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第二十三話 真夜中の説得

今回はうんこスキル全開です。

敵対する者は容赦なくうんこに沈みます。

ご注意ください。


 アコーギ達をうんこ牢に監禁した日の夜、俺とアリーは久しぶりに実家で一泊し、翌朝に街へ帰ることにする。


 久しぶりの一家団欒のあと、今は物置になりかけている自室でベッドに入ったが、なかなか寝付けない。

 どうにも、アコーギとその護衛の冒険者達の挑発的な態度や憎々しげな視線が気になる。


 このまま放置すれば、いつか襲われるかも知れない。

 もちろん俺のスキルを使いさえすれば、今回同様返り討ちにすることは出来ると思うが、もし不意打ちされたり、暗殺を仕組まれたりしたら完全に回避できるとは言えない。

 危険だ。

 何とかしないと俺とアリーの平和な日常が奪われる。


「やられる前にやるか……」

 何とはなしに物騒なつぶやきが漏れてしまう。

 しかし、無抵抗のヤツをいくら犯罪者といえども、理由もなく殺せば、こちらが罰せられる。

 ここは、めんどくさいが話し合いしかないだろう。


 俺は覚悟を決めてベッドから這い出し、外出用の服装に着替えて家を出る。


 幸い今日は満月で、昼間に続きよく晴れているので、辺りは星明かりでもよく見える。

 俺は広場中央に設置されたうんこ牢へと向かう。


 話し合いが上手く行けばいいが……


 決裂したときのことも考えておかなければならない。


 考え事をしながら足を勧めていると、普段は5分もかからない広場までの道に10分以上かけていたようだ。




 牢の正面に立つと、超硬いうんこの床に雑魚寝状態だった4人の犯罪者のうちの一人が目を開け、むくりと上半身を起こす。


「おまえは……、

 何しに来やがった」


 牢の中は暗くてよく見えなかったが、格子の近くに寄ってきたためそいつが護衛のリーダー格である長剣士であることがわかった。


「ああ、昼間は随分と睨まれていたから、禍根を残さないためにも話し合いをしておこうと思ってね」


「ふざけるんじゃねえぞ。

 俺達はこの後どうせ強制労働だ。

 収監期間が終わっても、もうこの近辺で冒険者を続けるのは難しい。

 怨みこそあれ、お前を憎まない選択肢はない」

 男の声に、歩なの寝ていた3人も起き出してくる。


「当然だ。

 機会があればお前もつれもギタギタにしてやる」

 魔法使いが叫ぶ。


「いや、まてまて、こいつらには大損させられているんだ。女は娼館にたたき売る」

 アコーギも目を覚ましたようだ。


「その前に楽しませてもらうぞ」

 弓使いもうんこの格子を掴んでこちらへ凄んでみせる。


 どうやら、この4人の辞書に反省という言葉はないようだ。

「そうか……

 そちらがそういうつもりなら、こちらも容赦はしなくていいな……」


 俺の言葉に、牢の中の4人が一歩引く。

「なっ、何をしようってんだ。

 無抵抗の俺達に手を出したら、たとえ俺達が裁きを待つ身とは言え、お前も犯罪者になるぞ」

 長剣士が焦った声で叫ぶ。


「なに、手を出したりはしないさ。

 ちょっと生理現象を起こすだけだ」

 俺はそう言うと、さっきここにつくまでに考えていた方法を試すために牢の格子へ近づく。


 奴らが4人ともスキル『うんこ創造』の射程内に入るまで近づき、奴らの大腸の中にうんこが満タンになるようにイメージしながらスキルを発動する。


「うっ」「げっ」「ぐっ」「なっ、何だ……」

 男達は突然腹の中に入った大量のうんこの感覚に驚いたのか、腹を撫でながら立ち尽くす。


 続いて俺は、ヤツらの大腸の中身をスキル『うんこ変化』で全て下痢便に変え、スキル『うんこ操作』で直腸へと誘導する。


「うおっ」「げひっ」「ぐあっ」「はっ、腹が……」

 とたんに腹を押さえてうずくまる男達。


「ぐお、ダメだ」「我慢できん」「でる」「限界だ!」

 男達は牢の一番奥の突き明かりが届かないところに引きこもり、ズボンと下着をずらすと4人並んで放出態勢に入る。


 さあ、肛門まで後一歩だと言うところで、うんこを超硬いうんこへと変える。

「ぐあ」「な、なぜだ」「出ない」「ぐおおおぉ、なぜ出ぬ!」


 超硬いうんこのまま、直腸から大腸へとつづくうんこの塊は、鉄剣で叩いても切れない頑丈さを遺憾なく発揮して、男達の腸へと居座り続ける。


「ここれは」「まさか……」「お前がやっているのか……」「……スキル『うんこ』……」

 冒険者の三人は現在の状況が俺のせいだと、何となく気がついたようだ。

 アコーギは俺のスキルを知っていたようで、俺のスキル名を呟く。


「知っているなら、話は早い。

 どうだ、俺に逆らうならもっと辛い目に遭わせてやるぞ」


「ふ、ふざけるな」「糞がしたくなるくらいで俺達が降参すると思うのか」「こんなもん、糞さえ出れば……」

 冒険者達は状況がわかっていないみたいだ。

 仕方がない。もう少し苦しんでもらおう。


 俺は、かつて絡んできたモーホたち三人組に使った手を使う。

