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異次元世界征服〜ユグドラシルと五つの世界〜  作者: 鶴山こなん
第一章 『全ての始まり』
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〜第5〜 動物達と話したい!

 動物達と友達になる方法を探すとは言っても近付けなければ観察すら出来ない。スピリットさんが話してくれた人達の場合、最終的に仕方なく強引にとっ捕まえてやるしか無かったようだが、もっと他の方法はなかったのだろうか?


 うーん私の純力を恐れて近づけない、か‥‥‥。


 私が静かにムムムと考えていると、少し離れた所で鳥の鳴き声が聴こえた。他にも違う方向からカラスの鳴き声が。川の方からの水を踏む生き物の動く音。そして私に向けられる無数の視線。私自身が静かにしているためか、周りの音がより目立って聞こえる。


 私の周りから‥‥‥。

 あれ?私の周りに生き物いるじゃん?


 本当に私が怖いのであれば、こうして音が聞こえる範囲にも近付かないはず。しかし、現に今こうして私の周りで動物達は動いていて、視線を向けられている。少し距離を置いて遠目から私を観察している様にも思える。


 ‥‥‥あれぇ?


「スピリットさん、何か動物達周りに来てるっぽくない?気の所為?」

(私には優蘭様のように感覚が鋭くはないので正確には分かりかねますが、確かにこちらから近付かない限り生き物達もまたこちらの様子を伺っているのかもしれませんね)


 ふぅん。怖いけど見に来る‥‥え?

 それってアレか?怖いもの見たさで肝試ししに心霊スポットに来た若者みたいな?


「つまり、私は心スポ扱いかっ!?」

(あるいは今にも噴火しそうな活火山を見に来た命知らず、とも例えられますねぇ)


 おいっ!?


 スピリットさんがボソッと失礼な事を呟いたが、つまりそういう事だ。今ここにいる動物達は、私を怖いもの見たさで度胸試しをしに来ている変わり者達、ということ。


 ほぉ、そうかそうか‥‥‥面白い。

 ならば、見せ物である私は彼らが喜ぶ事をしてあげようじゃないか。

 見せ物として!




 さて、これは私を見ている動物達へのエンターテインメントだ。動物達にも分かる事をしなければならない。サーカスの様に玉乗りしても動物達は喜ばないし、火の輪っかを飛び越える必要も無い。純力で動物達の喜びそうなものが作れないか、ぷにぷにの柔らかい制作途中の純力玉をいじりながら考える。


 動物達が喜ぶ、警戒を緩める時ってどんな時かな?


 寝る時?

 寝たら見てくれないじゃん。

 食べる時かな?

 いや私が餌をやっても食べてくれる気がしない。


 まず、私が彼らに害意がない事を知って貰わなければならない。それも撫でたり餌やりせずに。


 あれ‥‥‥?

 詰んでない?


 時間を掛けてじっくり少しずつ距離を取るのが一番なのだろうが、それは既に出来なかったと言う話をスピリットさんから聞いている。それに、そもそもそんなに待てないし毎日しつこくちょっかいを出す程私は鬼じゃない。手っ取り早く、かつなるべく動物達にストレスを与えない方法‥‥‥!


「うぅ、ダメだ思い付かない!」


 私は元々頭が良い方では無い。どこかの天才のようにすぐに妙案が思いつく訳じゃないし、知識も全然足りない。スピリットさんに分からない事が私に出来るのか‥‥‥?


「くそぅっ!」


 頭が限界を迎えた私は、その時持っていた純力で作った柔らかい玉を、感情のままに勢い良く地面に叩きつけた。すると、透明な玉は砕ける事なくスーパーボールの様に高く弾み、岩、壁、柱、とポンポン至る所を跳ね回る。


 「あ」


 おっと、動物達に当たったら大変だ。


 早く回収しなきゃと思った次の瞬間。

 バサっと大きな翼の(トビ)が、空中でキラリと光る私の純力玉をキャッチし、すぐ近くの木の枝にとまった。見事ワシ掴みならぬタカ掴みした鳶は、片足で器用に興味深そうに純力玉を観察している。


 え?‥‥‥ちょ、ちょま!?


