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10 パーティメンバーと王都へ出発


 マイナさんに紹介してもらった『路傍の花』パーティメンバーは以下の通り。



 マイナさんと共にアタッカーを務める豹の獣人レオナさんは、20代後半の剣士で、焦げ茶色の髪色にオレンジの瞳。斥候役も出来る優秀な冒険者だ。


 楯役の熊の獣人、ベアトリスさんは、同じく20代後半の女性で、濃い炭色の髪にうぐいす色の瞳。種族特性の恵まれた体格と引き締まった筋肉質の体躯を活かして大楯を使いこなす。


 後衛の魔法使い、ミザリーさんは、20代前半の気弱そうな女性で、緑の髪にルビー色の瞳。魔法に特化した種族である魔族とのハーフ。火属性の魔法を得意としている。


 後衛の回復役である神官のミラさんは、20代半ばの優しそうな雰囲気の女性で、銀髪に翡翠色の瞳。回復魔法と浄化魔法を使いこなす優秀な神官。マイナさんと同じ人族で貴族の令嬢。


 リーダーのマイナさんは、神官のミラさんと幼馴染で同い年。2人で冒険者パーティを立ち上げ、今の5人となってからはずっとメンバー変更もなくうまくいっているそうだ。



挿絵(By みてみん) 

マイナ(使用メーカー様:五百式立ち絵メーカー)


挿絵(By みてみん) 

レオナ(使用メーカー様:五百式立ち絵メーカー)


挿絵(By みてみん) 

ベアトリス(使用メーカー様:五百式立ち絵メーカー)


挿絵(By みてみん) 

ミザリー(使用メーカー様:五百式立ち絵メーカー)


挿絵(By みてみん) 

ミラ(使用メーカー様:五百式立ち絵メーカー)



******



 一方で、依頼者であるイソネたちと顔合わせを終えたマイナは、内心やはりな、と納得していた。 


 王都への護衛を依頼してくるパターンは大きく分けて、金持ちか訳ありの2種類、あるいはその両方だ。


 この町ノルンから王都までの道中は比較的整備されているし、普通はわざわざ護衛など雇わない。


 ましてや今回のように指名依頼で報酬も破格となれば、十中八九訳ありの金持ちだろう。


 どう見ても親子には見えないし、ギルドに入って来る時に腕を組んでいたから恋人かもしれない。すごく仲良さそうな雰囲気だった。


 まあ、あれだけの美少女を2人も連れているのだから、只者ではないのだろうが、こちらとしては楽な依頼で稼がせてもらえるのだから文句など無いし、そもそも詮索はマナー違反だ。


 それに、ちょうど王都へ行こうとメンバーで話していたところだったから、私たちにとっては、まさに渡りに船。迷うことなくすぐに依頼を引き受けた。


 私たちを指名する依頼主は、大抵良からぬ目的を持っていたりするのだが、若い女性連れならば、そういった心配も少ないだろうし、見た感じ、誠実そうな男性だ。これは久しぶりに当たりだったかもしれないな。



***




「それで、イソネ殿はどちらのルートを使うのでしょうか?」


 マイナさんが確認しているのは、王都へのルートについてだ。


 実は、今いるノルンの町から王都へ行くルートは二つある。



 1つは最短距離で山岳地帯を通るルート。もう1つは山岳地帯を迂回して平地を抜けるルート。


 山岳地帯を抜ければ、王都までは約一週間、迂回ルートだと倍の二週間ほどかかる。



「特段急ぐ旅でも無いので、迂回ルートで行こうと思います」


 最短ルートは危険が付きまとうので却下だ。二人を危険な目に遭わせる訳にはいかないし、マイナさんたちの負担も、その分大きくなってしまうからね。



「わかりました。出発は何時にしますか?」


「俺たちは準備出来ているから、マイナさんたちが良ければすぐにでも出発しましょう」


 マイナさんたちも異存は無かったので、早速出発することになる。



「移動用の馬車の手配は?」

 

「あ、自分の馬車がありますので大丈夫です」

 

 マイナさんが何やら納得したような顔をしているけど、やっぱりどこかの金持ちに貴族にでも見られているんだろうな……。


 宿に戻り、預けていた馬車を引き取ってくると、『路傍の花』メンバーから驚きの喚声が上がる。



「さあ、皆さんも乗ってください」


 大きい馬車なので、全員乗って、荷物を積んでも、まだかなり余裕がある。


「………これは立派な馬車だな、本当に俺たちも一緒に乗って良いのか?」


 豹の獣人レオナさんは、馬車に乗れると聞いて嬉しそうだ。


「我々の荷物まで積んでもらって本当に助かる」


 そう言って頭を下げるのは熊の獣人ベアトリスさん。見た目はちょっと怖いけど、礼儀正しくて真面目な人だ。


「私たちは体力が無いから有り難いわ。ね、ミザリー?」

「う、うん、そうだねミラ」


 後衛組の2人も嬉しそうに馬車に乗り込んでゆく。


 この馬車は、組織の拠点にあった中でも1番立派なものを選んだからね。


 組織の幹部が使っていたもので、馬車を引く馬も、普通の馬ではなく馬力のある馬竜だ。



 馬竜は大きなトカゲのような生き物で、見た目はアレだが、魔物や魔獣ではなく、馬などと同じ普通の家畜だ。


 非常に賢く性格も温厚で、馬車や騎士の騎竜として広く活躍している。



 俺たちにもすぐに懐いて、リズとクルミは白っぽい方をトーカ、黒っぽい方をカゲと呼んで可愛いがっているのだ。


 大型の馬車なので、普通の馬なら6頭で引くところを馬竜ならば2頭で余裕で引くことが出来るほど力が強い。


 しかも馬の半分しかエサを食べないので、食費も安いし、馬竜万歳だ。ただし、価格は馬の10倍するけれども。



「トーカ、カゲ、私はマイナだ。旅の間宜しく頼む」


『フルルルゥ』


 御者を担当するマイナさんが2頭に挨拶すると、トーカとカゲが鼻を擦りつけて甘える。


「どうやら気に入ってもらえたようだな」 


 マイナさんが嬉しそうに馬竜たちを撫でている。これなら安心だな。


 これまでは俺がひとりで御者をしていたので、交代出来るのは本当に助かるよ。


 


 御者台のマイナさんの隣に座り、宿から出発する。



「この時間に出発すれば、日が落ちる前に次の町ネストに到着出来ますよ」

 

「そうですね。では今夜はネストに泊まりましょう。でも、その前に――――」


「道中で食べるものを買っていきましょうか。もちろん、路傍の花のみなさんの分もね」



「「「「「「「賛成〜!!!」」」」」」」


 後ろから歓声が聞こえてくる。



「イソネ殿、私たちまで良いのですか?」


 マイナさんが申し訳なさそうにしている。


「マイナさんも遠慮なく好きなだけ買って下さい。せっかくの旅です。楽しまないと損ですからね」


「あ、ありがとうございます!」


 心なしかマイナさんの顔が赤い。


 しっかりカリスマが仕事をしてくれているようだ。


 べ、別にマイナさんをどうこうしようとか思ってないからね!


 嫌われるよりは好かれた方が良いに決まっているから。



 何はともあれ、こうして俺たちの王都への旅が始まったのだ。



*************************************

【 10話終了時点での主人公 】


【名 前】 クレメンス

【種 族】 人族

【年 齢】 37

【身 分】 ノルン領主

【職 業】 領主


【スキル】 チェンジ 総合剣術 夜目 身体強化 御者 統率 強脚 狼語 見切り 奴隷契約 カリスマ


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i566029
(作/秋の桜子さま)
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