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第一三話 今頃になってテンプレ展開ですか?


 報酬の100000ギルをゲーハさんから受け取ると、時刻はお昼を少しまわったところだった。

 伯爵邸と役場が近かったので、三往復したにもかかわらず午前中で仕事を終わらせることができた。


「アリー、午後はどうする」

 俺は、アリーの意見を求める。

「昨日の方法で安定して薬草が採れるか確かめたいんだけど、コーターにまかせるわ」

「いや、俺もそう提案しようと思っていたんだ。

 昼食を済ませて冒険者ギルドに指名依頼の達成を報告したら、昨日の場所に薬草を探しに行ってみよう」




 俺とアリーは昼食を役場近くの広場に出ている屋台で済ませるついでに、昨日持っていたものよりも大きな採集用袋を2つずつ購入し、腰のベルトに取り付ける。


 冒険者ギルドで午前の報告と午後の予定を受付に伝え、薬草の採取に向かう。

 昨日の場所にはすぐに付いた。今日は更に先を目ざす。



 5分もすると、早速アリーが何かを見つけた。

「コーター、これも食材みたい。

 軽い興奮作用もある嗜好品らしいわよ」

 アリーはそう言いながらすすきのような単子葉の植物の茂みから、真っ白いキノコを採取して取り出す。


「そうか……、それも売れるかも知れないな。

 取りあえず持って行こう」

「ええ、このキノコはホワイトアスパラダケと言って、すすきのような単子葉の植物の根っこに菌糸を伸ばして寄生するらしいわ。

 キノコの部分を取り尽くしても、菌糸から新しいの出てくるらしいから、取りあえず全部とっていきましょう」

「ああ、わかった」

 俺はアリーにならってすすきの根元を探す。


「コーター、こっちの方にスキルが反応しているから手伝って」

 すぐにアリーに呼ばれ、アリーが指指ゆびさしたすすきの群落の根本を探す。

 すぐに5本のホワイトアスパラダケが見つかった。


 10分ほどで、アリーと二人がかりだが100本のキノコを採ることができた。

 取った割合は、7割がアリー、残りの3割が俺だ。アリーは俺の2倍以上キノコを採取できている。


 結局、常時依頼の薬草もかなりの量見つかり、この日の俺達の収入は17000ギルに達した。あのキノコが薬理作用もあり、かなりの価格で買い取ってもらえたからだ。

 薬草採集だけで1人5000ギルを越えるのはよほど採集の才能を持っている冒険者に限られるらしいが、俺達は1人平均8500ギルの薬草を半日で収集している。

 ひとえにアリーのスキルのおかげだ。


 これでこの日の俺達の稼ぎは117000ギルとなった。大もうけである。

 昨日6泊分をして宿に払った20000ギルの6倍近い。

 当面使いそうにない分をギルドに預け、今は稼ぎのうちの7000ギルだけ現金として持ち歩く。帰りに何か美味しそうなものを買うか、宿の食堂で1品追加するかを話しながら、アリーと冒険者ギルドを出た。

 このとき、俺達の後を追うように3人の厳つい冒険者が席を立ったのだが、俺もアリーも別に気にしなかった。


 今日の稼ぎは確かに大きいが、俺達にしてみれば、道路清掃で荷車16杯分を持ち込んだときより少ないくらいで、驚くほどの金額ではない。今まで何もなかったことから警戒感は薄れていた。


 夕方の道は夕方の買い物客も多く、食材を扱う店の辺りはかなりの賑わいを見せている。

 俺達もその並んでいる買い物客の最後列につこうとしたとき、突然後ろから肩を掴まれ、声をかけられる。

「よお、若いの。

 ちょっと付き合ってもらおうか」


 見覚えのない男が3人いた。

「何ですか、あなたたちは。

 俺達これから買い物して変えるところなんです」


 俺の返答をニヤニヤしながら聞いていた三人のうち、一際体が大きな真ん中の男がちょっとドスの利いた声で凄む。

「いいから、付いてこい

 痛い目に会いたいのか」


 そう言うと、三人の男のうち二人が俺の肩と腕を、一人がアリーの腕を取って引き摺るように路地へ移動する。

 辺りは買い物の喧騒に包まれており、俺達が大声を出さなかったこともあり、得に注目されることなく人気ひとけの場所へ引きずり込まれてしまった。

 正直に言うと、三人の男達の醸し出す強者の雰囲気に飲まれていたのだと思う。


 袋小路になっている路地の一番奥へ連れ込まれたところで、俺の肩を最初に掴んだ男がニヤニヤしながら話しかけてくる。

「よお、お前達。

 今日は随分大量の薬草を持ち込んでたな。

 ホワイトアスパラダケも取れたみたいだし随分儲かったんだろ」


 俺の手首を掴んでいたリーダーらしい大男が続ける。

「俺達、今日は獲物がなくてちょっと懐がさびしいんだよ。

 ちょっと金を融通してくれるよな。

 もちろん無期限無利息で」


 つまりこいつらは、俺達が大量の薬草を持ち込んだのを見て、俺達の金を巻き上げようというのだと理解した。


 続いてアリーの手を掴んでいた男がいう。

「ああ、それから、この姉ちゃんは置いていけ。

 俺達がたっぷりかわいがってやるからな」


「コーター……」

 男の言葉を聞いて、アリーが不安そうに呟く。


 まずいことになった。俺はアリーを気遣いながら打開策を考え始めた。







今日はもう一話更新予定です。

22時には更新したいと思います。

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― 新着の感想 ―
[良い点] テンプレくそw [気になる点] 2人とも12才だった様な… 前回の奴らといいロリコン多スギィ!?!?!
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