素質
スクスタにフェスガチャ限定に推しであるエマちゃんのURの実装されたので13000円分課金して40連。さらに貯めていた無償石100連分と計140連回したのですが……エマちゃんは来ませんでした
ショックなのですが、代わりにAqoursの推しである果南ちゃん、そして同じフェス限であるにこちゃんとせつ菜ちゃんが当たり、その他URが三枚目で計6枚とドブライブ!したわけでもなくて、悲しめばいいのか、喜べばいいのか僕はもうわかりません
あぁ……エマちゃん……どうして?
「ただいま……」
「おかえり!」
「おかえりなさい!」
宿に戻るとレイカとメアリーが眩しい笑顔で迎えてくれる。
あぁ、数日後にはこの笑顔が曇ることになると思うと心が息苦しい。
「どうしたの? まるで犬の糞を踏んだみたいな顔して」
「まぁ、そんな……ことだ。それよりも例の依頼、受注してきた」
もう既に終わった出来事を後悔しても何も進まない。
頬を叩き、気持ちを切り替える。
「この前のオーガとは比べ物にならないくらい、厳しい戦いになるのは明白。だから、少し特訓しようと思う」
「特訓って? 何をするの?」
「今日は取り敢えず、魔力の保有量を増やす特訓をしようと思う。特にメアリーには必要なことだ」
俺はメアリー視線を移す。
戦いに参加するということで恐怖を不安を感じているのか、少し体が縮こまって、震えている。でも、目だけはしっかりと据わっている。
「魔力の保有量って、どうやって増やすんですか?」
「それを今からやってみるよ。メアリ。そこの椅子に腰掛けてくれないか?」
そう言うとメアリーは素直に背後の置かれている椅子に腰掛ける。
「それじゃあ、まずは目を閉じて」
「はい」
「よし、それじゃあゆっくりと深呼吸。心を落ち着かせる。余計な事は考えない。己の内にある『何か』を感じるようにするんだ」
魔力というのは体力と同じで魔法は運動に通じている。
増やすことなんて簡単にできる。そして、練習すれば効率よく扱うことだってできる。
ランニングを想像すればわかりやすい。ランニングをすることで心配機能や筋肉が高まって一種の体力が付く。しかし、体力が付いたからと言って、走り方に無駄があればどんなに体力を付けようともすぐに疲れる為、意味がない。
前傾姿勢ではなく、背筋を伸ばす。腕には力を入れず、脱力、呼吸も一定のテンポを維持すればより長く、速く走ることができる。
魔法も同じだ。発動する際に無駄な邪念を無くし、体全体で発動するというよりも指先など一点に集中することで放出する魔力の無駄をなるべく無くす。
そうすることで、例えメアリーのように魔力保有量が少ない人でも多少は楽に魔法を使用することができる。
「何か……」
「何かは人によって変わる。俺は光だ。太陽のように溢れんばかりの光」
「そうなんだ。私は何でも燃やす炎だなぁ」
魔法は使用者の心のあり方で得手不得手がある程度決まる。
例えばレイカは炎。これはイメージ通り炎系統の魔法を得意としながら、何でも燃やすということでさらに攻撃的な魔法を使うことに長けていることが予想できる。
炎をイメージしても例えば不死鳥の炎や炎の中から何かが生まれることをイメージするのならそれは「再生」を意味し、打って変わって攻撃系ではなく、回復系の魔法を得意とすることが多い。
因みに俺の「光」というイメージは他者曰く、可能性や希望を表しているらしい。
確かに逆境でこそ力を発揮する俺とは正にイメージ通りの力だ。
「私は……大地。果てまで草木や花が広がっています。それに風が気持ち良くて……生き物達が歌うように鳴き声をあげています」
「何か、凄い壮大ね」
「それにえらく鮮明だ。もしかしたらメアリーは相当な素質があるのか?」
イメージが鮮明で壮大である程、魔法に対する素質が高いとされている。
俺なんかは光を太陽とイメージしたため、素質はあると言われていたが、ただ単純にそれしかなかった。更に素質があれば、太陽と言っても宇宙に浮かぶものや、大地を照らすとイメージできたのだろう。
それに比べてメアリーのイメージは簡単に言えばわかりやすい。それでいて聞いているだけで容易に想像できるくらい。
「こいつは……魔法に関してはレイカ……いや俺以上の素質を持っているかもしれない」
にこちゃん来てくれたのは嬉しいけど、僕はエマちゃんがホシカッタ……
アァ……ナニモキコエナイ……トキガミエルヨ……エマァ……




