来る旋風
どーも。
何も言うことがないです
メアリーの魔法に対する素質を測り終わり、ある程度伸び代と得手不得手を予測した後、俺達は一度に外に出て、メアリーの魔法を確認することにした。
そして、俺達は街から少し離れた開けた草原にいる。
「トーカさん。どうして、わざわざ外に?」
「万が一のことを考えてね」
正直、確認する為だけなら簡単な魔法でいいし、それなら屋内でも大した被害出ない。
だが、メアリーの素質の高さ。さらに魔法に不慣れで力加減がわからないだろうから、必要以上に威力が高い魔法が出てしまうかもしれない。
「それじゃあ、先ずは風を吹かせてみて」
「風を吹かせるって……」
「さっきイメージした感じを……こう……手から出ろ……って!」
我ながらわかりづらい指導だと思う。しかし、魔法はかなり感覚で行うもので、具体的に指導しても伝わりにくい。
それこそ何度も繰り返して、感覚を掴むのが上達への近道。
「イメージ……イメージ……」
大雑把な指導にメアリーは戸惑いながらも、左手を前に出し、必死に風を出そうとする。
すると、メアリーの周りから段々と風が起こり、メアリーを中心に渦巻いていく。
「凄い……威力!」
風は唸り、周囲の草木を狩り、子犬の程の大きさの岩すらも軽々と浮かせる程。
そして、風はやがね竜巻となってメアリーを囲む。
レイカは髪を抑えながら、メアリーの風魔法の威力に圧倒する。
「威力が強すぎる! これじゃあ、コントロールが!」
初心者が威力の高い魔法なんか扱い切れるわけがない。
現にメアリーは魔法を扱い切れておらず、既に竜巻に囚われている。
俺は剣を携え、竜巻へと向かう。
「メアリー! 今助ける!」
剣に風の力を纏わせる。この竜巻よりも強い風の斬撃で斬り込み、強引に払う。
「大丈夫か!」
竜巻が消えてなくなり、開放されたメアリーがゆっくりと膝を付いて、倒れる。
慌てて、抱きかかえ、安否を確認する。
返事こそはないものの、呼吸はしており、たた気を失っているだけだった。