 あまりにも一瞬の出来事だった。

 今何が起こったのか混乱していて理解が追い付いていなかったが、鳶が純力玉をパクッと口に咥えた所を見た私はサーッと青ざめる。


「こ、こらっ返しなさいっ!それは、た、多分君にとって良くないかも知れない‥‥アレだから!」


 すぐさま私が純力玉を取り返そうとザッっと鳶に近寄ると、ギョッと驚いた鳶は私が近付いた分だけ飛んで逃げて行ってしまう。鳶は不機嫌そうな顔で自らが捕らえた獲物を横取りされまいと、更に高い枝まで飛んで行ってしまった。


 ぐ、な、なんでぇ?


「き、聞いてた話と違うよ?彼らは私が怖くて近付けないし、大体野生動物ならあの玉だって普通警戒するよね?‥‥‥なんで?」


 あの玉は純力で作った物だ。故に当然私の純力が含まれているのだが、鳶はその純力の塊を平気な顔で鷲掴みしている。動物達は純力を恐れているのではなかったのか?そう言葉を零すと、スピリットさんが驚いた様な声を響かせた。


(まさか、これは‥‥本能??)


 ‥‥‥は?

 何言ってんだ、この人?


(優蘭様、昨日TVで見たではありませんか、海岸の傍で開催された祭りの屋台で買った食べ物が、鳶に奪い取られるというアレ!本当にやるんですね、感動です!)


 いやぁ‥‥‥。

 言いたい事は分かるけれども、流石にアレとコレとは話が違うでしょうが。大体、食べ物じゃないし。


 私はハァと呆れて溜息をこぼしつつ鳶に視線を戻すと、あろう事か鳶が私の純力玉を今にも飲み込みそうな勢いでハムハムしているではないか!?


「ああぁーっ!ダメーっ!?」


 私の大声に驚いた鳶は、驚いてもう一度咥え直すと更に高い枝に飛び移っていく。


 何で?何がどうしてこうなった?

 純力怖くないの‥‥‥?


 そこで私は先程のスピリットさんの言葉を思い出した。


『今にも噴火しそうな活火山を見に来た、命知らず』


 ‥‥‥まさか。

 そうだ、そのまさかだ。地球上数多の生き物がいる中で、いない筈がないのだ。恐怖より好奇心が勝っているような頭のおかしい輩が。だとすると、今この場にいる動物達は私の純力を恐れていない生き物達のみが集まっている事になる。遠目から見ているだけで近付いてこない辺り、一応恐怖や危機感は感じていそうだが、それでも観察はやめられない。


 なんだコイツらっ!?


 何はともあれ、私が何かする前に既に私は見せ物として動物達の好奇心を煽り、十分興味を惹く事には成功していたらしい。あとは動物達と友好的な関係を築けるかどうかだが。‥‥‥これが正解かどうかは分からないが、今いる動物達が私を脅威として認識していないことは分かったので、一旦この調子でこのまま進めてみよう。手始めにさっきの鳶君から純力玉を取り返してだねぇ。


 ‥‥‥ん?


 すると突如私の真上からガサっと音がして何かが落ちて来た。腕を伸ばせばすぐに届く距離なのでその場で受け止める。‥‥‥地面に激突してガシャーン!とか大きな音は出したくないしね。


 そんな事を考えている間に、トサッとフワフワでぬくぬくしている暖かい落下物が無事私の腕の中に落ちて来た。今更だが、硬くて重い物じゃなくて良かった。ふぅ‥‥‥。


 ‥‥‥ん?

 フワフワのぬくぬく?

 ‥‥‥あぁっ!?


 安心したのも束の間。

 その落ちて来た落下物とは、先程まで私の純力玉を咥えていた鳶君ではないか!何故か、今は先程とは打って変わって元気が無く、ケホケホと苦しそうにえずいている。一体どうして飛ばずに落ちて来たのか。見たところ純力玉は見当たらないが‥‥‥おや?


