表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異次元世界征服〜ユグドラシルと五つの世界〜  作者: 鶴山こなん
第一章  全ての始まり 『現代編』
20/29

〜間話〜 銀城 杏奈(前編

 〜銀城視点〜


 ごきげんよう。

 私は銀城 杏奈(ぎんじょう あんな)


 私は有名な銀城財閥の御曹司の娘。銀城家は最近では珍しい代々血を重んじる由緒ある家系だ。そんな家に生まれた私は小学校に上がる前から、どこの誰が見ても恥ずかしくない様に学校から帰宅すると毎日ピアノ、ヴァイオリン、塾と沢山の教養を受けさせられてきた。

 

 常にお父様とお母様は厳しくて、会って話すのも緊張する。家に帰ってからもレッスンや塾の課題をやらなくてはいけないから中々気も休まらない。そんな厳しい環境の中で唯一私が気を抜ける時間は大好きなお兄ちゃんと一緒にいる時だ。


 私には五歳年上の優しい兄が居る。いつも私を気に掛けてくれて数少ない心の拠り所でもある。気分が落ち込んだ時や困った事、悲しい事があった時は原因を解決しようと行動してくれる頼りになる自慢のお兄だ。


 しかし、そんなお兄ちゃんですら解決出来ない問題がある。それは私の苛立ちの原因の一つ。私は小学校の頃からずっと苛立っている。理由はあの子、優蘭のせいよ。





 あの子と出会ったのは小学校に入学した頃。私は当時から友達は勝手に近寄ってくるものだと思っていたから、私に興味の無い子なんて優蘭が初めてだった。


 あの子は元々、気配を感じないくらい影が薄かった。優蘭の存在を認識したのは同じクラスになって二ヶ月も過ぎた頃で、教室で飼っていた金魚の世話をしている所を見かけた時だ。優蘭は金魚の水槽を丁寧に磨いていた。それはもう幸せそうな顔で。


 私にとって掃除など誰かがやってくれるもの。家でも家政婦やメイドがやってくれていた。そんな人達でさえ掃除をしていて幸せそうな顔しているところなんて見た事がない。だからこそ、優蘭が金魚の水槽なんて汚い物を幸せそうな顔で磨いている光景は、私には物凄く異様に見えたのだ。


 私が優蘭について他の子に聞けば、皆口を揃えてつまらない子、と言う。だが、それに加えてこういう声もあった。「あの子のお陰で金魚の世話をしなくて済むから助かってる」と。皆にもあの子が異様に見えてはいるが、誰も邪魔だとは言わないし思わない。それを聞いた私は、何故か優蘭に興味が湧いた。


 それからというもの、私はチラチラと優蘭の観察を始めた。一応友人は一人いる様だが、ずっと一緒にはいない。少し目を離した隙にいつも姿を消す。居ない時は大体図書室で本を読んでいるか生き物の小屋の前に居る。そして少し時間は経過して優蘭が一人で本を読んでいるのを見かけた。私は良い機会だと思い、優蘭が姿を消す前に声を掛けに行く。


「初めまして、私は銀城杏奈。挨拶するタイミングがなくて遅くなってしまったけれど、これからよろしくね」


 優蘭が驚いて顔を上げると、私と目が合う。

 その瞬間感じた。私が見た事がない目だと。


 私が知る目とは、お父様とお母様が私を見る怖い目、今まで私に近づいてきた子達の銀城家とお近付きになりたい欲と期待の目。男子が私を見て恋に落ちた時の目。それに対して私に嫉妬する憎しみの目。そしてお兄ちゃんが私に向けてくれる慈愛の目。お兄ちゃん以外どれもこれも私に向けられる視線は評価、利用するためで私個人を人として見る目など一つも無かった。

 