 まずは硬さを一段階下げ、硬いうんこにし、スキル『うんこ操作』で肛門から今にも飛び出しそうな位置まで来ているうんこを大腸の奥へと送り返す。


「ふぇっ」「きょっ」「ひあっ」「ぴゃぁっ」

 男達はかつて体験したことがないであろう、大腸を逆流する硬いうんこに悲鳴を上げる。


「どうだ、まだまだこんなもんじゃないぞ」

「ふぎぇっ」「きゅきょっ」「ひゅあぁっ」「びぴゃぁっ」

 俺は過去にやったように、何度も何度も腸内を往復させ、奇声を上げながらもだえる男達の体力を奪う。


「ううううっ」「もう、限界だ」「たっ頼む出させてくれ」「降参だ」

 男達が限界を向かえ泣きが入ったところで、俺はずべてのうんこを下痢便へと変える。



 ブブッ ブボン ボボバババッ ドボブボビビビッ


 聞くに堪えない音がして、男達の肛門が爆発した。


 男達の表情に安堵の色が見える。

 しかし、今までの遺恨を考えれば、この程度で納めてはいけない気がする。


 俺は更にスキル『うんこ創造』を使い、男達の大腸に下痢便を満たす。


 とたんに男達の表情から安堵の色は消え、再び苦悶の相が浮かび上がる。


 ブブッ ブボン ボボバババッ ドボブボビビビッ


 放送自粛音を響かせながら、男達は第二波を放った。


 まだまだだ。

 次はワンランクアップして、彼らの大腸を液便で満たしてみる。


 ピュルルー  ピッピッピーーーー  ピュキュピュユ  ピシューーー


 新たな怪音がうんこ牢に響きわたる。


 もう一声。


 俺はこの後、下痢便と液便を交互に男達の大腸へ送り込んだ。





 およそ一時間後、しかばねのように牢の床に横たわる4人の男達は、いずれも自分たちの出した汚物にからだ半分ほど埋もれている。

 男達は意識があるのかどうかわからないが、彼らの肛門だけは時折戦いの残照を吐き出し続けている。


 俺は彼らが自分の汚物で窒息しないようにスキルを使って顔の近辺からブツを動かし、硬さを調整して流動性をなくしておく。


 まあ、綺麗に片付けてやるほど俺は親切ではない。


 ただでさえ異臭を放っていたうんこ牢の近辺は、新たな臭いの元が大量発生したため、この臭いになれていないものは近寄りがたい環境になってしまっている。


 空には俺の激闘をたたえるかのごとく、まあるい月が煌煌と輝いていた。

 とその時、例の声が脳内に響く。



「スキル『うんこ』がレベルアップしました。

 スキル『うんこ』はレベル8からレベル9になります。

 スキル『うんこ操作』がレベルアップしました。

 スキル『うんこ操作』はレベル7からレベル8になります。

 スキル『うんこ変化』がレベルアップしました。

 スキル『うんこ変化』はレベル3からレベル4になります。

 スキル『うんこ創造』がレベルアップしました。

 スキル『うんこ創造』はレベル1からレベル2になります。

 スキル『うんこ化』がレベルアップしました。

 スキル『うんこ化』はレベル0からレベル1になります。

 スキル『うんこの下僕』が条件を満たしたのでレベルアップします。

 スキル『うんこの下僕』はレベル3からレベル6になります。


 また、レベルアップしてしまった。

 しかも一番高いスキル『うんこ』はレベル9だ。

 過去の人類最高レベルであるレベル8をついに更新してしまった。うんこだけど……

 これが聖剣スキルなどなら、きっと歴史に名を残す快挙として讃えられ、王様から表彰されたりするのだろうが、残念ながら俺のスキルでは……


 ついに不可能とされたカンストレベル10まであと1となってしまった……

 うんこだけど……


 うんこの下僕もレベルが3つ上がっている。

 考えたくないが、今日叩きのめした4人のうちの3人が、新たに俺のスキルのとりこになったと言うことだ。

 そんな下僕は欲しくない……


 不幸だ……


 おれは改めておのれのスキルの不幸を呪う。


 夜空を照らす月はどこまでも丸く、そして明るい。


 平和だ……

 この身に降りかかっている理不尽な状況さえなければ……


 俺の不幸を鑑みもしない夜空の月にふつふつと怒りがこみ上げてくる。




「まあるい月の…………

 ばっかやろーーーーーーーー!!!!」

 俺は思わずまん丸なお月様へ向かって絶叫する。


「コーター

 どんなことがあっても、私は貴方を支えわ。

 大丈夫よ……」

 他に誰もいないと思っていた真夜中の広場にいつの間にかアリーが来て、俺を後ろから抱きしめてくれる。


「ありがとう、アリー……

 よく俺がここにいるとわかったね……」

「愛があれば当然よ。

 さあ、コーター、こっちを向いて、涙を拭いてあげるわ」


 アリーはポケットから取り出したハンカチで、いつものように俺の頬を伝っていた涙を拭いてくれた。


 例によって、俺が始めて目にする高級そうな布きれでできているハンカチだ。

 アリーさん。もはや何も言いません……


 俺はアリーをそっと抱きしめ、彼女の唇に自分の唇を重ねた。







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