 抱いていた鳶君を腕から降ろし、近くの切り株の上に座らせて怪我がないか撫でて確認していると、鳶の喉の辺りから私の純力を感じる。まさか‥‥‥。


「私の純力玉飲み込んじゃったの!?」


 だとしたらマズイ。

 早急に吐き出させねば息が出来ずに窒息してしまう。


 さ、早くペッしなさい!

 そんなよく分からん物食べちゃダメっ!


 何とか吐き出させようと、さすったりトントンしたり色々してみるが中々出てきそうにない。これ以上はどうしたら良いか分からず、近くの動物病院に連れていった方が良いと判断した私は、鳶君をサッと抱き上げた。すると腕の中で鳶君の喉からゴクリッと嫌な感覚が。


「あ」


 完全に飲み込んでしまったようだ。

 ‥‥‥これは一刻を争う!

 今の私の足なら動物病院まで五分も掛からない。

 よぉうし‥‥‥。

 

 そう足に力を込めている所でスピリットさんの声で集中を掻き乱されてしまった。


(もう遅いです、優蘭様‥‥‥)

「諦めるのはまだ早いっ!」

(いえ、そうではなくて。この鳶、既に優蘭様の純力に満ちております)


 え?ドユコト?


(優蘭様?先程の玉に貴方の血など加えましたか?)


 あぁ‥‥‥。

 言われてみれば、確かに試しに一滴だけぽたっと入れた気がする。ほら、魔法とか術って血とか爪とか入れるイメージがあったから。


「マズかったかな?」

(いいえ、この鳶の状態を見るに、今優蘭様の純力がこの子の身体を染め上げている状態でして、ザックリ一言で言うならば、優蘭様の私物化しています)


 うーん?


 一旦鳶君に目を向けると、首がぷらんとしていて全身の力が完全に抜けている。しかしきちんと呼吸はしていて穏やかに眠っている様に見える。これって、さっき言ってた‥‥‥。


「洗脳状態って事?」

(洗脳する一歩手前で「支配中」と言った所ですね。後は煮るも焼くも優蘭様次第ですが‥‥‥もしかしたら)


 え、なに?


(優蘭様、この子の体には貴方の血と純力が流れています。この条件ならば、洗脳ではなく「眷属」にする事が可能です)


 ‥‥‥眷属?


 スピリットさんの話によると、どうやら難しいと思われていた動物との交流が出来るかもしれないらしい。


 眷属とは、一族、親族、従者の事を指す。

 洗脳した場合、動物達は強制的に操られるだけの人形になってしまうが、眷属ならば、私を筆頭に連なる一族。仲間と言う関係になれるらしい。


「なるほど、良いじゃん。でも勝手に私の一族に加えちゃっていいのかな?この子の意思を尊重したいと思ってるんだけど」

(眠っているので今の時点ではなんとも。しかし、洗脳ならばともかく、眷属にするのは互いに利のある話なのですよ)


 鳶君にとって良い点は、

 一、ダメージを受けても瞬時に回復する事。

 二、人間の様に知能が高くなる。

 三、身体能力の向上。

 四、寿命が延びる。


 他にも私が授けようと思えば色々与えられるらしい。


「へぇ、結構あるね。それで、私にはどんな利が?」


 私にとっての良い点は、

 一、言葉が分かるようになる。

 二、命令を出せる

 三、絶対に裏切らない


(三個目の、絶対に裏切らないと言うのは実はとても重要な事で、過去の異世界では洗脳した手駒を自分より上位の者に術を解除されたり、乗っ取られたり、度々トラブルが発生していたのです)

「分かるよ。裏切らないっていうのは、すごく大切なことだよね」

(優蘭様‥‥‥?)


