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異次元世界征服〜ユグドラシルと五つの世界〜  作者: 鶴山こなん
第一章 『全ての始まり』
18/28

〜第17〜 飛び級進化

 一通り話を聞いて、キリが良くなったので皆んなには解散してもらった。動物達も「認識阻害」が使える様になったとは言え完全に過信するのは良く無い。何時何処で誰が見ているかも分からないので、念には念を、これ大事。


 可愛いお友達皆んなに励まされた事により「出来る限り生き残る」から「絶対死ねない、何が何でも生き残る」に目標が変わり、私は真面目に敵を迎え撃つ事を決意した。しかし進化したてのこの体。私でも底が知れないほどの変化があるに違いない。ぼんやりだが脳裏に浮かんで来る能力の方でも新しく解禁されたものがある様だし、ある程度は把握しておいた方が良いと思う。


 スピリット先生の異世界講座も聞いとかなきゃね。


 早速純力関係の話をしてもいいが、まずは肉体的な変化を知りたい。とりあえず河川敷の土手を全力ダッシュで走る事にした。自分の走る直線上に人がいない事を確認してから、陸上選手のようなクラウチングの体制になり、スピリットさんの掛け声を合図に勢いよくスタートを切る。しかし足元の地面を軽く抉る程に力のこもった踏み込みは自分が思っていた以上に強かったらしく、予想以上に速かった。


「あっ、ちょ」


 飛んでいる時以外でこの速さは体験した事がなく、焦った私は慌てて足に力を入れてブレーキをかけようとした。が少し遅かった。目の前にはかなり緩やかなカーブがあるが、この速さで走っている私にとっては急カーブも同然。当然曲がり切れずそのままコースアウトし、勢い止まらぬまま身体は宙に投げ出される。翼を広げて減速を試みるがその努力虚しく、目の前にあった止まれの標識に勢いよく激突した。


 ゲシャン!!バキッ!ガシャン‥‥。


 止まれの標識を犠牲に私は地面に叩き落とされ、ゴロゴロと地面を転がりやっと止まることが出来た。仰向けに倒れた私はそのまま呆然する。


「‥‥‥うわぁ」


 身体を起こしてさっき激突した止まれ標識に目をやると、そこには無惨に根元からへし折られた標識があった。更にこれを見て驚いた事に、標識はあんなにボコボコになっているのに私自身には全くダメージが無い。無傷である。‥‥‥これを見て、改めて思った。


「バケモンだわ」


 とりあえず、へし折ってしまった標識は倒れたままにしておくのはダメだと思ったので、元ある場所のすぐ横にもう一度刺し直しておいた。標識として機能していれば問題ないだろう。私はまたスタート地点に戻ると、再度走る事にした。いきなりスピードを出したのがよくなかった。今度は少しずつ慣らしていこう。


 私はそのまま小走りで走っていく。そこから徐々にスピードを上げていくき、しばらくして体が慣れてきた様で、先程コースアウトした所も難なく曲がれる様になった。走りはもう良いだろう。


 次は飛行だ。飛行は得意である。


 早速飛ぼうと思い翼を開いたところで、自分の翼にも変化があることに気が付いた。以前までの私の翼には銀の羽根が二枚あって「二つ星」だった。しかし今の私の翼にはそのメタリックな羽根が六枚に増えており、そのうちの二枚は金色に変わっている。


 あ、そういえばスピリットさんが言ってたっけ。


 今の私はジャックを倒した事により、二つ星から一気に六つ星に飛び級したのだ。段階を踏まずに二から六に飛び級したのだから、体の操作に難航するのは当然のことだと言えよう。飛行は得意と意気込んでいたが、自分が飛び級している事を思い出して少し自信をなくした。


 慎重に、ちょっとずつね‥‥‥うん。


 まず始めに軽く、いつもの様に羽ばたいてみる。

 空気を掻き乱し、サワサワと草木が揺れる。


 ふむ、問題なし。

 

 次は身体を浮かせるつもりで強めに羽ばたいてみる‥‥ブワァッ!ヘリコプターの離着陸の時のように辺りの空気が一斉に風となって身体を横に煽った‥‥ボファー!いきなり体が急上昇し、左右のバランスを崩して派手にひっくり返った。


「わぁっ」


 いつも出来ていたことが突然出来なくなるというのは中々にストレスが溜まる。飛び立つのってこんなに難しかったっけ?むぅ、と私が唸っていると頭の中でクスクスとスピリットさんが笑った。