 しかし優蘭の目には、何の感情もない。

 私が来て驚いてはいるが、それは純粋に人に声を掛けられた事によるもの。私に声を掛けられて嬉しいとか、邪な感情が含まれているものでは無い。この目は全てを平等に見ている目だ。未知の感覚を味わって逆に私が固まっていると、優蘭が私に向き直って挨拶の言葉を返した。


「‥‥‥初めまして。私の事気付いてくれてたんだ、ありがとう。こちらこそよろしくね」


 穏やかな表情でニヘラ、と笑う。

 

 あら、意外と可愛いじゃない。


 もしかしたら、この子となら本当のお友達になれるかも知れない。私もニコリと微笑み返すと、優蘭が戸惑った様に私の後ろを見ている。一体どうしたのかと後ろを見ると、今まで私の側にいた取り巻き達が優蘭を敵を見るかのように睨んでいる事に気が付く。これはいけない。私が優蘭を安心させようと彼女の方に向き直るとそこにはもう彼女の姿は無かった。


 放課後、優蘭に私の取り巻き達が怖がらせてしまった事を謝ろうと思い、彼女を探そうとしたがそれは取り巻き達に邪魔されてしまった。気は進まないがこんな時こそ権力を使って私から振り払おうとしたが、こんな時に限っていつも迎えの車が来てしまう。私はもっと彼女と話がしたい。もっと知りたい。そんな事を思いながら数ヶ月の時が過ぎた。


 今日は迎えの車が少し遅れて来るそうだ。いつも私の側について来る取り巻き達も珍しく居ない。暇になったので暇潰しにピアノを弾こうと音楽室に向かう。音楽室の扉を開けようと手を添えたその時、下手なリコーダーの音が聞こえて来た。扉の音を立てない様に少し開き、隙間からこっそり覗くとそこには優蘭がいた。私が見ている事に気付いたのか、彼女は吹くのをやめてしまった。


 これで気付くのね、すごいわ‥‥。


 気付かれてしまったのならコソコソする必要もないだろう。私は音楽室に入ると「ごめんなさいね、邪魔する気はなかったの」と謝りながら彼女に近付く。


「それリコーダーよね?何してたの?」


 私が問うと、今日リコーダーのテストで上手く吹けず先生から合格が貰えなかった。だから放課後、この音楽室で練習していたのだそうだ。


 ‥‥‥真面目に練習してるのを邪魔してはいけないわよね。


 私の事は気にしなくて良い、と言うとピアノに座って軽くクラシックを弾き始める。優蘭もまた引き続きリコーダーの練習を再開した。しかし何度やっても音が合っていない。私は教えてあげる事にした。ピアノで正しい音を確認させ、リコーダーで正しい音の出し方、息継ぎの場所など一つ一つ丁寧に教えてあげた。


 私は練習を教えてあげられるという事が嬉しかった。何度も繰り返しているうちに優蘭も緊張が溶けてきて、きちんと正しく吹けるところまで上達。最終的に私がOKを出すと、優蘭は嬉しそうに笑って喜んでくれた。初めて誰かの役に立てた。こんなに喜んでくれて私も嬉しい気持ちでいっぱいだった。


 しかし、こんな幸せな気持ちも長くは続かない。


 ある日私が習っているヴァイオリンの先生が変わった。前の先生より厳しくレッスンの時間を大幅に増やされたのだ。放課後帰りの車も時間ぴったりに来て、直ぐに習い事。レッスンがない日でも課題をこなすので精一杯。学校の勉強でも、少しでも点を落とすとお父様に酷く叱られる。


 ‥‥‥怖い。


 こんな日々じゃ優蘭と話をする時間もない。

 私がしょんぼりしていると、優蘭と先生の会話が聞こえてくる。


「いつも金魚水槽のお掃除ありがとうね、でもずっと金魚当番だけど大丈夫?もし嫌だったら当番制にして他の子にも回してあげようか?」

「いいよ先生。私金魚好きだし、好きでやってるからさ。このまま自由にさせて」


 彼女はそう言って先生の提案を断った。


 自由‥‥‥?

