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ネカマの吸血鬼が異世界転生しました。  作者: 隣の斎藤さん。
第一章 ネカマの吸血鬼が異世界転生しました。 
6/118

第5話/涙目の女の子もまた可愛、げふん。食べ物を粗末にするのは駄目ですよ?

すみません。21時に投稿するとか言っておきながらトラブルがあって(活動報告に記載)遅れてしまいました。ちょっと短めですが、次は早めに更新できると思います。

…………なにゆえプロットと違うキャラが出てしまったのか謎。



「だからさっきから言ってんでしょーが! あんたが魔晶石って言ってたの使ったらただの魔石だったんだからお金返せっつーの!!」


「いや、そんなこと言われてもなお嬢ちゃん? お嬢ちゃんがたまたま魔晶石の札があった場所の魔石を取って買っていっただけで、俺は一言もそれが魔晶石だとは言ってねーんだぜ?」


「そ、それが屁理屈だって言ってんじゃねーのよ!!」


 なんだかますますヒートアップするとんがり帽子の少女。


 それに対して露天商の店主はからかうようにニヤニヤしながら少女に答えている。


 あーいう表情をする奴は騙してひっかかった相手に対し、思惑通りに事が進んで優越感に浸り喜んでいるのだ。


 過去に酒が飲めない俺が辛い物を食べた際、父親から水だと言われて渡してきたコップの中身が実は焼酎で、思わず噴き出したのを見た父親がいたずら成功とばかりに同じにやけ面をしていたのを思い出す。


 まあその後に父親の大好物のカレーにデスソースを混ぜて悶絶させて復讐は完了したが。


 ともあれ、とんがり帽子の少女に近づきながら聞こえてきた話によると、どうやら露天商から買った物が偽物で少女は返金を求めるが、露天商の店主は勝手に間違えて買っていったのはそっちだから返金はムーリー(笑)、という状態っぽい。


 これはどうもとんがり帽子の少女が分が悪いように思える。


 理由はどうあれ一度買ってしまい、しかも使ってしまったらしく現物と交換で返金というのができないのが痛い。


 元の世界なら返金もありえるかもしれないが、ここはその常識が通用するか分からない異世界である。

 

「それにしてもだお嬢ちゃん。自分の勘違いで買った物を使ったあげくに金を返せっていうのは、ちょっと都合よすぎやしないかい? これ以上ごねるなら、俺も不本意ながら衛兵を呼ばせてもらうが?」 


「ぐ、ぐぬぬぬぬ…………!!」


 案の定、これ以上取り合う気も返金する気もないらしく警察のようなものを呼ぼうとする店主。


 それに対しとんがり帽子の少女は反論することができないようで、悔しそうに歯噛みしている。


 ふむ。これはどうやら決着がついたようなので、俺は俺の用を済ませますか。


 さきほどのご飯クラッシャーの件について話をしようと、とんがり帽子の少女に声をかけようとしたところ、その少女がとんでもないことを叫び出した。


「い、いいじゃねーのよ! 呼ぶなら呼べば!? こっちだってお金損してるんだから衛兵の一人や二人来ても平気よ!!」 


「ちょっと待たんかい」


「べぶしっ……!?」


 このまま衛兵呼ばれて面倒なことになりそうだったので、とんがり帽子の少女の後頭部にチョップを落として止めた。なにやら女の子が出してはいけない声がしたが気にしないでいこう。


「衛兵は今度でいいから、まずは俺が被害を受けた所業について話をしような?」


「ふぬおおおおおぉぉぉぉぉ…………!!」


 軽く小突いた程度なのになぜか少女は後頭部を両手で抑えてしゃがみ込み、苦悶の悲鳴を漏らしている。


「そんな大げさな」


「ぐすっ。あ、あんだけバカ力で殴られて大げさなわけないでしょーが! 頭が陥没したかと思ったじゃねーのよ!!」


 あれ? ほんとに軽く小突いたと思ったのだけど、とんがり帽子の少女の様子を見るに本気で痛がっている。

 

