突撃
畑の作物に群がるキラービー達の耳障りな羽音が嫌でも耳に入る。
キラービーは雑食であり、肉や虫だけでなく、作物や葉などいった物でも食べる。
故に様々な場所や人に被害が起きるのだ。
「かなりの数だな」
ぱっと見で百体近くのキラービー達が畑を荒らしていた。
これを一人でやるとなると流石に骨が折れる。
「おい、これを一人でやろうってか?」
「正気じゃねぇ。気が狂ってやがる!」
背後ではノブトモの足軽達がキラービーの群れを一人で討とうとする俺に驚いている。
当然だ。普通の人間なら俺みたいな無謀な真似はしない。
「お主、一人でやるつもりか? 命を投げ捨ててまで報酬を一人占めしたいわけか?」
ノブトモは相変わらず馬に跨り、俺を見下ろしている。品定めをするかのように。
上から見下ろすその様は佇まいも相まってまるで将軍だ。
「それなり理由があっての行動だ。黙ってろ」
「その反骨精神。嫌いではない」
暴言を吐かれてもノブトモを怒ることなく寧ろ、笑みを浮かべている。
俺は歌舞伎役者でもないんだけどなと心で呟く。
「さて、始めるか」
背中に背負った剣を取り出し、構える。
そして、キラービーの群れに突撃する。




