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婚約破棄?逆ハー?そんなの他所でやって下さいよ

作者: 四季の詩

n番煎じのザマァ話です。仕方ねぇ読んでやるよという方のみこのままお読み下さい。ダメな方はバックして下さいませ。




※11月9日、ジャンル別ランキング27位に入りました!驚きすぎて、飲んでたお茶吹き出しましたww皆様、ありがとうございます!

――突然だが、食堂で修羅場が起きてたらあなたはどうしますか?










今日はうっかり弁当を忘れたから食堂に来たけど、隣の購買じゃなくて食堂のど真ん中に人だかりができてる。

普段なら気にもせず、食堂のおねーさま(おばさま)たちに食券を渡すけど……チラっと見えた人だかりの中心にいる人に納得したよ。だって今校内で最も話題に上る人たちだったんだもん。



そこにいたのは、カワイイ系の一年生女子とちょっときつめ美人の二年生の人。それに生徒会の皆様だったのだ。


一年生の子を守る様にして二年生の人を睨み付ける生徒会。我が校の生徒会はそれぞれタイプの違う美形だけど…おいおい、そんな顔してたら、イケメンが台無しだぜ?


取り敢えずおねーさまに食券を渡し話を聞いてみるとしましょうか。おっ、どうやら正統派イケメンの生徒会長が話すみたい。だけどこの人、家の都合で二年生の人と婚約してるんじゃなかったっけ?



「どうあっても、認める気がないんだな?」

「―――ええ、わたくしには一切心当たりがありませんもの」

「フザケンじゃねえっ!てめえがアリサを苛めてるのは全部わかってんだよ!」


そういったのは、会計の口が悪い人。不良系イケメンでよくキャアキャアいわれてる。


「こいつと同じ意見なのは腹立たしいですが、認めてはどうですか、九条百合さん」

「ほんとにねーいい加減諦めたら?」

「九条グループのお嬢様だからってさ、何様のつもり?」


腹黒タイプの副会長やショタ枠の双子書記の人たちが次々に吐き捨てるように喋る。


「アリサがこの1ヶ月、お前からすれ違うたびに暴言を言われ、机に落書きをされ、持ち物は捨てられたと言っているんだ。可哀想に、こんなにやつれてしまって……」


そう言ってそっとアリサの肩を抱く生徒会長。おい、何で目の前の婚約者よりそっちの子を優先してんだよ!


「……私が川瀬さんを苛める理由がございませんわ。苛めたと言いますが、イジメの証拠でもあるのですか?」

「フン、大方気に食わないとか下らない理由だろう。それにお前がしたイジメの現場を見た人間が何人もいるんだ!」


その言葉に2、3人の生徒が前に出てきた。あれ、この人たちって…………


「私……見たんです。九条さんが川瀬さんの教科書を破り捨てるのを。その時、九条さんはとても愉しそうに笑っていました。本当に怖くて、怖くて、今まで黙ってたんです」


その証言をきいて罵り始める生徒会…もとい、逆ハーメンバー。それを黙って聞く九条さん。それを今まで何も言わなかった川瀬さんが生徒会の面々を宥めるように言う。




「みんな……そんなこと言わないで。九条さんがやったことは悲しいけど、私は平気だから、ね?」

「「「「「アリサ…」」」」」


そんな台詞で女神を見たような表情してんじゃねえよ!ああ、イライラするな。


「こんなに優しいアリサを悲しませるなんてっ……自分の犯した罪も認めないお前と同じ道を歩けると思えない。


九条百合、お前との婚約を破棄する!!!」


会長が言い放った瞬間、九条さんは顔面蒼白になり、必死に何かに耐えるような表情をした…………






…………もう、いいよね?










