見た目も味のうち。かわいいフルーツヨーグルト②
「さあアリスちゃん。今日は食パンのトーストとフルーツヨーグルトよ。お茶は甜茶ね」
お昼になり、歩はさっそく、ネルからもらったネコ型を活用した。
トーストは普通にトースターで焼いたもの。
フルーツヨーグルトにはスライスしたバナナと桃のシロップ漬けを混ぜ込み、ネコ型のすりおろしリンゴをトッピングした。
期待通り、アリスはネコの形をしたすりおろしリンゴを見て笑顔になる。
「なにこれ可愛い」
「ネルちゃんが型をくれたのよ。ネコ型布教活動中なんですって」
「ふ、布教かあ。……初田先生もそうだけど、ネルもたまに面白いことを言うよね」
「あの二人は血が繋がっているんだなあって思う瞬間ね」
初斗がネルを引き取ったのが九年ほど前のこと。そのとき歩にも紹介してくれたのだが、超が付くくらいマイペースなところがすごく似ていると思った。
「こっちの甜茶も気に入ってくれると思うわ」
「甘っ! 歩さん、これポットに直接はちみつでも入れたの?」
アリスはカップに口をつけて早々にのけぞった。想像以上に反応してくれて、歩は楽しくなる。
「面白いでしょう。甜茶はね、砂糖を入れなくても甘みを感じるお茶なの。舌に甘い茶って書いて甜茶。ちなみにノンカロリーよ」
「へぇ。すごいなあ」
トーストをかじりつつ、甜茶を一口。お茶のおかわりもしたので、そうとうお気に召してくれたようだ。
おろしリンゴは「可愛いからくずすのもったいない」と言いながら形を壊さないように頑張っていた。
初斗も見習った方がいいと、歩はこっそり思うのだった。
甜茶はドラッグストアでも買えます。
本当に、甘みがあって美味しいです。
ネコちゃん型はすりおろしたものならだいたい何でも入れられるので、りんごとかにんじんとか試してみてください。