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ネカマの吸血鬼が異世界転生しました。  作者: 隣の斎藤さん。
第一章 ネカマの吸血鬼が異世界転生しました。 
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第12話/魔物は魔物らしくいてほしい……!!(切望)

 今週はなんやかんやで忙しくて気づけば一週間投稿しないところだった……。

 ちょっと急いで投稿したのであとで誤字脱字などの見直しで編集するかもしれません(汗。

 そしてまたしてもプロットから脱線してしまいました……。 




 果実の甘い香りが漂う果樹園の中を、木々を避けながらオレ様は探知(サーチ)の反応を便りに駈けていく。


 魔物がいるせいか小動物や虫がいる気配すら感じられず、辺りは不気味なくらい静まり返っていてオレ様が地面を踏みしめる音だけが響いているようにも感じる。


 しかし今回相手をする異世界でのキマイラという魔物、一体どんなもんだろうか。


 もしゲームの仕様で考えるなら、キマイラは二十~三十くらいのレベルで、ソロのレベルなら三十以上、パーティーならレベル十五以上のメンツが揃っていれば倒せてしまう強さだ。


 防御力や体力は同じレベル帯では平均的で、ただ高い物理攻撃と吐息(ブレス)が厄介なものの、それだけの魔物である。


 ついでに言うとレベルカンストともなれば、はっきり言って素手でも余裕で倒せたりする。


 しかしここはリアルであり、ダメージはただの数字ではなく怪我や命に関わってくる事もある。


「とりあえずは補助魔法と身体強化系でもやっとくか」  


 ただ悲しいかな、今の職業の<闇の騎士>や前職の<黒騎士>は相手を弱体化させるデバフ効果のあるスキルや魔法は多いものの、逆に自身を強化したりする魔法やスキルが少なかったりする。


 それでもやらないよりはマシだろう。


痛みの復讐(ペインリフレクト)! 呪いの闇(ダークベール)!」


 相手の攻撃を減衰させる上に多少のダメージを反射する魔法と、相手から物理攻撃を受けると一定の確率で状態異常を付与する魔法を発動させると、一瞬身体が薄い膜のようなものに包まれた感触がした。


「<守りの心得><騎士の護剣><不屈の精神>」 


 次に物理と魔法防御上昇のスキルに、剣で相手の攻撃を受けるとダメージが減少するスキルと、大ダメージを多少軽減させるスキルを発動させると、身体や剣に力が宿るのを感じた。


 これが魔法とスキルというものか。ちょっとうきうきしてしまうなコレ。


 しかしゲームで組み込んだ魔法の名前の前につけた掛け言葉がセットになってるみたいで、自然と出てしまうとは……。


 本来なら別に掛け言葉なんて必要ないのだけど、それほら、やっぱファンタジーなノリでやってみたかったという童心があったわけで。


 リアルでやるとちょっと恥ずかしかったけど……。


 恥ずかしさに少し顔に熱を感じていたその時、


ウオオオォォォォンッ!


 先行させた影狼(シャドーウルフ)の遠吠えが響き、見つけたという思念が伝わってきた。


 眷族との繋がりがその正確な位置を教えてくれる。


 オレ様はいつでも抜けるように左手を剣の柄に添えながら、速度を上げて眷族のいる場所に急いだ。


 

 =========



 眷族の影狼が上げた遠吠えの方向と、眷族との繋がりが近くなる感覚を便りに走ることしばらく。


 ようやく目的の魔物と、冒険者達を見つけることができたわけだ。


 割り込むタイミングを計ろうと、近場の木の影から顔を覗かせた時、ちょっと考えさせられるものが目に入ってきた。


 着いた場所はあまり木々がなく、家が二軒くらい並べそうなくらいの広さがあった。


 そこには地面に座り込んで目を丸くしている魔法使い風の少女と剣士っぽい少女の二人、そして二人を守るように眷族である二匹の影狼が臨戦態勢を取っていた。


 さらに前方では、ワゴン車並の大きさの魔物を翻弄するように複数の影狼が動き回っている。


 うん。そこまではいい。見た目通りだから。


 問題はキマイラという魔物だ。


 元の世界やゲームのキマイラは、首が獅子、山羊、竜と三つあり、胴体は獅子で蛇の尻尾を持つという姿が連想されるというもの。


 しかし影狼達を相手にするキマイラ(?)は、左の頭は白くふさふさとした長い毛並みが特徴的なペルシャ猫、真ん中の頭はもふもふとした真っ白な毛並みと愛らしい表情のポメラニアン、右の頭は白く長い耳に赤いつぶらな瞳を持つ兎だった。