「いい加減に………せんかあぁぁぁあ!!!この馬鹿どもおぉぉぉぉお!!!」





―――百合 side






私は九条百合。


最近、川瀬アリサという方が余りにも見苦しい行動をされるので一度気を付けるように注意しましたが……まさか、こんなことになるなんて……


たった今イジメをしているなどと見に覚えがないことで罵られ、婚約破棄を言い渡されました。

5つに婚約をし、それから付き合いのある私よりそちらの方を信じたというのですね……ですが、家格は彼方の方が上です。下手をすれば家にも会社にも影響が出ます。

何も言えずにいると、怒鳴り声が聞こえました。




「いい加減に………せんかあぁぁぁぁあ!!!この馬鹿どもおぉぉぉぉお!!!」




そう言って人だかりをかき分けて1人の女子生徒が出てきました。

確か……この間図書室で本を探していた時に本の場所を教えてくれた方です。


見た目は眼鏡をかけたごくごく普通の方です。

今は眼鏡の奥の瞳が怒りに燃え上がっているのがよく分かります。


そして、私と彼らの間に立つと喋り始めました。



「お前ら……馬っっっ鹿じゃないの?こんなのが生徒会だなんて、ないわー。ああ、皆が持ち上げるから中身が伴わないんですね。顔しか取り柄ナイんですか?」



「「「「……ハ?」」」」



皆さん、呆気にとられていますわね。かくいう私もこんな事をいう人がいて驚いていますが。

我に返った葛城様が怒りに顔を歪めました。


「なっ、なんなんだお前はっ!!」

「関係ない者は黙って…」「そもそも、ここは何をする場所なんでしょうかねえ……?常識身に付けてからこいやあ!!」


……こんな暴言慣れてないのか、お二人とも返す言葉がないようです。


「そもそも、九条さんはイジメなんて弱っちい卑怯者がするようなこと、しませんよ。バーーーーーカ!」


…………………え?


「なに言ってやがるっ!アリサがオレらに嘘ついてるって言うのかよ!!」

「九条さんのイジメの現場を見たっていう人が何人もいるんだよ?」

「そうそう、それにさ…………きみ、僕たちの事誰だか分かってて喋ってんの?」


―――マズイ!!皆さん会社の御曹司や有名人の息子ばかり、彼らの親の権力チカラで彼女の人生が………!


「そんなの分かってますよ……困ったら親に泣きつく甘ったれどもですよね」


すっごくイイ笑顔で言った言葉は凄まじいですね。思わず顔がひきつってしまいました。




「川瀬アリサさんの証人に質問です」

「な、なに?」

「九条さんが教科書を破ったのを見たのは何時ですか?正確にお願いします」

「あれは……そう!四日前の放課後の出来事よ!」

「九条さんだけだった……間違いありませんね?」

「ええ!」


そう言った瞬間、彼女はニッコリと微笑みました。


「そうですか……なら九条さんには双子のご姉妹がいらっしゃるのですね、全然知りませんでした」

「……百合は一人っ子だ」「じゃ、瞬間移動かドッペルゲンガー、もしくはよく似た別人でしょうか?」

「何が言いたいんだよっ、テメエはっ!!」

「うるっ……せえ!!ちょっと黙ってろ不良モドキ!人の話しは最後まで聞けって習わなかったんですかー?小学校からやり直してこい!」


笹木様は怒りで真っ赤になって拳を握ってブルブル震えています。


「だって、四日前の放課後はわたしと図書室にいましたから。お付きの人が迎えに来てそのまま校門まで一緒にいて、車が出ていくのを確認しました。嘘だというなら校門と図書室入り口の監視カメラ調べて下さい。すぐ分かりますので」


皆さん、驚いています。周りの私を責めるような視線も変わり、今は彼女に注目しています。川瀬さんは顔色が変わり真っ青になっています。




「だいたい、イジメの件を別室で事情を聞く事が出来たはず。それなのに、人の集まる場所で糾弾する……最低な行為ですね。ま、周りの皆もここで煽る様なことしてんだから同罪ですけど、仕方ないですね。誰だって我が身が一番可愛いですから」


彼女が言い放つと、みな己を恥じるように顔を背けたり俯いたりします。


「そうそう、落書きだったり他の件も全部彼女の自作自演なので。状況証拠なら幾らでも出しますよ?例えば、これなんてどうですか」


そうはいっても彼女に動きがありません……ハッタリというものでしょうか?