 「自由」という言葉をしばらく聞いていなかった。

 自由、どんな意味だっけ。あぁ、誰にも縛られず己が思うままに振る舞える事だったわね。


 ‥‥‥私、今自由?


 学校にいるときは常に他の子から憧れる存在に見えるよう仕草の一つ一つに神経を擦り減らしている。家に帰れば怖い先生と厳しい親に見られながら習い事。空いた時間は課題をこなす。唯一気を張らないで居られる時間はお兄ちゃんといる時だけ。


 対して優蘭は皆が嫌がる金魚水槽の掃除当番を進んで引き受け、楽しそうに金魚の世話をする。空いた時間は好きな本を読んで自由な時間を過ごし、帰りは好きな道を通って下校。テストで悪い点をとっても「ありゃ」の一言で終わり。


 私は優蘭と友達になれると思っていた。

 だから私はよく見ていた。

 ‥‥彼女が羨ましかったから。

 私と優蘭、歳は同じなのに、どうしてこんなに違うの‥‥?


 その日から、私は心の底から笑えなくなってしまった。





 ある日、常に私の側にいる取巻き達が優蘭の机を囲んでいるのを目撃した。本人はそこにいない。では一体彼女の机で何をしているのかと、近づいて覗いた私は目を見開いた。なんと優蘭の机にクレヨンで落書きをしていたのだ。困惑した。机を囲んでいる一人の肩を叩くとビクッと肩を跳ね上げる。


「あの子の机で何をしているの?」


 私が問うと他の子達も驚いて一斉にコチラを見た。私の質問に誰が答えるのか視線だけで相談すると、決まったのかこの集団のリーダらしき女の子が声を張り上げた。


「ごめんなさい銀城さん。でもあの子が銀城さんと仲良くしてるのが気に食わなくて。だって、私達は銀城さんに振り向いて欲しくていつも側に居るのに、あの子は話しかけられても、それを有り難く思ってなさそうで、そんなのズルイじゃないですか!」


 そう言うと他の子達も同じらしく気まずそうに視線を落とした。私はもう一度優蘭の机を見る。よく見てみるとそこには酷い言葉も書かれている。そして、後ろの方にいて机に手が届かない子の手には優蘭の教科書が握られている。しかしそれはボロボロで、机同様酷い言葉が書かれ切り裂かれている。状況から察するに、私が気付く前からやっていたのだろう。


「いつからやっていたの?」


 私が問うと、表情を真っ青にした子が非常に気まずそうに「二ヶ月くらい前」と答えた。


 ‥‥‥全く気が付かなかった。


 二ヶ月くらい前というと、私が彼女に興味を持った時からだ。私はずっと優蘭を見ていたが感情が表に出ていない。この様に虐められていたのなら、もっと戸惑ったり泣いたりするはずだろう。しかしずっと優蘭の顔だけ見ていたにも関わらず、私は何も読み取る事ができなかった。


 これを見たら、あの子どんな気持ちになるのかな。どうするのかな。


 ‥‥‥でも、何故だろう?

 友達になれるかもしれない子がこの様な酷い目にあっているというのに、どう言う訳か彼女を憂う気持ちが湧いてこない。私の立場ならあの子をいじめから守る事も容易に出来るはずだ。なのに守りたいとも助けたいとも思わない。


 私は一瞬冷静になって思考を巡らせる。

 あの子は他の子とは違う。全てを平等‥‥いや、今考えるとあれは無関心とも捉えられる。そんなある意味全てを平等に見る彼女は、私にとって銀城家のお嬢様としてではなく、一人の女の子として扱ってくれる数少ない存在のはずだ。それなのに何故私はそんな彼女を守りたいと思えない?


 私は全てを持つ銀城家。

 あの子は他よりただ影が薄い子。

 優蘭が持っていて私に無いものって一体何?


