修学旅行⑤
その日の夜、俺たち四人は俊介が持ってきた麻雀セットで朝五時まで遊び、やっと寝たところで寺岡先生にたたき起こされた。
修学旅行二日目は、この旅行中最大のイベント。
旭山動物園とラフティング体験学習。
天気も良い。
しかし俺たちは寝不足のため景色が黄色く見えて元気がない。
気温も熱く感じて、立っているのが辛い。
白熊だのカワウソだの、どうでも良いから兎に角寝たい。
座りたい。
横になりたい。
それでもゲームだけは離さない。
広い園内をただ秋月穂香たちのグループだけを追いかけて歩くので精一杯。
旭山動物園を出た後は、またバスで移動してラフティング。
正直、早退したいくらいどうでもいいと。
到着するとスタッフの人から注意事項の説明と救命胴衣のようなものを着せられて川に移動。
この体調で急流下りなんて、自殺行為だ。
大きなゴムボートに乗り緩い流れをのんびり……。
俊介も本田も三木も目が既に死んでいた。
もしもこのままボートが転覆したら誰が生き残るのだろう……。
少なくとも俺たち四人は絶対死ぬ。
本流に合流する近くから流れが急に早くなり、そして本流に入ると激流!
「うおぉぉぉ~!」
本田が奇声を上げたのをきっかけに俺も俊介も三木も奇声を上げる。
ジェットコースターのような恐怖に体内のアドレナリンが噴出したのか、さっきまでの眠気が一気に吹っ飛んで物凄く楽しんだ。
ラフティングで一時的にハイテンションにはなったものの、その後のバス移動では反動でみんな爆睡して、バスがホテルに到着したときにまた寺岡先生に叩き起こされてバスを降りた。




