表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/36

第二十九話 限界突破

スキル使用に伴う不快な表現があります。

ご注意ください。


 俺達はジャーク達四人を首だけ出した状態でうんこボールに閉じ込めると、少し移動する。この後奴らをうんこ牢へと押し込んで、うんこ雲で街まで移送する予定だ


 しかし、うんこ牢やうんこ雲を作るところを奴らに見られたくない。

 俺のスキルの発動規模が常識外れに大きいことを奴らに教えてやる必要はないからだ。


 緑の濃い森の中を、俺とアリーは少し移動し、開けた場所へ荷車を置いて休憩する。

 辺りは夏至も近いせいか気温が徐々に上がってきているが、森の中は木陰も多く快適だ。



 この辺りでいいだろう。

「アリー、少し離れていてくれ」

「うん、わかった」


 俺はアリーに端へと移動してもらうと、『うんこ創造』で巨大なブツを作り出す。

 すぐに『うんこ操作』で形を整えうんこ雲を作る。

 来たときのうんこ雲の二倍程度のサイズだ。


 続いて、うんこ雲の後方に新たに大量のうんこを創造し、うんこ雲の上にうんこ牢を作り出す。準備完了だ。


 と、ここで……

 聞きたくなかったあの声がまた聞こえてきた。

 なぜだ。スキルうんこは上限に到達しているはずだ。

 もはやこの声を聞くことはないと思っていたのに……

 派生スキルがレベルアップしてしまったのだろうか……


 しかし事態は俺の予想の斜め上をいっていた。


 脳内にレベルアップのアナウンスが鳴り響く。


「スキル『うんこ』が限界を突破しました。

 スキル『うんこ』レベル10はスキル『スーパーうんこ』レベル1になります。

 スキル『うんこ』が限界を突破したことで、関連スキルが進化します。

 スキル『うんこ操作』レベル9はスキル『スーパーうんこ操作』レベル1になります。

 スキル『うんこ変化』レベル5は『スーパーうんこ変化』レベル1になります。

 スキル『うんこ創造』レベル3は『スーパーうんこ創造』レベル1になります。

 スキル『うんこ化』レベル2は『スーパーうんこ化』レベル1になります。

 スキル『うんこの下僕』が条件を満たしました。

 スキル『うんこの下僕』はレベル6からレベル9になります。

 さらにスキル『うんこの下僕』レベル9はスキル『スーパーうんこの下僕』レベル9になります。


「なんじゃ、こりゃーーーーー」

 俺は思わず叫ぶ。

 なぜか限界突破して、全てに“スーパー”がくっついた。

 悪い予感しかしない。

 俺は試しに『スーパーうんこ操作』レベル1に意識をしゅう中する。


 『スーパーうんこ操作』レベル1:自分の周囲200メートルのうんこを自由に操作できる。レベルが上がるごとに効果範囲が20メートルずつ伸びる。


「…………」

 効果範囲の伸び率が大幅に向上している。

 俺は恐る恐る『スーパーうんこ変化』レベル1も見てみる。


 『スーパーうんこ変化』レベル1:自分の周囲200メートルのうんこを自由に変化させることができる。レベルが上がるごとに効果範囲が20メートルずつ伸びる。

 現在変化させることができるものは次の通り。


 何よりも硬いうんこ、超硬いうんこ、硬いうんこ、普通のうんこ、軟らかいうんこ、下痢便、液便、気体うんこ、カレー味のうんこ、うんこ味のカレー。


 な、何なんだこれは……

 うんこの硬さが更に増えているのは予想の範疇だ。

 しかし最後の二つは納得できない。

 カレー味のうんことうんこ味のカレーだと……

 ふざけるな!

 最後の一つなんてもはやうんこですらないじゃないか!!!


 俺はあまりの事態にその場に座り込む。


 辺りは人気のない緑豊かな森だ。

 少し開けた場所には明るい木漏れ日が降り注ぎ、清涼感を演出している。

 静寂の中にわずかに響く鳥の声が、一層森の静けさを際立たせる。


 理不尽だ。

 なぜにこんなにもすがすがしいはずの森の中で、俺の心はこんなにも満たされない……


 本当に自然豊かで環境としては申し分ないこの森に、俺はふつふつとわき上がってくる怒りをぶつける。


「静かな森の、バッカやろーーーー!!!」


「大丈夫よ、コーター……

 何があってもあなたには私がいるわ……」

 いつの間にか膝立ちになったアリーに正面から優しく抱きしめられる。


「さあ、涙を拭いて、コーター。

 あなたならどんな辛いことも乗り越えられるわ」

 そう言いながらアリーは、見たことがない綺麗な柄のハンカチで、今日も俺の頬を伝う涙を拭いてくれる。


 俺は、そっとハンカチを持つアリーの腕を掴むと、自分の方へ引き寄せて優しくキスをした。





 俺が落ち着くのを待って、俺とアリーはうんこ玉となったジャーク達をうんこ雲に乗って迎えに行く。

 うんこ雲後部には、一際目立つ四角い建造物が付設している。もちろんうんこ牢だ。


 うんこ玉となって地面に転がっていたジャークがその異様を見たとき、ヤツの瞳は大きく見開かれた。

「まさかその巨大なうんこに……」

 俺達を閉じ込めようというのかと続くはずの言葉は、あまりの驚きに途中で小さくなり、聞こえなくなる。


 俺は4つのうんこボールを、中に閉じ込めた人間ごと『うんこ操作』で宙を飛ばせてうんこ牢へと誘う。


「よせーーー

 俺様を誰だと思っているんだ。

 俺様はジャーク様だぞ!!

 俺をこんな汚らしいうんこのはこにいれるんじゃねえぇぇぇ」


 ジャークはよほどうんこ牢が気に入らないのかうんこボールから頭しか出せていないにもかかわらず元気にわめき続ける。

 他の三人は諦めたのか体力が切れているのかはわからないが、おとなしくされるがままだ。


 既にうんこボールで拘束されている段階で変わりはないと思うのだが……

 無事にうんこ牢へと収納される四つのうんこボール……

「おのれ、コーター!

 この屈辱は忘れないぞーーーー!!!」


 相変わらずジャークだけは反抗的で騒がしい。


 俺は4人をうんこ牢に閉じ込めると、うんこボールを解除して牢内は自由に動けるようにしてやる。

 取り巻き三人はへたりこんで静かなものだが、ジャークは折れてない左手でうんこ牢の格子を叩きながら聞くに堪えない罵詈雑言を俺に向かって叫び続ける。


「はぁ……

 懲りないのならお仕置きを追加するまでだ……」


 俺は本日11度目となる大腸いっぱいのブツをジャークにプレゼントし、すぐさま液便に変えてやる。


 ブリブリブリ……

【放送自粛】


 せっかく止まっていた下痢が再発し、とたんにジャークはおとなしくなった。


 もうこうなったら、街に着くまでおかわりをプレゼントし続けるしかないだろう。


 うんこ雲で飛行中もジャークは垂れ流し続けることになり、街に着いたときにはうんこ牢の床に白目をむいて倒れ込んでいたが、ヤツの肛門休むことなく働き続けていたのだった。








リアルの仕事の関係で、次話更新までしばらくかかると思います。

ご容赦ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