決路を開け!
どうも
劇場版FAガールが早く観たいと思っている島下遊姫です
「うぉぉぉ!」
俺は剣を構えて、再びボスオーガに迫る。
「何度やっても同じこと!」
斬撃は通らない。
俺は走りながら地面に赤い魔法陣を描く。
「火柱!」
指を鳴らすと魔法陣から火柱が上る。火柱はまるで地割れのようにボスオーガに向かって走り、直撃する。
「この程度の火では!」
しかし、ボスオーガの屈強な肉体には全く効果がなく、火傷の一つも与えることができなかった。
そんなことはわかっていた。それでも何かの弱点はあるはずだ。
「風の剣!」
剣に白の魔法陣を描くと刃に風が纏われる。
そして、風の斬撃を浴びせる。
風というのは意外にも切れ味が鋭い。日本でもその切れ味を鎌鼬という怪異に例えているくらいだ。
だが、残念なことにボスオーガの屈強な肉体には通用しない。
「次は……」
次の一手を模索していると背後から矢が飛んできてはボスオーガの肉体に刺さる。
「諦めなければいいんでしょ!」
背後では自分を鼓舞するように諦めないことを言い聞かせているレイカが弓を構えていた。
「雷鳴の……矢で!」
レイカは今度は雷属性の矢を放つ。
しかし、相変わらずボスオーガには通らない。
「これでも駄目なの!? どうすればいいのよ!」
「諦めろ! 貴様ら人間風情では俺に敵うわけがなかろう!」
いくらダメージが通らないとは言え、人間が蚊やノミを鬱陶しいと思うようにボスオーガも俺達の攻撃も鬱陶しがっている。
ボスオーガは右半身を大きく動かしながら一歩一歩、大地を揺らしながらこちらに迫ってくる。
「あの首の傷……もしかしたら!」
すると、レイカは何か気づいた。
そして、ボスオーガが迫る状況でもゆっくりと慎重に弓を構えて、狙いを定める。
「この一撃を風に載せて……」
力強く弦を引っ張り、力と魔力を矢に込める。
「疾風の……隼!」
そして、隼の形のオーラを纏った矢を放つ。
隼の矢はボスオーガの左首に付けられた傷口にクリーンヒットする。
「ぐがぁぁぁぁぁ!」
「効いた!」
ボスオーガは左首を抑えては鼓膜が破れるのではと思う程の悲鳴を上げる。
「歩いてる時に左側を庇うように歩いてからもしかしたらと思ったの
!」
「諦めの悪さが功をなしたってかな」
レイカは心の底から満足そうな笑みを浮かべている。
諦めなければ大抵結果は付いてくるということがわかったのだろう。
「人間如きが! この我に傷を付けるとは!」
喜んでいるのも束の間。
左首に刺さった矢を抜き、八つ当たりするように投げ捨てると鼻息を荒げ、獣のような唸り声を上げる。




