表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

46/74

アリスの体調不良と、ミルクがゆ②

 店が落ち着いてから、歩は今日のまかないを作る。


「アリスちゃん、帰る前にご飯食べていきなさいな」

「うん。ありがとう、歩さん」


 なるべく温かい物をとった方がいいと初斗が言っていたので、ミルクがゆを作ることにした。

 鍋にごはんを水を入れて煮立て、牛乳を入れて再び煮立たせる。火を止めてフタを閉め、少し蒸らしたら完成だ。

 器に盛って黒こしょうとパセリをふる。


 部屋に運ぶと、アリスは上半身を起こして申し訳なさそうに会釈する。


「なんだか至れり尽くせり。ありがとう」

「いいのよ。具合が悪いときは存分に甘えなさいな。冷めないうちに食べなさい」

「……はい。いただきます」


 アリスはレンゲでおかゆをすくい、息で冷まして一口食べる。


「わぁ。おかゆなのにすごくコクがある」

「ミルクがゆだからね。ちょっとチーズみたいな味になっているでしょ」

「うん。おいしい」


 照れたように笑い、アリスはおかゆを食べた。


「いつもなにかしてもらってばかりだなあ……」

「そうねえ。何かしたいと思うなら、来月、お留守番をお願いできないかしら」

「お留守番?」

「ええ。二週間くらい、海外へ仕入れに行ってこようと思うの。台湾や香港を巡ってくる予定」


 アリスが店を開けていてくれるなら、歩が不在でも常連客が困ることはない。

 少し考えてから、アリスはうなずく。


「うん。あたし、がんばってみる」

「時差が一時間くらいしかないから、何かあったらいつでもライン通話してもいいわ」



 頼もしくも、アリスは店の留守を守ることを請け負ってくれた。



 十月になり、歩は旅支度を調えた。

 旅立つ日、アリスだけでなく初斗とネルも駅まで見送りに来てくれた。 


「いってらっしゃい、歩さん」

「お土産よろしく、歩」

「ネコちゃんグッズがあったらお願いします!」


 三人に見送られ、歩は久しぶりに日本を発つ。

 今からもう、どんなお土産を買って帰ったら喜んでくれるだろう、なんて考えていた。


歩さんが旅立っている間は初田先生のとこでまかないごはんを食べます。( ・ิω・ิ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ミルク粥美味しいよねぇ、(´~`)モグモグ 2週間、アリスはお留守番。 無事に帰ってきてね~歩さん。 アリスが寂しがるからv きっと「そんなことっ」ってアリス言いそう。
2023/07/30 15:10 退会済み
管理
[一言] いよいよ、旅立ちの季節か(違 とにかく歩さん、また会う日まで(´;ω;`)ウゥゥ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