふわふわした毛並みが見える。

 ペットが草むらから飛び出すと、そこには大きなネズミがいた。


「こいつはラットラットだよ。ちょっと気性が荒くて、動きが早いんだ。じゃあ、行くよ?」


「う、うん……」


 ムウに言われて私はラットラットを捕獲することに。

フワフワの毛並みだったから、ウサギみたいなやつだと思ったのに、ネズミか。まあ気持ち悪い容姿のやつよりはいいか。


 昨日のスライムのようにムウがラットラットを誘き出す。

 ムウが近くに近寄り、それに反応したラットラットは敵意を剥き出して攻撃しようと、こちらに襲いかかってくる。


「ミリ!いまだ!」


 私はムウに言われて剣を振り下ろす。


 ヒラリ。


 ラットラットは私の剣をかわし、私めがけて襲ってこようとしたが。剣はそのまま軌道を修正し、ラットラットを見事仕留めた。さすが私の剣!


「やった!」


「ミリ!喜ぶのは捕まえてから!」


 ムウに言われて、急いで本を出す。


『シール!!』


 ラットラットは光に包まれ、本へと吸い込まれていった。


「よし!2匹目捕獲完了だね!」


「うんっ!」


 これで2匹捕まえることができた。剣のおかげだけどね。

 2匹目ということもあり少し余裕ができた私は本を手に取り、ラットラットのページを見る。


 ん?なんだろうこれ?


「ねえムウ、この本ってさ、ペットの絵以外にも色々と文字見たいのが書いてあるね」


 疑問に思いムウに聞いてみる。


「ミリ、良いところに気づいたね。もうちょっと捕獲に慣れたら教えようと思っていたんだけど。リングを本にかざしてみて?」


「こう?」


 私はムウに言われた通りリングを本の上にかざす。

 するとリングが光、文字らしきものが日本語に変わった。


 あっ!日本語になった!


「リングをかざすことにより、リングの適合者向けに本が仕様変更されたんだ」


 このリングにはそんなアップデートをできる機能もあるのね。

 私は感動しながら、ラットラットのページを日本語に変わった文字を読んでみる。


 名前…ラットラット

 見た目…ふわふわの毛並みが特徴。

     良くウサギと間違われる。鋭い牙があるがあまり

     使わず、大きな前足で攻撃する。

 スキル…前足で叩く


「あっ、ラットラットのことが書かれているんだ」


「そう。この本にはそのペットの個体の詳細が記されるんだよ。そして、すごいのがここからなんだ!」


 そういうと、何故かムウが息ごんでいる。


「スキルってとこあるでしょ?」

「うん?あっ!前足で叩くってとこ?」


「そう。この本に封印したペットのスキルをミリが使うことができるようになるんだ」


 スキルを?でも前足で叩くって。スライムのスキルも見てみたが、突進だった。あまり使いたくないな。

 私が嫌な顔をしているとムウはまあまあと私を宥める。


「一度試しにラットラットのスキル使ってみて?リングに向かって『ラットラットスキルオンッ!』そう言うんだ」


 私はリングに向かって同じように唱える。

『ラットラットスキルオンッ!』


 するとリングの宝石が光り、剣も共鳴する様に輝いた。


 剣が光った……私が驚いていると


「剣にスキルが付与されたんだよ」

 とムウが教えてくれた。


 剣に?


「じゃあ、そこにある木を剣で切ってみて?」


 ムウに言われて、私は木に向かって剣を振りかざす。


 ドスッ。


 剣が木に刺さり、木が少し傷ついた。スキルを使わなくても、これくらいだったら傷つく気がする。んーよくわからない。


「ラットラットのスキルはそんなに強くないからね。まあ、これからペットを捕まえていけば強いスキルも手に入るから、その都度使ってみるといいよ」


と教えてくれた。


強いスキル?竜巻とか雷とか起こせたりするのかな?

そうなったら私最強じゃん!あっ?でもその前に捕獲しなくちゃいけないんだった。


「後、昨日言うの忘れてたけど、ペットを捕獲する時は周りに誰もいないのを確認してから捕獲すること。こんな魔法この世界では珍しいからね。誰かに見られるとまずいんだ」


とムウに忠告を受けた。


「あっ!この先に違う種類のペットがもう1匹いる。ミリ、行こうか?」


もう1匹!?1匹捕まえるだけで結構精神的に疲れるのに。とムウの言葉にガクッとうなだれた私は、そうだ!とムウに提案する。


「ねえ、ムウ?後1匹捕まえたら今日はこの後街を探索してみたいな?」


 ここに来てから、街の外の草原と宿屋の往復だけで街の中を見て回ることがなかった。


「そうだね。気晴らしに街の中を見てみるのもいいかもね。

 じゃあリルアに案内してもらおう」

 そう言ってムウも承諾してくれた。


 私はやったー!と喜び、とてもウキウキしながらペットを捕獲しに向かった。

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