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災いの前兆

最近、バトスピ初めたので誰かバトルして♡

「もう、見えなくなっちゃったね」


「あぁ。随分と歩いたからな」


 村を旅立ってからはや2時間。平原続きの旅路は出発から間もない頃は遠目にアドソン村が見えたか数々の丘を越えた頃には地平線に隠れてしまい、もう見えない。


 十七年間過ごしきた村から離れた実感が湧いてきたのだろう。レイカの目が潤んできている。


「そろそろ休むか」


「うん。ちょっと疲れた」


 今までずっと歩き続けているし、きっと気持ちの整理もつける必要もあるだろう。

 俺達は一旦足を止め、休憩を取ることにする。

 レイカはふぅと大きく息を吐いて、草原の上には座る。


「風が……気持ちいいね」


「あぁ。落ち着くよ」


 草原にそよぐ爽やかな風が心地よい。

 建物や木など遮られるものがない草原の風は強いがそれと同時に開放的な快適さが感じられた。


「空も広くて……青いね」


 レイカは仰向けに寝転び、雄大に広がる青空に手を伸ばす。


 村にいる時は周りの目が気になってなかなか地面に寝っ転がることができなかったのだろう。


 特に村長の娘という肩書があるのなら尚更、はしたないから寄せなんて予め忠告されていてもおかしくない。


「どう。旅は?」


「そうね。見ることも聞くことも何もかもが新鮮で楽しい。でも、少し寂しいわ」


「そうか」


「トーカは?」


「今までの旅は凄く寂しかった。だってずっと一人ぼっちで旅をしていたからね。今はレイカがいるから……凄く楽しい」


 最初の旅は苦しみも楽しみすらも共有できず、話し相手もおらず、ずっと一人ぼっちで寂しかった。


 でも、今はレイカがいる。それだけで俺の旅に不満はない。


 俺の弱さと本音を聞いたレイカは「それはいいことね」と微笑む。


「魔物、あんまり出ないね」


「ここら辺までは侵攻が進んでないかもしれない」


 水筒に口をつけながら答える。


 確かにずっと歩いてきてが魔物と呼べる存在は何一つ発見しなかった。

 もしかしたらケンタウロスがこの地域侵略の尖兵だったのかもしれない。ケンタウロスの侵略が成功したあかつきにはここ一帯は魔物の群れに埋め尽くされていたかもしれない。


 もしそうならば早い段階でケンタウロスを仕留めておいて良かったと今更ながら俺は胸を撫で下ろす。


「さてと、今のうちに道を確認しておくか」


 俺は地面にササッと魔法陣を書き、小さな地図を取り出す。


「ねぇねぇ。今はどこ目指しているの?」


「一番近くのガーリー国を目指すかな。結構栄えているから」


 レイカは地図を見る為、顔を覗き込む。

 地図には目的地を目指す赤い旗と現在地を表す赤い点。そして、点と旗を結ぶ紫色の線が映し出されている。


 以前の世界でいう地図アプリのようかハイテク仕様に当時も今も使いやすく、重宝している。


 紫色の線はジグザグになっているものの、道自体は一本道になっているらしく、迷うことはまずなさそうだ。


「大体……三時間くらいで到着できそうだ」


「案外近いのね」


「まぁな。さてと、それなら早く出発して宿のベッドに体を休めるとするか」


 正直、野宿は危険だ。今こそ魔物がいなくてももしかしたら夜行性の魔物が既にいるかもしれない。

 もし、寝首を狩られることになるかもしれない。


 街の宿に泊まればそんな危険は絶対にない。そもそもに早めに街につけば余裕を持って情報収集に勤しむことができる。


 俺達は早速立ち上がり、足早に街に向かう。


 その時だった。


「きゃあぁぁぁ!」


 だだっ広い草原の若い女性の悲鳴が響き渡る。


「この悲鳴!」


「レイカ、急ぐぞ!」


 俺達は行き先を変更し、悲鳴が聞こえた方向に全力で向かっていく。

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