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ネカマの吸血鬼が異世界転生しました。  作者: 隣の斎藤さん。
第一章 ネカマの吸血鬼が異世界転生しました。 
12/118

第11話/ゲームキャラでよくショートカットに崖下ダイブとかさせてごめんなさい。

うおおおおおっ!

投稿予約の最終確認のクリックを忘れてたっぽいです!

活動報告見て来てくれた方にごめんなさいorz




「あそこが果樹園です!」

 

 アリシャちゃんが指差す先には、遠くからでも見える鮮やかな赤や黄緑の色の果実をつけた木々が生い茂っている。


 どこに魔物がいるのかと思っていると、果樹園の右奥の方で魔力が高まっていくのを感じた。


 感覚的に分かったのだが、どうやら相手の生命や魔力をレーダーのように感知することが出来る無属性スキル〈探知(サーチ)〉が働いたらしい。

 

 なんか便利だなぁと思っていると、さっき魔力の高まりを感じた場所が一瞬赤い光を放ち、


ドバンッ!


 直後、炎を含んだ黒煙があがった。


 あそこかっ!


 幸か不幸かあの爆発で詳しい場所がわかった。冒険者達が無事であればいいけど。


 爆発した場所までの距離はまだ遠いものの、危なさそうだしここでアリシャちゃんとは別れた方がいいかもしれない。


 オレ様が思念でいくつか魔角馬デビルホースに伝えると、了承する思念が返ってくる。いい子だ。


 それからアリシャちゃんへこれからのことを伝えた。


「オレ様はこれから救援に向かうから、アリシャちゃんはこの馬に乗って安全な場所に避難してくれ。この馬はアリシャちゃんを言う事聞いて守ってくれるし、後の事はオレ様に任せて」


「…………わかりました。ちゃんとお礼もしたいので、アビゲイルさん、絶対に帰ってきて下さいね!」


 こっちに振り向いて心配げな眼差しをくれるアリシャちゃんがかわゆす。これは漢心が萌え、げふん、燃えるというもの。


 オレ様は「もちろん」とウィンクで応え、アリシャちゃんへと手綱を譲り渡す。途中で教えてもらったのだが、アリシャちゃんは家業で乗馬をするらしく、慣れた手つきで長かった手綱を自分サイズへと巻き取っていく。


 しっかりと手綱を調整したのを確認してから、もう一度魔角馬デビルホースにアリシャちゃんのことを頼み、オレ様は軽く両手で反動をつけて跳び箱の逆再生のように後ろへと飛び降りた。


 あ、アリシャちゃんがこっちみて目を丸くしてる。


 驚かせた? ごめんね? 何気なくゲームでやっていた降り方をしてみたんだけど、これって普通に考えると危ないよーな。


 ……よい子はマネしないように!


 魔角馬デビルホースがどんどん遠ざかっていくのを見送りながら、身体が自動的に着地への動作へ入っていくのを感じる。


 飛び降りた姿勢から足を戻し、着地と同時にバク宙のように後ろへ飛び上がることで反動と勢いが落ちていく。


 二度目の着地と同時に少し地面を滑らせながら前傾姿勢を取り、爆発現場の方へ向きを変えながら蹴り上げるように前へと加速した。


「うおっ! 早っ!?」


 ゲームではよくやっていたことだが、思った以上に生身で感じた走る速度に驚く。

  

 しかし反応しきれないわけでもなく、それ以上に”出来て普通”な感覚が自分の中にある。


 乗馬や探知の時もそうだったが、ゲームでのスキルや動作といったものをトレースして自分のものにしていく感じだ。


 きっとこれが仮想現実ゲームから異世界リアルになった我が子のスペックなんだろう。


 それにしても失敗しなくてよかったよ。


 ゲームではこういったアクロバティックな動作の他に、普段の行動に関しても失敗すると判定ダメージというのが入るようになっていた。


 わかりやすいのだと、ミスってちょっとした高さのところから落ちると軽いダメージが入ったりとか。


 もちろん崖のような場所や高いつり橋から落ちた時は、軽いどころか一発で即死判定が下されたりする。


 というかダメージだけならまだしも、落馬したり飛び降りに失敗すると無様な格好になるという仕様があり、過去にそれを身内にスクショされて<今日のぶ・ざまぁ☆>とブログのネタにされるということが何度かあったので、死ぬほど練習して身に着けたのだ。


 懐かしくもヤな記憶を思い返していると、果樹園に近づくにつれてさっきまで曖昧だった<探知>(サーチ)への反応がより強くはっきりしてくる。


 反応は全部で三つ。お互いに並ぶような位置にある二つの小さな反応と、対照的にそれを前にするような位置にある大きな反応。


 多分二つの小さな反応が冒険者だろう。


 となれば大きな反応はキマイラとかいう魔物か。


 位置は把握した。しかしちょっとした競技用自転車みたいな速度が出ているとはいえ、果樹園の木々を避けて走るのは速度が落ちて少し時間を食うかもしれない。


 もしそれで救援に間に合わなかったら意味がないし、アリシャちゃんを悲しませるのは言語道断。


 なのでそういうのが得意そうなのに先行してもらうことにするとしよう。


「眷属よ!」


 おうふ。ゲームで設定していたセリフが勝手にでてしまった。


 まあそれは置いとくとして、呼びかけに応えてオレ様の影が伸びそこから黒い毛並みに陽炎のような闇を纏った狼達が這い出るように飛び出した。 


 吸血鬼のスキルの一つにある、倒した魔物の魂を取り込み自身の眷属とする召喚スキル。


 その眷属の中でも探索と隠密に優れた魔物で、名前は影狼シャドーウルフ


 見つけにくかったり広範囲で狙った魔物を狩る時は、いつもこいつらを呼び出して探してもらったもんだ。 


 しかし高級絨毯のような毛並みの影狼を見てると、ちょっともふりたいという衝動が沸きあがってくるのはどうしたもんか。


 だが今は我慢の子。リアルになったんだし、後で呼んでもふり倒せばいいのだ。


「この先に人間と魔物がいるから、二匹は人間を守って後はオレ様が行くまで魔物を足止めしといてくれ!」


 並走する数頭の影狼シャドーウルフに命令すると、「ウォン!」と一鳴きしてオレ様を追い抜いて果樹園の中へと姿を消していった。


 その後を数秒遅れて、オレ様も果樹園に突っ込んだ。




ゲームキャラに自我とか芽生えたら、ダメージ無視で魔物の群れに特効させたりした所業を虐待で殴られそう(´・ω・`)スマソ


最近寒くて冬眠したい気持ちの作者です。


※うちの周りの自販機でおしるこが売ってなくて、少ししょんぼりな散歩道。



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