 もしかしてレベルカンストで身体が強化されてる弊害だろうか。ちょっと力加減に関しては気を付けるべきかもしれない。まあそれはあとで考えるとして。


 涙声で怒りながら立ち上がったとんがり帽子の少女がこっちに振り向くが、うわぁ可愛い。


 顔立ちはやや幼いものの多分17歳前後くらいだろう。ちょっと内巻きな紫の長い髪は綺麗で、とんがり帽子と丈の短い白のワンピースに黒いコートのようなスタイルは魔女っ子のようで似合っていて可愛い。    


 ただその可愛い顔も今は涙目の怒りに染まっていて、なんだか怒れるチワワを見ているよう。


「いきなり人を殴るとかなにすんのよ! ふざけんじゃねーわよ!!」 

 

「いや痛かったのは謝るけどね? その前にオレ様に起こした惨状に対して謝罪が必要かと思うんだけど?」


 さすがに狙ったとは思わないものの、偶然だろうとオレ様のご飯を台無しにした罪は償ってもらおう。


「謝罪とかって訳わかんねーのよ! あたしはあんたになにもしてないでしょーが!!」


 しかし少女は自分のしたことに気づいていないようで、尚もまくしたてた。


 仕方ないのでオレ様は無言のまま、さっきまでいたベンチに向けて指を指してやる。


「ちょっと人が話てる時になんなのよ! あっちになにがある、って、いう……のよ…………!?」


「気づいた? 分かった? ようく見た?」


 オレ様が指差した方向にあるベンチから落ちたサンドイッチや串焼きと、さきほど自分が投げたであろう丸い物体が一緒にあるのを見て、ようやく現状を理解してくれたようである。


 やや顔を青ざめさせながらとんがり帽子の少女はオレ様に問うてきた。


「あ、あれ……もしかして、あんたの……?」


 恐る恐る問いかけてきたとんがり帽子の少女に、オレ様は無言のままいい笑顔で頷いて見せる。


 これで素直に謝ってくれるなら水に流してもいいのだけど、


「い、いやでも、あ、あんなとこにいたあんたも悪いんじゃぎゃうっ!」


 開き直ってきたので笑顔のまま脳天チョップをお見舞いしてあげた。涙目がいよいよほんとに涙を流しはじめるが知ったことじゃない。


「痛いっつーの! そもそもわざとじゃないしあれくらい気にしなくてにぼしっ!?」


 二度目の脳天チョップを受けてガードするように両手で頭を抑えるが、そんなものはオレ様のお仕置きの前には無意味と化す。


 それにあれくらいとは食べ物に対して失礼な。ただ食べるだけの人間には分からない苦労や手間があって、ようやく食べ物が出来ているのを知るがいい。というか単純にもったいないし食べ物を粗末にするのは許しまへん。


「ほんとに痛いってば! 食べ物くらいでそんなにぎゃ! や、やめなろっつーの! あとで買い直してあげぎょ!? い、痛いー! こんなことしてただですむきゃいん! すみませんごめんなさいほんとに頭が潰れちゃいそうだから許してください謝るから助けて! う、うえええええん…………!! 」


 ようやく自分がした事の重大さに気づいたのか三度の目のチョップで素直? に泣きながら謝罪するとんがり帽子の少女。うむ、分かればいいんだよ。


 ちなみに露天商の店主は呆気にとられたような顔をしているが、まあ、気にするな。


   

プロットではとある姉妹が出る筈だったんですが。

なぜ書きはじめると違う内容が頭に浮かんでくるのか不思議です。

まあ面白いかなぁと思ったのでそのまま書きますが!


PVが1800を超え、ユニークが600を越えました!

ありがとう皆様! 仕事場で昼休みにそれをみながらニヤニヤしてたら「なんか面白いことあったの?」と同僚に言われて誤魔化しましたが、これも皆様のおかげです!!

五話に至っても一日も時間が経っていないのはどうなのかと思いますが気にせずがんばります!!


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