 ‥‥‥大切な事だ。


 長い間いじめられて来た私には分かる。過去に、一度私に味方してくれた子がいた。毎日のように辛い日々を過ごしていた当時の私にとってその子は光であり、救いだった。しかし、ある日突然その子は私の敵になった。いじめっ子達と共に私を嘲笑ったのだ。もしかしたら、脅されて仕方なくそうしているのだと思った。しかし違った。聞いてしまったのだ。


「あいつの隣、すごくつまんない。なぜって?そんなの決まってるじゃない」

『あいつの泣きっ面を見るのが一番楽しいからよ!なのに隣に立ってたら正面から顔を見られないじゃない!』


 ‥‥‥そして、気づいた時には椅子で殴っていた。それがきっかけで私はお母さんを泣かせてしまったのだ。嫌なことを思い出した。裏切りなんてもう沢山。動物達にまで裏切られたら私はどうなってしまうだろうか?考えたくもない。


 一瞬嫌な記憶がフラッシュバックしてしまったが、とにかく洗脳以外の動物たちとの交流方法は見つけた。一見洗脳ではなく、眷属にすると言うのは少し考えれば思い付きそうな方法だと思ったのだが、スピリットさんから、このような発想をするのは私くらいだと言われた。


 洗脳とは違い、体の一部を消費して作る眷属は物凄くコストのかかる存在なのだそうだ。その為、その辺に居る雑魚生物に自分の貴重な体と純力を削るなど無駄使い以外の何でもない、眷属を作るなど神話級の強者の特権だ。と言うのが普通の考え方だったらしい。


 昔の人!

 動物達と仲良くしたいんだったら、命削るくらい本気になれよ!


 眉間に皺を寄せながら、心の中で過去の異世界人達に文句を言っていると、心配そうにスピリットさんが声を響かせた。


(よろしいのですか?優蘭様は、眷属を一匹二匹作るだけでなく、数多くの生き物達と触れ合いたいのですよね?やり過ぎるとお体に触ります)

「別に良くない?血が足りなくなったら食べて寝れば増えるし、純力も今の所は使い道が限られる。後々この力の理解が深まって、もっと良い使い道が見つかったら、その時考えれば良いよ」


 ずっと先の事を考えながら計画的に使える程私は賢くない。今やりたい事をする為に使うのだ。とりあえず、今はずっと私に抱かれたままピヨーと寝息をたてているこの鳶君を眷属にしてみたいと思う。


(承知しました。では、やり方をお教えしますね‥‥とは言っても第一段階の、体の一部と純力は既に与えている様なものなので、後は目覚めさせるだけです)


 私の純力が満ちているこの状態で、私がこの子に有害な効果を望めば体を蝕む呪いや毒に、逆にこの子に回復を望めば健やかな守りや癒しに。大体は私が望んだ通りになるらしい。私は、鳶をそっと膝の上に乗せると、頭に手を添え、私の額と鳶君の額をコツンと合わせる。そして目を閉じて心の中で鳶君を想いながら思念を贈る。今私がこの子に望むものは友好関係だ。だから、私がこの子に念じるものは‥‥‥。


『仲間、家族、守る守られる、助け助け合う、尊敬し尊重し合う』


 他にも色々送りたかったが、初めてなのでこのくらいにしておく。私はゆっくり鳶君を撫でて暫くすると、一瞬ブルっと震えたかと思うと鳶君はゆっくり頭を上げ、ぱっちり私と目が合う。その瞬間、鳶君の目がパッと見開かれ、徐々に生き生きと動き始めた。


「ワ、私はイッタイ、どうシテこんナ所に‥‥‥」


 ‥‥‥喋った!確かに喋った!!

 でも鷹君自身は普通にピーピー鳴いているので、私がこの子の言葉を理解できる様になったらしい。


《〜眷属操作解禁〜》


 ん??

 なんか聞こえた気がする。

 いやそんな事より!成功したのだ!


「アナタさまが、私を目覚めさせてクレタのでスカ?」

「は、はい!そうです!私の話す言葉、分かる?」

「ハイ。心なしか、晴れやかナ気分でス。他の者タチはどうシタのデスか?」


 そう言って鳶君は他の動物たちを見て不思議そうに鳴く。


 あ、そうだった。

 この鳶君はある意味、運良く成功した様な物だ。運任せの成功ではなく、私が友達になりたいと思った時に、助けたいと思った時に力を貸せるように確実にできる様になりたい。先程分かった通り、ここにいる動物達は皆多かれ少なかれ私に興味があるみたいなので、早速友達になっていきたいと思う。


