挑戦、スイカの炒めもの②
歩は割烹着に袖を通し、スイカの皮から可食部をそぎ落とす。そいだ果肉の方はジュースや何かに使うとして、タッパーに入れておく。
今回必要なのは皮の方だ。ピーラーで緑の部分をむいていく。
そばで見ていたアリスはこの時点で度肝抜かれる。
「え、使うの皮!? カブトムシじゃあるまいし」
「あらもったいないわねえ。虫の餌以外の使い道がないと思われたらスイカの皮ちゃんが泣くわよ」
「スイカの皮にそこまで肩入れする人初めて会ったよ」
アリスの突っ込みに、歩は笑ってしまう。白い皮の部分を薄いイチョウ切りにして、ざるにあげておく。
豚こま肉に塩と粗挽きこしょうを振って、油を熱したフライパンで炒めていく。
肉に火が通ったらスイカの皮を加えて、しんなりするまで炒めていく。カツオだしと塩で味を調えたら完成だ。
「ふふふ。歩さん特製、スイカと豚肉の炒め物よ。ご飯も炊けているからいただきましょう」
「わあ、見た目がすごくおいしそう……」
皿に盛り付けてご飯に炒め物をのせて、アリスは恐る恐る口に運んだ。
一口かんだ瞬間、ぱっと表情が明るくなる。
「……おいしいです。くやしいくらいおいしいです。スイカって甘いデザートだとばかり思っていたのに」
「うふふ。調理法次第で、主役級のおかずにだってなれちゃうんだから」
アリスの反応に満足して、歩も炒め物をいただく。塩ベースでほとんど調味料を使わなかったから、スイカ本来の風味が損なわれることなく味わえる。
「このあとは実の方でフルーツポンチを作って、三時頃おやつにいただきましょう」
「はい」
数日かけてスイカを堪能して、アリスはすっかりスイカ料理にはまった。
皮だけ売っていないかなんて言い出すくらいで、歩は笑ってしまった。
スイカの中身はスタッフが後で美味しくいただきました
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