85/106
水族館③
二人は秋月穂香を通り過ぎると、俺たちの手前で折り返した。
そして再び秋月穂香の傍まで近付いた時、事件は起こる。
それは、まるでその曲の歌詞に合わせたかのような行為で、事もあろうか鈴木麻衣子の手が秋月穂香のスカートの裾に掛かり、素早く捲る素振りを見せた。
いわゆる”スカート捲り”と言うやつだ。
秋月穂香は直ぐ気が着いて、鈴木麻衣子の手から逃れるために素早くターンしたものだから短めのスカートの裾が曲同様に”ひらり”と花のように広がる。
そして広がったスカートの奥からは眩しいくらい白い太ももと、その上には更に白い繊維質の衣類も見えた気がした。
一瞬呆然と立ち尽くして、その光景に心を囚われた俺たちが再び動き出したのは、三木が、どもりながら”見えた”と言おうとしてからで、俺たちは慌てて三木の口を塞いだ。
女子たちが秋月穂香を囲んで何やらキャーキャー騒いでいる。
被害者である秋月穂香は、赤くなった顔で鈴木麻衣子を睨んでいて、初めて見るその色っぽい表情に一瞬見とれてしまった。




