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ラーナ彼女の解読式  作者: 夏目ナ2
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相談解決部とは(1)

部活動とは

1人は仲間達との思い出、また一人は青春アオハルだと言う。

だが俺にとって部活動とは

「将来への餌」である。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



俺は蔵野(くらの)北高校二年、今井いまい 直樹なおき

特別何かアピールポイントがあるわけでもなく、何処にでも居る普通の高校生だ。


そんな俺は現在、どの部活に入るのかお悩み中なのである。


「んーー、どの部活が一番楽なのか…」


部活勧誘ポスターがズラリと並ぶ掲示板の前で突っ立っている俺。

今の時期は新入生の奪い合いであり、様々な部活が奮起している。

それらの部活の中で何処が一番楽であり、別に出なくても文句が言われないのだろうか…


俺にとって高校の部活動とは「将来への餌」である。

大学入試でも指定校推薦なら部活動は大きなアピールであり、会社の面接でも使えるかもしれない。

そんな事を最近になって分かったからには入らない手はない。

ただ「在籍」することが大切なのである。


しかし掲示板に並んでいるのは、


「サッカー、テニス、男子バレーに弓道…」


めんどくせぇ。

見事に運動部ばかりである。

俺にとって運動部は絶対になしだ。なぜ暑い中外で運動をするのか?

冷房の効いた部屋でゆっくりする方が体に優しいではないか。



「文化部はねぇのか…?文化部、文化部、文化部…」


大きな掲示板なので上から下まで探すのが一苦労である。

そんな数多くのポスターの中に一つ気になる部活があった。


「なんだこの部活…、相談解決部?」


相談解決部

そこには初めて見る部活名があった。

去年までこんな部活見たこともないし聞いたこともない。

新たに今年できた部活なのか?などと考えたが…


「名前も知らねぇし活動してないんじゃね?ここしかないだろ」


活動実績を全く聞かないということは活動がゼロに等しいってことじゃね?

それだったら名前だけでも置くことは認めてくれるだろう。

名前だけ置いてもらって後は知らん。幽霊部員の一番手を目指したい。


そう思った俺は早速相談解決部の部室へと向かった。




「ここか…」


特別教室棟の端にある教室。この階の教室は基本的に授業で使われることは無く物置として使われている。

そんな教室たちの中に一部屋だけ確かに書いてある『相談解決部』。

目の前に立ちながら入ろうか止めようかと考えてしまう。


「やっぱり止めといた方が良いのかもなぁ…」

と思いつつも部室の扉を開ける。



扉を開けた先には本を読んでる女子生徒が居た。

知る人ぞ知る生徒である。


「あら、いらっしゃい。どうぞここに座って」


彼女は目の前の長机を指さし、自分はその反対側に腰掛けた。

春の風が彼女の綺麗な髪をふわりと揺らしている。


「初めまして。私は宮崎みやざき 莉奈りな。あなたは?」


「は、はじめまして。今井 直樹です…」


彼女の名は宮崎莉奈。

こいつの名前を知らない学生は居るのだろうか?

一年生の時に何度も告白を受けては断っていることで有名な女子生徒である。

いつしか彼女は『孤高の女王』と称され、周囲から恐れられる存在となっていた。

そんな子がココで部活動を…?



「今井君ね。初めまして。見ない顔だけど入学したての一年生?」


「っな!? 俺は二年生です!宮崎さんと同級生です」


確かにうちの高校は一学年8クラスがあり知らない人間も多い。

そして俺は宮崎さんとは違って全くの無名学生であると自覚している。

しかしこの事実は悲しいものだ…


「あ、ごめんなさい。流石にクラスが多すぎて知らない子も多いの」


「そうですよね。俺も知らない人だらけです…」


「それで?今日は何の悩みで来たの?今はフリーだから」


満面の笑みでこちらを見つめている宮崎さんだった。


「フリー?」


「そうだよ?今は何も相談事に乗ってないから受付中ってこと」


なるほど…

確かに複数の相談事に乗ることなんて不可能に近い。受け付けられる悩み事は一つだけ。

まぁ言われてみれば当たり前のことだが安請け合いしないだけでも誠実さが垣間見える。


「それで?どうしたの?」


「いやっ、俺は相談しに来たわけじゃなくて…」


そうだ。俺は今日、相談をしに来たのではない。

入部届けを出しに来たのだ。

では何で来たの?と言いたそうな顔をする宮崎さんに俺は言う。


「入部したくて来たんです…」


「あっ、入部!?」


ガタッと宮崎さんの椅子が動いた。

さっきまでのクールな表情とは一転して驚いた表情をしている。

何をそこまで驚いているのだろう?この時期に入部希望者が来るのは不思議ではない。

ただ俺が二年生で入部希望ということに驚いたのだろうか…?


「そうです。入部したくて今日は来ました」


「えっと、本当にうちに入部したいってことで良いんだよね?」


しかし何故か歓迎ではなく動揺している様子だった。

俺は歓迎されないってことなのか…?


「はい…そうですけど何か不味かったですか?」


こんな反応をされたらこっちも不安になる。

ここで完全拒否されたらどうしよと思いながらも何故そんなに動揺しているのか尋ねる。


彼女は「んんっ」と小さく咳払いをした。


「不味くも美味しくもないんだけど、この部活ってあんまり良い反応されないんだ…あはは」


少し気まずそうな雰囲気で目線を泳がせる宮崎さん。

良い反応がされない?俺はそもそもこの部活を知らなかったため評判云々に関してはさっぱりだった。

予想外の返答に俺はつい原因を聞いてしまった。


「良い反応されないって…、なんでそんなことに?」


流れる沈黙。

どうして良い反応をされないのだろうか?

そんなことを考えながら俺は彼女の回答を待つ。


少し待つと彼女は決心したように口を開いた。


「…私があんまり良くない解決策を今までしてたからなんだ」









気長に書いていきます。

出来る限り時間を作って投稿するので

読んでいただきありがとうございます。

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