約束
差出人のところには知らないメアドが書いてあった、誘われるように僕は画面をタッチする。
「……!?」
僕は心臓がでてきそうなくらい驚いた。志穂からだ。
『志穂です。お兄ちゃんにメアド聞きました、突然来たからビックリでしょ。
今から家行ってもいいかなあ』
お兄さんと仲良くて良かったと今改めて思った。
最後の行を見て目が飛び出しそうになった、が、彼女とはさっき7年ぶりに会ったばかりなのにこんな時間に会うなんていけない気がした。
『今日はもう遅いからまた明日は?』
僕ももう一度会いたいと思っていた。 本当は今すぐ会いたいくらいだった。
しかし僕は彼女の彼氏でもなんでもない、少し仲が良かっただけだ。
『そっか、まぁいいや。じゃ明日ね。
時間はまだわからないんだけど、何時くらいが都合いいかな』
彼女と会う約束ができて僕は胸が高鳴る。
何時頃がいいだろうとカレンダーを見る、明日は午後からバイトが入っていた。
思えば僕には漫画を書く時間があるのだろうか、と少し不安になった。
『6時からバイト入ってるからそれまでならいつでも』
送信し、すぐに嬉しさを紛らわすために漫画を描くことに集中する。
返事はすぐにきた。
『じゃ、それまでにいくね。おやすみ』
絵文字が文末についていて、可愛いところもあるんだなと思った、小学生の頃は少し男勝りな雰囲気を持っていたからだ。
『了解! おやすみ』
明日が楽しみだ、僕は机の上を片付けてベッドのある部屋に向かった、アラームを6時に設定し今日は寝ることにした。
ーーー♪ーーー♪
アラームの音で目が覚める。珍しく目覚めが良かった。
ベッドからおり、伸びをする。
携帯を確認し、シャワーを浴びにお風呂場に向かった。
今日もまた会える、この時はまだそう思っていた。