 と、その前にちょっと鳶君に一つ質問。


「君は、私が怖くはないの?」


 スピリットさんから聞いていた話では、純力を恐れて近づかないとの事だったが、この子は私の純力玉を怖がるどころか飲み込んでしまった。いくら好奇心が勝ったとはいえ、やはり腑に落ちない。


「目覚めル前の事、正直ぼんヤリしてて分かリマせん。タダ、私はアナタを一目見た時かラ、恐レ多いと思うと同時に、知リたイと思イました。アナタの間合いには入レない。デモ、あなたのニオイ、声、アナタが触った物なラ、大丈夫」

「君が飲み込んだあの玉、怖くなかった?」

「アナタの体、生きテルから無理。デモ玉は、あなたのカケラに過ぎない」


 うーん。例えるなら、超絶有名アイドルがいて直接近触るのは無理でも、その人のグッズだけは欲しい。みたいな感じだろうか。すると、一緒に鳶君の話を聞いたスピリットさんが驚いた様な声色で(なんて事)と呟いた。


(優蘭様!これは大発見ですよ、素晴らしい!)

「‥‥‥なにが?」

(長年出来ないと思われていた生き物達との交流方法!やはり、異世界の常識がないこの世界の人間だからこその新鮮な反応!私、感服いたしました)

「あぁ、そう‥‥‥」


 何やらスピリットさんは学者気質なのか暑く語り出した。が、無視だ。今はもっと動物達と話せるようになりたい。‥‥‥よし!早速さっき作った様な玉を大量に作って皆に与えてみる。目を閉じて沢山のビー玉をイメージ。できたビー玉に一滴分の血を加えていく。


 直接肌を傷つけなくても勝手に体内の血液は消費されていくらしい。前と同じくガラスの擦れるような音が周りから聞こえる。そして出来上がった沢山の玉は持ち切れないので宙に浮かべておく。目を開けると自分の周りには薄桃色の透明な玉が沢山浮いていた。一部血の濃度が濃すぎるやつもいくつかあるが・・・まいっか。


 ふふんっ!


「ここにいる皆!私は君達とも友達になりたい!さ、受け取れぇ!」


 私は声高らかにそう宣言しながら腕をバッと横に薙ぐと、玉はふわりとシャボン玉の様に空中を漂い始めた。同時に、私の声を合図に動物達が一斉にその玉を捕らえていく。地面に落ちた玉は蛇やタヌキが。空中の玉は鳥達が。この場に居るのだけで、沢山の種類の生き物がいた事が分かる。


 暫くすると、玉を飲み込んだ動物達は先程の鳶君の様にスヤッと眠り始めた。今のうちに皆目覚めさせよう。スピリットさんが、玉を取り込んだ動物達は直接触れなくとも目覚めさせることが出来ると教えてくれたので、目を閉じて一度にまとめて念じる。意外とあっさり出来た。


 ざっと見渡すだけでもで四十匹程の動物達がこの場にいる。全員が目覚めると、最初の時と打って変わってとても賑やかになった。どの生き物の声も、私には同じ言葉に聞こえる。蛇とネズミが話している所を見るに、眷属同士なら言葉や種族の壁は無いらしく、蛇がネズミを食べようとしないので食物連鎖もこの場では関係無いようだ。


 私は嬉しくなって、しばらくは動物達と色んな話をした。私の知らない世界観で、とても面白い話が聞けて有意義な時間を過ごせた。最終的に、私が困った時はいつでも呼んで良いと言ってくれた。しばらくして動物達は卵を温めるためとか腹が減ったと言い始めたので今日の所はこの辺りで解散とし、それぞれ自然界に戻っていった。


 はぁ、面白かった!

 夢みたいだ‥‥‥。

 昔からやってみたかった夢が叶った。


《〜千里眼解禁〜》


 ん?

 またなんか聞こえた気がする。

 まぁいいや。

 今日はまだ試したい事がもう一つある。

 スピリットさんの解説を聞くのは家に帰ってからでも遅くないだろう。


 さぁ!

 やりたい事二つ目‥‥‥それは!!

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