 …………………なにアレやりづらっ!! なんで可愛い系小動物ばっかり!? 


 胴体は多分ポメラニアンベースだろうふわふわもふもふの白い体毛で覆われていて、尻尾は蛇とか竜とかじゃなく普通に丸っとした兎っぽい毛玉がついているという仕様。


 なんだあのファンシーな生き物は。


 纏わりつくような影狼達を追い払うために前足を振るったり、捕まえようと飛びついたりするのだが、なんだろうどこか微笑ましい光景に見えなくもない。


 どうしよう。オレ様、はじめての魔物との戦いだしここで自身の実力を試してみるのも悪くないって勢い勇んで来たんだけど……。


 でかいんだけど、魔物なんだけど、アリシャちゃんに任せろって言ったんだけど、アレを傷つけることになんか罪悪感が沸いてるんですけど。


 オレ様、一体どうすれば!?


 心の中で葛藤に頭を抱えていると、影狼達から大きく後ろへ飛び退き、いったん距離を取ったファンシーキマイラが、大きく息を吸い溜め込むような動作を見せた。


 あのモーションは……!!


 オレ様の中にある知識が姿形が違えど、あれは前方の直線上を焼き尽くして継続ダメージの<火傷>と、その効果範囲が火のダメージ床と化す<延焼>を引き起こす<火炎の吐息(ファイアブレス)>だと告げる。


 やばい! 眷属はともかく、直線状に冒険者の二人がいる!!


「でも避けるくらいの時間はある筈――――って、おいいいいいっ!?」


 危険を知らせようと、ファンシーキマイラから冒険者二人に視線を移した時、信じられないものを見て思わず叫んでしまった。

   

 距離は十分にあるし、あの吐息ブレスは直線とはいえそれほど横幅は広くないので避けられると思っていたら、気を失ったのか倒れ込んだ剣士の少女を片手で抱きかかえた魔法使いの少女が、もう片方の手を魔物に向かって突き出して薄い障壁を張っていたのだ。


 遠くから見えるだけだが、あんな薄い障壁ではあの吐息ブレスを防げないことがなんとなく分かる。


 魔法使いの少女もそれがわかっているのか、その表情にどこか悲壮感が漂っているのが遠目からでも分かった。 

  

 ファンシーキマイラを見れば、充填は十分なようで胸が大きく膨張して口元からはチロチロと赤い炎が漏れ出ている。


 まずい、ここからだとどっちに向かっても対処が遅れる可能性がある。


 だったらやることはたった一つ。たった一つのシンプルな方法しかない。


「ワホオオオオオッ!!」


 ずっこけそうなくらい可愛い咆哮と一緒に火炎が吐き出されたと同時、オレ様は木陰から飛び出し、冒険者の少女達を焼き尽くすだろう火炎の道に立ち塞がった。




 最近仕事場で風邪が流行っていますが、皆さまは大丈夫でしょうか?

 そしてやっと出て来た本来ならもっと早く出ているはずだった冒険者達。

 といっても名前すら出ていないという……。

 次! 次こそは名前とか色々プロット通りに出ると思います筈ですきっと多分!!


 ちなみにプロットでのキマイラは頭が雉、犬、猿、尻尾が桃という桃太郎をモチーフにしたものだったんですが、書いてる途中で可愛い小動物系っていうのもありじゃんね? とか思っちゃってプロット設定から脱線しました!



※朝、歯磨きしたら歯磨き粉じゃなくて洗顔フォームだった罠。



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