表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/63

11転換―――ヒナツの場合

何がぼく、ヒナツの運命を変えたかと、深く考えてみると、やっぱり、かれらとの出会いが一番大きかったのだとおもいます!


「じゃあいっくよ〜しっかりつかまっててね〜」


ふわりと宙に浮く。ぼくは幾重にも重なった魔法陣を身にまとっていた。魔法陣はヒナツの髪と同じ柔らかな緑色に輝き、それはイリーナ様達の乗る馬車の下にも浮かび上がっていた。


この魔法を教えてくれたのは魔法の師匠であるシェンだった。


ぼくは生まれた時は病弱で、すぐにも死んでしまいそうな虚弱な赤ん坊だったらしい。本当の両親というのは知らないけれど、虚弱なぼくを彼らは森に捨てた。

普通であればそのままぼくは死ぬはずだった。

だけど出会ったのだ、彼―――シェンシェロルに。

まだ幼いぼくを拾いイリーナ様の元に連れて行ってくれたのもシェンだったと聞いている。

イリーナ様が初めて聖印を顕現させたのはぼくの持つルククの聖印だったとも何度も聞かされてきた。

おかげでぼくの命は繋がれ虚弱な身体も今では本当にそんな状態だったのか怪しい程に健康体だ。


シェンに出会っていなければ今のぼくは生きていない。

イリーナ様に出会っていなければ今のぼくは存在していない。


2人はぼくにとって大恩人なのだ。


「せーのっ」


掛け声と共にパッと一瞬大きな光に包まれたと思えば、あたりの景色は一変している。


サーシェス辺境伯家からレイトン公爵家まではだいたい2日かかるその距離を毎度毎度移動するのは大変なのでということで、イリーナ様はぼくの力を使うことにした。


ルククの聖印の力は簡潔に言えば魔力の増大。

ぼくはこの聖印のおかげで普通の人よりも遥かに多くの魔力を有していた。


「いつ体験しても凄いよな。ヒナツの転移魔法」

「ええ。移動が一瞬ですからね」


「ふふっ。これくらいのことならぼくにまかせてよ」


イリーナお嬢様の力になることだったらなんでもするからね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