 ‥‥‥自由だ。


 優蘭は私が持っていないモノを持っている。

 日頃の優蘭の表情を見ていて分かったこと。優蘭は何も考えていないのだ。何か考えていたとしても、非常に分かりずらい。そんな不思議ちゃんと友達になりたい人も少ない。他人に注意深く見られることが無いからこそ、他者の目を気にせず己が思うまま空気に溶け込むように動けるのだろう。


 ‥‥羨ましい。とても羨ましい。

 いつしかどこかで聞いた事がある。

 「いつか努力は報われる」と。

 ‥‥でも、それっていつ?


 私は物心が着く頃には勉強とレッスンの毎日。

 血の繋がりを重んじる歴史ある家系だから、親の重圧を受け続け、息が詰まる思いで毎日生きている。それなのに彼女は私と同じ歳なのに全く違う。自由過ぎるのではないだろうか?私の方が頑張っているのに、優秀なのになぜ私には自由が与えられないの?


 ‥‥‥優蘭が憎い。

 そうよ、あの子はもう少し困ればいい。


 私と同じ目に遭わせるのは無理でも、学校の中だけでも自由を奪いたい。私はもう一度皆を軽く見回すと、特に注意をするでもなく。


 「続けていいよ」


 と言った。

 当然皆からは私と優蘭が仲良しに見えていたのだろう。困惑している。実際仲良くなりたかったがもういい。それにあの子がいじめられる所を見るのも楽しそうだ。


「私とあの子は友達ではないし守る義理なんて無いもの。お好きにどうぞ」


 私が改めて言うと、今度は皆青ざめた表情から主から許可を得て解き放たれた野犬の様な表情へと変わる。それからというもの、彼女へのいじめはエスカレートしていった。私から手を出す事は無く、見ているだけだったがあの子が痛みに悶え苦しむ様を見るのはなかなか爽快だった。


 しかし、ある時から優蘭は変わった。

 それは小学四年生の頃。いつも優蘭の見ていない所で彼女の悪口を言っていた子の一人が突如、優蘭に後ろから椅子で殴られ、怪我をさせられたのだ。


 私は優蘭が感情を高ぶらせる所を初めて見た。

 いつも大人しくうずくまっているだけの優蘭が、あの様な暴挙に出るなんて考えたことも無かった。あの時だけは見ていただけの私でさえゾッとした。日頃反撃もせず何も感じてなさそうに見えたが、やはりあの子も人間。嫌がらせを受ける度にストレスは溜まっていき、結果それが爆発したのか。


 しかし、あれから優蘭が感情を爆発させることはなかった。あの後何かあったのだろうか?まぁ、そんな事私が考えなくてもいい事だ。またいつものように、ひたすらいじめる日々が続いた。





 小学校を卒業し、中学に上がった。

 中学に上がってからは私自ら手を出す事もあった。どうせ私がなにかしたところで子供の喧嘩と言ってしまえばそれ以上問題視されない。彼女も同じ学校だったようで廊下を歩いている姿を見た。彼女がいるなら続行だ。その日私は中学に入学したその翌日に彼女をプールに突き落とすという最速記録を叩き出した。


 それから数日後、連休を間近に控えたこの日、私は連休で数日間ストレス発散出来ない分、今日のうちに発散をするべく優蘭を探した。現在私は日課になりつつあるイジメという名のストレス発散の時間を何より楽しみにしている。この時間があるのと無いのとでは気分的に大分違うのだ。


 ちなみになぜ私が優蘭にこだわるのかと言うと、彼女は他の子よりも丈夫だからだ。彼女以外でもいじることは出来るが、すぐに泣いてうるさいし、次の日には不登校になってしまったり、要するにもろ過ぎるのだ。対して優蘭は不登校にはならずに毎日きちん生き物の世話をしに学校に来るし、少しいじったところで壊れない。だからこそ今日も大人しくいじらせてくれると思っていた。


 そんなある日、 緊急事態が発生した。

 優蘭が反抗し始めたのだ。


 これは由々しき事態‥‥!


