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秘密の場所

どうも

サボり魔の島下遊姫です。

 森の中は一寸先すら見えないくらい暗い。自分が今どこを歩いているのか、本当にメアリーの元に行けるのか、村の戻れるか四方から不安に襲われる。

 さらに木々のざわめき、犬の遠吠えが恐怖を与え、一層不安を掻き立てる。


「よく、こんな所を一人で歩けるな」


 数々の修羅場をくぐり抜けてきた俺でも普通に怯える程の薄気味悪い空間を一人で踏み込んだメアリーは相当肝が座っていると見た。

 もしくは慣れているのか。

 それにしてもこんな薄暗い森の中に入ってメアリーは何をしているのだろう。


「あの光は……?」


 森の先に光る灯が目に入る。

 俺は街灯に群がる虫のように一目散にその光に向かう。

 森を抜けた先は小高い丘に出た。眼下に広がる青い平原。その真ん中に佇むグレーに染まり、所々灯りが蛍のように浮いている街「カンラ」が望める。

 その景色をメアリーは地べたに座り、眺めていた。


「メアリー……ここにいたのか」


「トーカさん! 体の具合は大丈夫なんですか?」


「あぁ。すこぶるいいさ。それよりどうしてここに?」


「……好きな景色なんです。広い世界が望めるし。風も気持ちいいから」


 確かに優しく通り抜ける夜風が気持ちいい。

 これが太陽が顔を出す昼だったら暖かな日射しも相まってもっと気持ちいいだろ。


「確かにいい場所だ。昼寝でもしたら気持ち良さそうだな」


「気持ちいいですよ。良かったら明日とか試してみますか?」


「あぁ……。それはちょっと厳しいかな」


 メアリーの心遣いを仇にするのは心苦しい。

 しかし、俺達は一日も早く前に進まなくてはいけない。

 今日のように誰かが俺達の助けを求め、待っている人達がいるかもしれない。


「明日の朝にはこの村を出て、あの街に行くから」


 俺はカンラの街に指を指す。

 本来の予定なら今頃、カンラの宿に泊まっていただろう。

 しかし、魔物達が人々を襲うのならば救世主としてそれを救うのは当然のことだ。


「そう……ですか」


 メアリーはカンラの街を上京を夢見る少女のような眩しい瞳で眺めていた。

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