『……ゃ、……んだわよ』『…ったわ』

『でも………』

『あなたたち、親のクビがかかってるのよ?ただイエスと言えばいいのよ。悪い話じゃないでしょ?』



ピーンポーン、パーンポーン……



『えー、こちらマイクのテスト中……さっきのは今朝取れたての川瀬アリサさんと脅されてる3人の会話を録音したものです。……女子っておっかないわあ、やっぱ俺、2次元に生きるわ』


ピーンポーン、パーンポーン……


「と、ざっとこんなものですがいかがでしょうか?指紋等の物的証拠もございますよ?」


我が意を得たりという顔をして川瀬さんに問いかける様に言っていますが……


「アリサ、こいつが言っていることは本当なのか?」「アリサ、教えてください」

「……みんな、私の事信じてくれないの?」

「もちろん、信じてるよ!だから……」

「……ひどいよ、九条さんそこまで私が嫌いなんだね。人を使って私を責めるなんて……」


そう言って顔を覆う川瀬さん……なんて方、この動作だけで川瀬さんは場の空気を一変させました。この様子を黙って見ていた彼女は、怒りを通り越して呆れた表情になってますけど。


「このクズ、面の皮厚すぎですね。ここまできても誤魔化すなんて……だけど、残念ながら時間切れです」


彼女が呟くと食堂の扉が大きな音を立てて開きました。


「さっ、榊っ!」


どうして…なんで彼がここにいるのですか!お父様に付いて今はロサンゼルスにいる筈です!

榊は生徒の波を掻き分けて私の側までやってきてそっと手を握りました。


「お嬢様……よく頑張りましたね」


ああ……その一言で全てが救われる様な気がします。


「キサマッ、何をしに来たっ!?」

「……それはこちらの台詞です。あなたは自分の婚約者相手に何をなさっているのですか?その年で愛人がいるのですか、この節操無しが。ああ、先ほど婚約破棄されていましたね。だから、問題ないとでも?ここまで馬鹿だとは夢にも思いませんでしたよ。」


私の手を下ろし、葛城様に食って掛かる榊。な、なんて事をしているのですか!


「ご安心を、お嬢様。葛城様、旦那様から伝言です。『婚約破棄の件、了解した。あなたの父にも伝えよう……ただし、今後娘に関わったら容赦はしない』とのことです。他の皆様もですよ?」

「えっお父様が!?」

「ええ……」


――パンッパンッ


「取り敢えず、お開きにしませんか?次の授業まで後10分しかないですよ?」


本当にこの方は……空気を読めるのか、読めないのかさっぱり分かりません。


「最後に……生徒会の皆さん、川瀬アリサさん。今回の件に関して詳しく聞きたいので放課後空けといて下さい。逃げても無駄ですからね?さあ解散だ、解散っ!!野次馬どもとっとと散りやがれっ!!あ、榊さん九条さん連れてっていいですよ?」

「ありがとうございます……お嬢様、失礼します」

「はい?……きゃあ!?」

な、なななななんでお姫様抱っこしてるんですか!?

「おろしてください〜!」「イヤです」


他の人たちからの視線が痛いんですよーー!!


「いっやああぁぁぁぁああ!!お嬢様×執事萌ええぇぇぇぇええ!!この瞬間を待っていたああぁぁぁぁああ!!」

「はいはい、お前も授業行くぞー」


後ろが騒がしいですけど、ぎっちり抱え込まれて見えないです!これからどうなるのですかー!?




