表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
村人だった俺が神スキル『チェンジ』に覚醒して世界を救う英雄に~命懸けで戦っていたら仲間には愛されるし婚約者は増えてゆくし、幸せすぎて困ります~  作者: ひだまりのねこ
第二章 王都への旅路 ~ネスト

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/144

08 女好き領主のクレメンス


「おおっ、来たかキム。約束通りカスパーは捕らえた。早く例の女2人を連れてこい」


 期待でソワソワしているクレメンス。


 

 このエロ領主、誰がお前なんかに……



「はい、すでに控えさせておりますよ、クレメンス様」


 もちろん出まかせだが、それを聞いたクレメンスがにいっと口角を上げる。


「そうか……ご苦労だったな。ならばお前はもう用済みだ!!」


 絵にかいたような悪い笑顔で、あっさりとキムを裏切るクレメンス。


 滅多にいない美少女をみすみすキムに渡すのが惜しくなったのだ。



「なっ、それでは話が違うではありませんか!?」


「何のことかな〜? 記憶にないな。クハハッ、これで2人とも私のものだ。衛兵、こやつを捕らえろ!!」


 まあ……そんな事だろうとは思ったけど、かえって手間が省けたよ。



『チェンジ!!』



「お呼びですか領主様」


「うむ、こやつを捕らえろ! 違法に奴隷を販売していた極悪人だ」


「はっ、かしこまりました!!」


「えっ? ち、ちょっと待て! なぜ私がそこにいる? ええい、離せ! 止めろ!?」



 ギャーギャー喚き散らしながら連行されるクレメンス。


 これで仲良く豚箱行きだ。悪は決して栄えないのだよ! 少なくとも俺の前ではな。



 しかし、クレメンスの記憶を見るほどに酷い領主だなコイツ。


 これで良く町の経営が成り立っていたものだと変な所で感心してしまう。


 でも、それも長くは続かないだろうな。


 そんな酷い状態の町を何とか回してきた優秀な人材を先日牢屋にぶちこんでしまったのだから。



***



「おい、ギネス。もう牢屋から出ていいぞ。領主様がお呼びだ」


「領主様が? わかった直ぐに伺う」


 ありもしない罪で牢屋に入れられた時は絶望したが、冤罪だとわかってくれたのだろうか。


 正直、町が心配でならない。後任がきちんと仕事をしてくれていればいいのだが、後任の男は、賄賂を貰うことしか考えていないような奴だ。とても期待は出来ないからな。



***



「おお、良く来てくれたギネス。功労者のお前を牢屋に入れてしまい申し訳なかった。今後も町の為に働いてくれるだろうか?」


「も、もったいないお言葉、ありがとうございます。このギネス、全身全霊で町の為に働く所存です」


 いや、このギネスって人、本当に感じの良い人物だな。誠実さが服を着ているようなイメージだ。



「ありがとう。それで今後のことだが、ギネス、お前を領主代行に指名することにした」


「は? わ、私が領主代行ですか? は、ははっ、ありがたく拝命つかまつります」


 領主代行はこの町のナンバー2だ。ギネスが驚くのも無理は無い。



「それで相談なのだが、私は当分の間旅に出ようと思う。その間、領主に関する支出は必要最低限を除いてゼロで良い。もちろん給料も含めてな。急で申し訳ないが、明日には出発する予定なので、後のことはすべてお前に任せる。人事権も含めて委任状を用意してあるから安心して欲しい」


 ギネスは突然のことに困惑しているが、一生懸命に聞いて頷いている。彼ならば大丈夫だろう。


 少なくとも素人の俺が領地経営するより余程良い。


「それから、これは今後迷惑をかける分と、無実の罪で牢屋に入れてしまった慰謝料だ。これからは敵も増えるだろうから、護衛や諜報員を雇うのに使うと良い。一応不正をしていたものはすでに牢屋にぶちこんであるから当面は大丈夫だと思いたいけどね」


 ギネスも苦笑いしながら同意する。


「わかりました。領主様の期待に応えられるように精一杯頑張ります」


 

 町の運営はこれで大丈夫だろう。あとは領主の屋敷か。 


 屋敷に戻って、商人たちを呼び、贅沢品や不正に得た品を全て換金する。


 幸い領主には妻がいなかったので、囲っていた女性たちや、メイド、従業員たちに退職金を十分に渡して解雇した。


 最後に屋敷も売り払い、後始末完了だ。


 これまたとんでもない額のお金が手に入ったので、リズの良い笑顔が見れることだろう。


 

 将来この町に戻ってくるかどうかわからないけど、せめてこの資金はなるべく困っている人の為に使おうと思っている。自己満足でしかないけどね。


 もちろん後ろめたさも無くはないが、お金は使ってこそ経済が回る。彼らよりましな使い方なんだと自分を納得させるしかないよな。


 

 あらためて、スキルのでたらめさを感じるとともに、悪用したら大変なことになると自戒する。


 なんたって、一介の村人が簡単に領地を手に入れてしまったのだから。その気になれば国だって簡単に手に入るだろう。王様と入れ替わればいいだけの簡単なお仕事だ。


 

 でも大丈夫。


 俺にはリズがいてくれる。クルミだっているんだ。


 彼女たちといる限り、俺は絶対間違えたりしない。


 

 だって、この力は彼女たちを守るためだけに使うと決めたのだから。


 

*************************************

【 8話終了時点での主人公 】


【名 前】 キム → クレメンス

【種 族】 人族 → 人族

【年 齢】 48 → 37

【身 分】 奴隷商店主 → ノルン領主

【職 業】 領主


【スキル】 チェンジ 総合剣術 夜目 身体強化 御者 統率 強脚 狼語 見切り 奴隷契約 カリスマ



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i566029
(作/秋の桜子さま)
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