 いつものように取巻きの子が優蘭に消しゴムを投げたとき、それを避けた様に見えたのだ。靴下をいじっているのでたまたま?その後も何回も仕掛けてみたが、ことごとく当たらない。おかしい。調子が悪いとかそういう問題では無い。あの子に一体何があったと言うのか。


 そんな様子で優蘭に何も出来ないまま放課後となり、気が付けば彼女はもう荷物をまとめて教室から姿を消していた。私は急いで下駄箱に向かい、流れるような動きで靴を履く彼女を発見。鞄を抱え直すとあっという間に校門の手前まで行ってしまった。私達も慌てて靴を履いて優蘭を追う。


 待ちなさいっ!

 いつもの様に何もかも上手くいかないし、このまま帰してなるものか。せめて一発!


「ちょっと!あんた!」


 私は大きく声を上げて、足音もなく早足で今にも校門を出そうな優蘭を呼び止める。すると彼女は物凄く面倒くさそうな顔でゆっくり振り返った。


「‥‥‥何か用ですか?」

「なんなの!? 今日のアンタはいつにも増してムカつくのよっ!」


 口調が乱れてしまったが仕方ない。私は溜まりに溜まったストレスをここぞとばかりに思い切り優蘭にぶつけていく。語彙力が無くなるほどに、無我夢中で優蘭を罵倒する。


「とぼけてんじゃないわよ!ヘラヘラと避けやがって!アンタは黙ってサンドバッグになっていれば良いのよ!!」


 そう叫びながら私は一発平手打ちを放つ。しかし、それは優蘭の頬を捉える前に手首を掴まれ止められた。予想外の出来事に慌てて手を引っ込めようと掴まれている手に力を入れるが、ビクともしない。今度は体全体を使って勢いを付けて引くが、それでもビクともしない。


「 っ!何するのよ!!?は、離しなさい!」


 私は優蘭から離れたくて藻掻いた。

 すると更に彼女の手に力が籠る。


 ‥‥‥痛い、痛い!


 見れば血も止まっているようで掴まれた手首より先の手を見ると血管がハッキリ浮き出て赤くなってきている。私が何とか優蘭から逃れようと藻掻いていると、彼女が口を開いた。


「‥‥‥私がね、君らにやり返すと悲しむ人がいるんだよ。それに今までの私は君達に反抗出来るような力も無かった。何もできなかった。でも私は変わった。変わる事にしたんだよ。だから‥‥‥」


 《もう近寄らないで》


 最後の言葉を聞くと同時に彼女と目が合った。

 左目だけ水色に光る鋭い目でギロリと睨まれる。


 次の瞬間強い痺れが体全体に広がり、心臓がドクンと大きく鼓動し徐々に早くなる。肌からは冷や汗が吹き出し、目には涙が溜まってきて目の前が歪んで見える。息も苦しくなり恐怖のあまり思考が鈍くなってくる。


 こんな感覚、産まれて初めてだ。これは優蘭が初めて暴走した時とはまた違う恐怖。それを取り巻きの子では無く、私自らが受けている。手を掴まれているから逃げる事もできない。


 ‥‥‥死ぬ。


 本気でそう思った。

 しかし、こんな状況で私は自分が「銀城家」である事を思い出す。こんな特に由緒正しい家柄でも名誉ある偉い奴でもない小娘に殺られては一族の恥だ。私は「銀城家」。貴族の血を引く者としてのプライドがある。こんな所で情けなく殺されてなるものか!


「‥‥‥!?!?っ、な、何なのよ‥‥! も、もうアンタなんか‥‥サンドバッグにする、価値も無いんだからねっ‥‥‥!!」


 私は、なけなしの力を振り絞って優蘭の手から逃れると、自分でも分かる程にカッコの悪い捨て台詞を吐いて彼女から逃げたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