暑い日は爽やかに、ひき割り納豆そうめん②
そうめん②です( ・ิω・ิ)
最近日中に暑い日が増えてきたから、お昼にはそうめんを作ることにした。
深鍋に湯を沸かして、二人分の乾麺を用意する。
「アリスちゃんは納豆って嫌いじゃない?」
「食べられます」
「なら使いましょうか。そうめんを茹でるから、長ネギとミョウガをみじん切りにしてくれる?」
「任せてください」
アリスはだいぶ包丁さばきが自然になっている。最初の頃の危なっかしさが懐かしくなるくらい、丁寧に野菜を切る。その間、歩はめんつゆやお皿の用意をしておく。生たまごも一人一つ。
そうめんがゆであがったら水にさらしてよく冷まし、水切りして皿に盛り付ける。
麺の上にひきわり納豆とミョウガ、ネギ、たまごを乗せてごま油を垂らし、めんつゆをかけたらできあがり。
「おいしい! 納豆ってこうやって食べるとすごくさっぱりしていていいんだね」
「そうね。アタシもこのレシピを試したのははじめてなの。おいしいわー。定番メニューに導入決定ね」
ネギとショウガのおかげで、納豆を使っていても臭いが気にならずさらりと食べられる。
食後のお茶にはカモミールティーを選んだ。
「はぁ、あったまるー。これいいですね、飲みやすいし。お客様にも勧めようかな」
「カモミールは不安や不眠を改善する。お肌にもいい。夜なかなか寝付けない女の子にとくにおすすめよ」
「覚えておきます」
アリスはノートにカモミールティーの効能を書き込む。これまで休憩で試飲したお茶全部、味や効能を書いてある。ハーブティーコーナーに置かれたこのノートはお客様にとても好評だ。イラストもかわいくて、ノートを参考にして茶葉を買うお客様が多い。
「うふふ。アリスちゃんが几帳面だから助かるわ。あたしはお客様に聞かれたら効能を答えるけれど、ノートに書いておくなんて考えなかったもの」
「役に立てているならあたしも嬉しい」
来たばかりの頃は萎縮していたけれど、最近のアリスは笑顔が増えた。
ぎこちない無理をした作り笑いじゃなく、心からの笑顔だ。
アリスが元気になってくれて、歩もとても嬉しい。
「それじゃ、午後もがんばりましょうか。ゴールデンウィーク中は小さなお子様連れのお客様が増えるから、気をつけてね。ティーポットなんかを落として怪我しちゃったら大変だから」
「はい!」
昼からの営業に向けて、二人でハイタッチした。
明日は12話の①②投稿です
ひき割り納豆そうめん、納豆が嫌いでないなら美味しくいただけると思います。





