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ネカマの吸血鬼が異世界転生しました。  作者: 隣の斎藤さん。
第一章 ネカマの吸血鬼が異世界転生しました。 
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第4話/抱擁はスキンシップデスヨ。スキンシップ。

ぬあああ! 予約投稿したけど、あれ? なんか反映されてない? とか思って確認してみたら日にちが一日ずれてました!! 

23時に見に来てくれた方々がいたら申し訳ない!!


ちょっと短いけど日曜までにまた投稿しますのでぜひよろしくお願いします!!



「どうしてこうなった」


「わーい♪ ご飯がいっぱいだねお姉ちゃん!」


 上機嫌のミールちゃんの言う通り、屋台の区画から出て来たオレ様の両手はとても二人では食べきれない程の量の食べ物でふさがれていた。


 その全てがたった二件の屋台で手に入れた戦利品、とも言えるものだったりするから恐ろしい。 


 今考えると実際作戦勝ちだろうと思う。考えたのミールちゃんだったけど。


 左手に持つ籠には瑞々しい野菜と熟成されたベーコンのような肉が挟まれたサンドイッチが一杯に詰め込まれ、右手に持つ薄い木の箱には焼けて香ばしい匂いをさせる肉厚な鳥肉が刺さった串焼きが溢れんばかりに盛られている。 


 どちらも店主のおっちゃんから商品を受け取る際に、ミールちゃんから教わった通り「おじさま、ありがとうございます」と微笑んであざとくウインクしたみたら、「こいつぁサービスだ!!」とそれぞれからおまけしてもらった結果がこれである。


 というかどっからそんなやり方を学んだのか不思議でならないけど、サンドイッチや串焼きに目と口元を輝かせてるミールちゃんが可愛いからどうでもいいや。


 あまり人が座っていないベンチを選び、そこでミールちゃんと二人の席を取り早速買ってきたお昼を頂く。


「お姉ちゃんありがとう! はふっ、はふっ…………とってもおいしい!!」  


 むしろ串焼きを頬張るその無垢な笑顔にご馳走様です。


 ミールちゃんの満面の笑みに癒されつつサンドイッチを食べてみると、うん、確かにおいしい。元の世界のコンビニなんか比じゃない。  


 シャキシャキした野菜の歯触りがいいし、噛めば噛むほど口に広がる濃厚な肉の味は絶品。


 また鳥肉の串焼きもおいしく、肉自体は淡白な味なものの塩コショウにより肉の味が引き出され、甘辛いソースが口の中で鶏肉と混ざり合うのが秀逸。


 しばらくして二人共食べ終わったが、さすがに量があったので半分くらい残している。それはあとでアイテムボックスにでもしまっておこう。


食後にミールちゃんがお礼にと買ってきてくれたオレンジジュースっぽい飲み物を飲みながらまったりしていると、急にミールちゃんに腕を絡められた。


「あたしそろそろ帰らなきゃ。今日はありがとうお姉ちゃん! おかげでおいしいお昼が食べられました!!」  


 なにこの、離れがたいけど帰る時間になっちゃった甘々カップルみたいな感じ!


 しかもちょっと寂し気な上目遣いだなんて、なんという上級テクニック!


 もうこの子、礼儀正しいわ優しいわ可愛いわで自分とこの子にしたいくらいなんですけど。


 しかしオレ様はそこをグッと我慢しつつ、ミールちゃんの頭を撫でて紳士的返事を返す。


「オレ様もミールちゃんにお世話になったし、こちらこそありがとう。ちょっと抱きしめさせてもらってもよろしいですか」


…………はっ、しまった! つい正直(欲望)が口をついて出てもーた!!


 やべえここでミールちゃんに気持ち悪いとかドン引きされたりでもしたら心が折れる自信しかない!!


 だがオレ様の思いは杞憂だったようで、ミールちゃんはにぱっと笑い両手を広げて抱き付いてきてくれた。


「別にそれくらいいいよ! ていうかあたしもお姉ちゃんぎゅうううってしちゃう! んー、お姉ちゃんいい匂い~…………」


「そ、そうなの? じゃあオレ様も遠慮なく」


 ミールちゃんに横抱きにされるがまま、オレ様もお言葉に甘えてそっと包み込むように抱きしめてみる。


 うわぁ、めっちゃ華奢なんだけど女の子特有の柔らかさがあって、その小柄な身体も相まって庇護欲が掻き立てられる。 


 しばらくしてお互いに離れると、ミールちゃんはベンチから立ち上がり「お姉ちゃんまたね!」と言い残して、歩きながら時折振り向いては手を振ってくれた。


 オレ様も立ち上がって手を振り返していたのだが、ミールちゃんの姿が見えなくなってしまうと少し寂しさを感じる。


 ちなみに帰り際、出会った時に約束した500ゴールを渡したところ「冗談だったのに……」と驚かれたが、実際町へ案内してくれたし助かったのは確かなのでお礼の意味も込めて受け取ってもらっている。 


 それにしても転生初日からあんないい子に出会えるなんて幸先がいい。 


 しかしこれからどうするか。


 お金は切実に有限でそれを稼ぐ手段を考えないといけないし、そういえば宿屋もまだ決めていない。


 とりあえず鳥肉の串焼きを最後に一本だけ食べから決めようと、串焼きの木箱に手を伸ばした瞬間、


ゴン! グシャドシャ!  


 突然上から降って来た丸い物体がぶつかり、サンドイッチも串焼きもまとめて地面へとぶちまけられた。


「ふっざけんじゃねーわよ!!」


 丸い物体が飛んできた方向から怒りを含んだ叫びが聞こえてくる。


 見ればここから少し離れた場所でとんがり帽子をかぶった背中が見える長髪の女の子が、後ろ手に物を投げ終えた姿勢のまま目の前に座り込む商人風の男に憤っている。


 きっと怒りに任せて彼女が投げた物が運悪くオレ様のいるベンチに直撃したのだろう。うん。アイツだ。


「犯人確定。お仕置き実行」


 くっくっくっ、ふざけたことしたのは誰か教えてやらねばなるまい。ついでに食べ物の恨みは恐ろしいということもな。    


 なにやら言い合いをしているとんがり帽子の彼女の後ろへと、オレ様はゆっくりと近づいていくのだった。




作者も高校の頃、祭りで人様にぶつかってしまいその人が持っていたたこ焼きをこぼしてしまったことがあります。

相手は浴衣姿の綺麗な女性で、謝ったら笑顔で許してくださいました。

きっと三十年前に出会えていたならときめいていたかもしれません。ある意味惜しい。



暗がりで冷凍庫からチョコアイス出したはずが食べてみてバニラアイスだったと発覚。

やるなホーム○ンバー……orz



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