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学校をぎゃふんといわせることができるのを。
あれから数週間は平凡に暮らしていた。
トラップはもう十分つけていたのでどうでもよかった。
時々引っかかってしまうこともあったが、そこまで大変なことではなかった。
だが、数週間静かにしていたのはある理由がある。学校に油断させるためだ。
私はある日、大作戦を開始した。
まずは全員の靴箱に髪を入れた。
だが、今回はほかの人たちにも助けてもらった。
作戦を説明すると、全員面白そうだと賛成した。
私と彼らで全ての靴箱に髪を入れ終わると、学校が始まるのを待った。
思った通り、私たちの学年はお騒ぎだ。
あの紙には名前を書かずにラブレターを書いた。
一つ一つ少し違うように書くのは大変だったが、苦労した代わりは十分だっただろう。
私はにやにやとしないのに苦労した。
咲良と優真の考えは最強だった。誰も想像できない方法でやれる。特に学校が。
だが、学校は動かなかった。これはまだそこまでは被害を出していないからだ。
確かにこれが噂になったが、そこまで授業などには問題になっていない。
だが、咲良と優真からすればそれは計算通り、次はもっと強い考えを持っていた。
今度は優真が任せてほしいといった。完全に嫌な予感はしていたが、とりあえず見てみることにした。
なんだろうか… 私は気になったのでついついて行ってしまった。
だが、このいたずらはいたずらと言えないものになるのだった。
そのままついて行っていると仕舞いには教室まで来た。
ここにはたくさんの人がいる。なかなか何かをするわけにはいかないはずだ。
だが、それは少し違うようだった。
「おい」1人の男性が彼に触れた。
先生の一人だろう。私は知らない。
彼は優真と何かを話していただろうか、少し遠すぎてわからなかったが、分かったこととすれば優真は少し不機嫌のようだった。
私はどうしてかわからない。だが、あの人が何かを言ったのだろう。
すると、彼はこっちんい歩いてき始めた。
私は慌ててそこから逃げていった。
その後はどうなったのかはわからない。
だが、うわさなら聞いたことがある。
他の人たちが言うには「悪魔を見た」らしい。
詳しくは聞くことができなかった。
どうやら説明が苦手な人を狙ったようだ。
私はいったい何が起きたのかを優真に訊こうとした。
だが、その日は優真がいなかった。どうやら完全に無実だと言えるようにしたのだろう。
彼は完全に天才だった。
私は様子を見たくて学校に来てしまうからだ。
そのまま1日が過ぎていった。
彼らがうまく説明できなかったからなのか、そこまでは大騒ぎにならなかった。
私は大騒ぎになるとずっと思っていた。
だが、勘違いをしていた。
咲良に訊いてみると、彼女は普通に予想していたようだ。
彼がすることはいつもそこまでは広がらないらしい。
確かに考えてみればそうだった。
今までで優真がしたことは全く広がらなかった。
いつもどうしてかわからないが、毎回どんなにすごいことをしても1日程度で収まった。
私はいつも聞こうとするが、無理だった。
彼はいつも次の日はいないからだ。
警戒しているからだろう。