第20話/ギルド長って、大体強面のおっさんかイケメンが多くない?
執筆速度がまったく進歩していない作者です。
というか、むしろ退化しているような……。いや違うんだ。まだ本気出してないだけだから!
言い訳は置いといて。
最近、ちょっと身体を絞ろうと思ってまして。いつもしていた間食のお菓子をやめてみました。
ええ、まだ二日目だというのに「ビッグサン〇ー一個くらいならいいんじゃないかな……」という考えが脳裏に浮かんでおります。
三日後くらいに禁断症状とか出たらどうしよう……。
では皆様、コーヒーに砂糖と牛乳をドバドバ入れて飲みながらご覧ください。
「ギルド長って、ちょっと苦手なのよね……」
階段を上り終えたところで、マルガリーゼがそんなことを言いだした。
「なに? 顔が怖いとか?」
「それもあるんだけど、なんかこう、脅されてるように感じるのよね」
おおう。冗談で言ったつもりだったのに当たってたんかい。
それにしてもギルド長は強面さんなのか。
「確かにギルド長はちょっと癖がありますけど、悪い人ではありませんから」
フォローしながらも、顔が怖いというのは否定しないファンナさん。
やはりギルド長は強面決定のようだ。
「はい。着きましたよ皆さん」
案内するファンナさんが止まった先には重厚そうな扉。
「特に礼儀作法とかはないので、失礼にならない程度に楽にしてもらえれば大丈夫です」
それだけ言うと、ファンナさんはノックを三回する。
「ギルド長。ファンナです。マルガリーゼ、メルナリーゼ姉妹とアビゲイルさんをお連れいたしました」
少しだけ間が空き、中から聞こえてきたのはなんだか機嫌が悪そうな声だった。
「……どうぞ。お入りください」
強面らしいから男だと思ったんだけど、中から聞こえてきたのは意外にも大人の女性の声。
「失礼します。どうぞこちらです」
ファンナさんに促され姉妹に続いて中へ入ると、木製のテーブルを挟んで対面するソファの奥にある高そうな漆黒の机で、かじりつくように書類を書く女性のつむじがみえた。
あの人がギルド長なんだろうか。
赤いスーツのような服を着ているのだが、その姿がなんだか期限に追い込まれた鬼気迫るOLを見ているようだ。
「もう少しで片付くから、そこのソファに座っててくださる?」
「は、はい!失礼します……」
忙しいのか顔もあげないまま話す女性の言葉に、マルガリーゼが緊張した面持ちでソファの端っこに座る。
次いでメルナリーゼかと思ったが、本人からお先にと進められ、俺が真ん中でメルナリーゼが端という順番で席につく。
ええ、必然的に両隣の触れ合いが生まれて幸せです。
「いまお茶の用意をしますね」
と言い、ファンナさんは部屋の片隅にある小さなテーブルに行き、ティーポットやカップを慣れた手つきで準備していく。
少しの間部屋に響く、ギルド長が書類を書き込む音と、ファンナさんが用意するお茶の音。
「お待たせしました」
用意できたお茶をファンナさんが静かに並べてくれる。
赤茶色の色合いと漂う香りから多分紅茶だろうと思う。
いただきます、と早速一口飲むと、ストレートなのに砂糖とは違うほんのり甘くコクのある味が口に広がった。
「おお、おいしい。なんか甘い隠し味的なものが入ってたりします?」
「ええ、蜂蜜を少量加えているんですが、よくわかりましたね」
わかると思ってなかったのか、ちょっと驚きの表情を見せるファンナさん。
ふふふ、前世じゃコーヒーより紅茶派で、シナモンや蜂蜜等色々と試したりしてたので少しはわかるのですよ。
左隣ではマルガリーゼも笑顔で「おいしい」と言いつつ、猫舌なのか、ふーふーしながらちびちび飲んでいる。
なんて愛らしい仕草だろう。
そして右隣ではメルナリーゼも笑顔で「ほんとですね」と頷きつつ、姉の様子を見ながら、はぁはぁ興奮しながら飲んでいる。
なんて危ない仕草だろう。
「終わったわファンナ。私にもお茶を」
「かしこまりました」
紅茶を飲んでいると、書類仕事を終えたらしいギルド長の声がして、席を立つ音が聞こえた。
ふと視線だけを上げると、ちょうどソファの後ろを通りかかるギルド長の胸元あたりが見えたのだが、そうか、あれが巨乳というものか。
おそらく下着で固定されているものの、その大きさゆえに歩く度に揺れるダイナミック。
前世でそれなりに映像を嗜んでいたが、やはり生は違う、生は。
「ほ、ほら、ギルド長が来たんだから、私達も挨拶するわよ」
小声のマルガリーゼが俺のスカートの裾を摘まんで、小さく引っ張って教えてくれた。
「ありがとう」と小声でウインクを返すと、「べ、別にいいのよ」と頬を赤くしたマルガリーゼがそっぽを向いて立ち上がる。
お礼に照れるマルガリーゼ、かわゆい。
そうして立ち上がった姉妹にやや遅れて、俺も立ち上がる。
ちょうどよくギルド長もソファの前に来て、対面することになった、のだが。
「……!?」
こちらをみて、というか俺と目があった瞬間に目を丸くして驚いた様子を見せるギルド長。
「おや?」
それに対して俺の中では久しぶり、という感情が芽生えていた。
なぜなら目の前にいるギルド長は、服こそ違えどこの異世界へ来るきっかけとなったVRゲームで、一週間前に一緒に遊んだ知り合いにそっくりなのである。
というか、あの驚きようを見るに本人だろう絶対。
まさかこうも早く自分以外の転生者、ましてや知り合いに会えるとは。
「もしかしてモーちゃ――――」
「ん、んんっ! お待たせしました。どうぞお座りください」
愛称を呼ぼうとしたら咳払いで遮られてしまった。
あれー? もしかして人違いだったかな?
ということで!
執筆速度が遅々として遅滞している作者です。
ようやく主要人物、、、っぽくなる予定の方々が出揃ってきました。
いやはや気づけばもう? 20話になります。
だというのにいまだ一日すら立っていない物語。大丈夫か自分。
このまま50話くらいでやっと三日たったりしないだろうな……。
そんな不安を抱きつつも精進していこうと思います。
あ、感想等もお待ちしてますし、もし「個人的にこういう展開が好み」なんていうのもあったら教えていただけると嬉しいです。
作者的に視野が広がるのでΣd