表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/74

小腹がすいたら、焼きリンゴを②

うっかりしてました_(:3」∠)

 仲のいい親子を見送って、アリスは複雑そうな顔をする。


「いいなあ。ああいうのが普通の家族なのかな」

「家族の在り方、なんて人によって基準が違うから、普通なんて考えない方がいいわよ。たとえばアタシの親はまったく干渉してこないわ。アタシは何も言ってこないのがちょうどいいけど、放置されすぎて寂しいって思う人もいるでしょうし」


「うん。そうだね。あたしも、両親にベタベタして欲しいわけじゃない。せめて、……に向けるはんぶんでも、気にかけてくれたらそれでよかったのに」


 店に来てすぐ、親と仲がよくなかったと教えてくれた。「人それぞれ」なんてなんの慰めにもならないけれど。アリスは微かに笑った。


「アリスちゃん。そろそろお腹すかない? さっきお客さんからリンゴをもらったから、おやつを作るわ」

「おやつですか」

「ええ。すぐ作るから、店番よろしくね」


 歩はすぐ調理に取りかかった。

 紅玉の芯をとり、輪の薄切りにする。フライパンにオリーブオイルをしいて、温まったらリンゴを並べる。

 大さじ1の黒砂糖を散らしてじっくりと両面焼き上げる。

 リンゴがしんなりして、透明感がでてきたら火から下ろす。

 ガラス皿に並べて、ヨーグルトを添えたらできあがりだ。


「おまたせ。歩さん特製の焼きリンゴよ! 今日は天気がいいからそこで食べましょうか」


 店のショーウインドウ前に置いているテーブルセットに着席する。

 編み上げの籐で作られた椅子と、ガラス張りのテーブル。

 お客様がここに座って休めるようにしてあるのだが、今は座る人がいないから自分たちが使ったってなんの問題もない。


「甘いものを食べたらふとるんじゃ」


 まだ太ることへの恐怖が拭い切れていないようだ。不安そうに視線を落としている。


「リンゴを半分食べたくらいじゃ太らないわよ。この材料なら、カロリーはご飯茶碗一杯より少ないくらい」

「そうなの?」

「ええ。それに火を通したリンゴはお腹にも優しいの。温かいうちにめしあがれ」


 アリスはじっと歩の顔をうかがい、意を決して、焼きリンゴを一枚口に入れた。


 とたんに目が輝く。

 なにも言わなくても、喜怒哀楽が顔に出ているので見ていて清々しい。たぶん嘘がつけないタイプだ。


「なにこれおいしい。それにやわらかくてぷるぷるしてる」

「そうでしょそうでしょ。なんならおかわりしてもいいわよ」

「それはさすがに」


 はじめは躊躇していたけれど、すごく幸せそうにかみしめて食べてくれる。作った甲斐があるというもの。


「材料が少ないし家でも作れるから、レシピを教えてあげる。アリスちゃんも試してみなさいな」

「うん。そうする」


 このあと仕事上がりにスーパーに直行してリンゴを買ったらしい。ほんとうに素直な子だ。


明日も更新です


お家で作るとき、りんごの品種は問いません

オリーブオイルだたカロリー控えめ、

バターだとコクが出てうまいです

お砂糖の分量は好みで増減してください。


皆様、良き焼きリンゴライフを!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 幸せが人それぞれなように、家族の形もそれぞれですね。 アリスさんの気持ちめっちゃわかります。  りんご、焼いたら美味しいんですね。やってみよかなと思います。
[良い点] 家族の形はそれぞれ。 でも、アリスがコウキくん母子を羨む気持ちも解る。アリスは両親から邪険にされてましたしね。(今でこそあの珠妃母子は平和ですしね) 焼きリンゴ美味しそうです~~(≧▽≦…
2023/07/11 16:59 退会済み
管理
[一言] 想像しただけで優しい気持ちになれます( ´∀` )
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