――あれから、一週間経ちました。今、私は四人の方たちと向き合っています。


「納得いく説明を要求いたしますっ!」


「えー……別にいいじゃないですか。生徒会は今回の一件で全員生徒会を辞め、川瀬アリサは…他にもイジメ教唆やら気に食わない子を自殺未遂まで追いやった事から意味分からん事を口走るって理由で転校という名目の精神病院行き。九条さんは想い合っていた榊悠人さんと改めて婚約。めでたしめでたしじゃないですか」


「うっ……それは、それです。何であなた方は榊と知り合いなのですか。それに監視カメラの位置は一般生徒は知らない筈です!それに、あの時どうして私を庇ったのですか」

「ムカついたから」

「………………へ?」




「いや、だってあいつらイジメがどうのって言うけどこの学校、色々生徒や保護者の格差でイジメ多いのに他の子は切り捨ててカワイイ子だけ守ってたから、プッツンとキレまして……アッハッハ」

「最近、川瀬アリサはやりすぎてたからちょっと伝手をあたって証拠を集めてたからこっちとしてもナイスタイミングだったから気にすんな」

「リコールの準備もしてたけど肝心の生徒会長が決まんなくてさー……九条さん引き受けてくれてありがと♪ついでにイケメン執事とのラブラブ生活についてインタビューをさせ……」

「お前は自重しろよなっ!あ、放送したの俺、俺。理事長に許可とってひそひそ話そうな場所に幾つかレコーダー仕掛けたんだ。他の奴らの黒歴史も拾えて一石二鳥だぜ♪」


…ツッコミ所が多すぎて何から聞けば良いのかしら。


「理事長、俺の叔父さんだからすんなり話が通ったんだ。けど、代わりに生徒会運営任されたってハナシ」「牧野君、アナタ神崎家の方でしたの!?」

「いやいや、母さんが家飛び出して父さんと結婚したから一般ピープルです。たまにじいちゃん達と会うことはあるけどな………っておまえらなんで離れてバリケード作ってんだよ!?」「フッ、所詮私らの間には越えられない壁があったということさ……」




そのまま騒ぎだす彼ら、こんなにも楽しく、たのもしい方たちがいましたのね……


「牧野君、朝比奈君、長嶺さん、それから……豊川さん。今回は本当にありがとうございます。あなた方のお蔭です」

「君の笑顔が一番嬉しいよ!心から笑えるようになって本当に良かった。」


(……なあ、あいつってホントに女か?性別間違えてんじゃないのか?)

(それが薫の善さでしょ、中身がヒーローとかギャップ萌え!)

(……見た目地味のままでいてくれるほうがこっちも助かるんだけどな)

(お、ついに動きますか〜!朝比奈総司令殿!)

(…ウッセエ、その呼び方ヤメロ)


「なにヒソヒソやってんの〜?仲間外れ、反対!」

「…フフ、楽しそうですね。私も混ぜていただけますか?」

「もっちろん!グフフこれから楽しみだぜぇ〜」

「うっわ…ゲス顔してんぞ長嶺」

「牧野……黙ってた方がいい。こっちに飛び火するからな」




「なんだか楽しそうですね。百合?」

「ええ……だってお友達が出来たんですもの。とっても楽しいわ」


榊……いえ、悠人はちょっとだけ不満そうな顔をしてる。全く、仕方のない人ね。

彼の側に行き、そっと寄り掛かる。


「もちろん……私の一番はアナタよ、悠人」

「っ……俺もだよ、百合」

私を強く抱き締めてくれるこの温もりがあればどんなことがあっても大丈夫。


これからも様々な困難があるのでしょうけど、愛する人たちがいる私に怖いものなどありませんわ!




最初は全部薫視点のつもりだったのに……どうしてこうなった!そして主人公が誰か作者もわからない(笑)


こんな作品ですが気が向けば続きを書くかも?執事、それは人々のもうそ……ゲフンゲフン、想像を掻き立てる職業である(メイドも可!)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白いし、ストーリーが良い [気になる点] 続きを見たいこの主人公のまま…
[一言] 薫強ぇ
[良い点] 分かりやすい展開で気負う事無く読むことの出来る作品です。 文章量自体はそれほど多くないので、一気に読んでしまえます。 舞台は学校の食堂、構図は生徒会と一般生徒との対立というもので、読者にも…
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