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将来の約束と、ほくほくカボチャのシチュー②

入れる順番間違えたので差し込みます

 二人を見送ってから、歩とアリスは昼休憩に入る。

 本日のまかないはカボチャのシチューだ。

 カボチャにニンジン、シメジとじっくり煮込んだシチュー。ミルクベースで、舌触りはとてもなめらかにしあがっている。

 ほくほくのカボチャを口に運びながら、アリスは顔をほころばせる。


「おいしい。最近寒くなってきていたから、シチューっていいね」

「うふふ。アリスちゃんが喜んでくれてよかった」


 歩もちぎった食パンでシチューをすくってほおばる。

 アリスの食事量は最近平均的な成人女性の量になった。茶碗の半分を食べるのがやっとだったから、一皿のシチューを食べられるようになっているのをみて、感慨深くなる。



「それにしても、あたし、まさか婚姻届の証人になる日が来るなんて思わなかったよ。自分が結婚するわけでもないのにすごく緊張するね」

「そうね。初斗が幸せそうで何よりよ。ずっと閉じこもっていた分、これからは存分に人生を謳歌してほしいものだわ」

「うん。先生にはとってもお世話になったから、たくさん幸せになるといいな」


 殺人犯の弟として後ろ指をさされていた初斗が、人並みの幸せを得る日が来たことは素直に嬉しい。


「アリスちゃんが婚姻届を出すときも、アタシが証人になるからね。結婚したい人が見つかったら遠慮なく言うのよ」

「…………そうですね」


 自分なんかが結婚できるのかな-、とでも言いたげな顔をするので、歩はアリスの頭をなでる。


「大丈夫よアリスちゃん。あなたはとっても優しい頑張り屋さんだから、必ずいい人と幸せになれるわ」

「そうかな」

「そうよ」


 アリスは顔を上げると、じっと歩の目を見て笑う。


「じゃあ、歩さんが結婚するときもあたしが証人になる。歩さんもいい人と幸せになってほしいって思うんだ」

「あら、ありがと。楽しみにしているわ」


 歩は自分が幸せな結婚をする姿なんて想像したことがなかったけれど、アリスが言ってくれるならそんな日が来てもいいかもしれないと思った。


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