「そんなに笑わなくても‥‥」


 私が文句を言うと、スピリットさんは笑いを止める事なく返事を返してくる。


(ふふっ、あら失礼いたしました。いいえ、からかっているのではなく昔を思い出したのですよ。優蘭様が初めて飛ぼうとしたあの頃を)


 それを聞いて私も思い出した。

 真っ白な翼で頑張っていたあの頃、羽ばたきの練習もせずにいきなり飛ぼうとしてたっけ。そんな事もあったな、と思った所でスピリットが優しく語りかける。


(あの時も毎日練習して飛べたのですから、初心に戻ってまた頑張れば良いのですよ)


 ‥‥‥そうだね。


 スピリット先生にそう言われ、羽ばたきの練習を続ける。そして数時間休む事なく練習を続けた甲斐もあり、安定して飛び立てるまでに上達した。そのついでに練習する過程で何時もの様に上手くいかなかった理由も判明。


 単純に、進化前よりも羽ばたく力が強い上にキレが良くなっているのだ。お陰で空中で数回羽ばたくだけで最高速度に到達し、上昇もしやすくなった。前よりも高度な飛び方も出来る。ただ注意点として空中での羽ばたき過ぎに注意だ。


 基本翼を開いていれば真っ直ぐ飛ぶ。それだけでも十分速いが、そんな状態から更に力を入れて羽ばたけばとんでもない速度になる。真っ直ぐ飛ぶだけならば何も問題ないが、都会のビル群などの障害物がある所では何かしらの工夫が必要だ。


 なんやかんやあったが、肉体的なコントロールはほぼマスターしたと言っていいだろう。手加減の方は家に帰ってからリンゴを握りつぶさない様にソフトタッチする練習をすれば良い。


「家で出来ることは家でやろっと」


 肉体的な変化が確認できたなら、次は純力の確認だ。正直、肉体的な事よりもこっちの方が怖い。もし力が溢れて止められなくなったら標識一本犠牲にするだけでは済まない。これまで以上に慎重に、だ。


「まず何をしたら良いかな?」


 私はどうしたら周りに被害を出さずに純力を操作できるか考えた。


 ‥‥‥こんな時、昔の私ならどうしたかな?

 確かあの時、初めて作ったのは造念法で丸い球体だった。ここらで一度初心に戻ってみるのも悪くないかもしれない。


 早速私は目を閉じて手のひらに収まるくらいの透明な球体を思い浮かべる。すると頭に思い浮かべるとほぼ同時に心臓から手のひらに向かってサッと純力が流れていくのを感じる。すると次の瞬間にはコトンと、イメージした通りの美しい水晶玉が乗っていた。


 時間にして一瞬。

 以前とは比べ物にならない程に早かった。


「はやっ」


 私はまじまじとその水晶玉を見て思った。これは、ただ私が固形のものを作るのに慣れただけなのか、はたまた純力の量が増え、純力が体の中を巡回するのが早くなって作りやすくなっただけなのか。


「うーん?」


 私が水晶玉を見ながら首を傾げていると、スピリットさんが(何かお困りですか?)と声をかけてくれた。


「私、純力増えたんだよね?進化前と違っていきなり二つ星から六つ星になったから、どのくらい増えたのか確認したくてさ。玉作っただけじゃイマイチ分からないから、何か目に見えてわかる方法無いかなって」


 私がそう言うと、スピリットさんは(そんな事でしたか)と言って教えてくれる。


(優蘭様の純力量はもうすでに確認できております)

「どゆこと?」

(身に秘める純力量は瞳の色で測ることが出来ます。一番少ないのが青で、水色、緑、黄、オレンジ、赤と色が変わっていくのです。今の優蘭様の目は完全なる赤。この色は持てる純力が最大の一歩手前、今の優蘭様で言えばこれが限界という事になります)

「一歩手前って事はまだ増えるって事?最大と言うのは?」

(半分人間の体の優蘭様では、これが限界という事です)

「逆に、まだ人間だったのか私は。もうとっくのとうに人間辞めてると思ってたよ」

(優蘭様に限った話ではありませんが、これ以上進化するにはこの戦いに勝ち残る以外に方法はありません)

「ふーん」


 つまり、今の私は今出来る最終進化を遂げ、これ以上の進化をするには勝ち残る必要がある。‥‥となると、今の私の純力量はほぼカンストしたという事になるらしい。‥‥だが不安な事に変わりはない。


「カンストしたのは良いけど、使いこなせるかな?」

(使いこなせますとも。その為の進化ですから)

「ん?」


 どうやら、進化した事で不安定になったのは身体的な所だけらしい。増えた力を押さえ付ける為とその膨れ上がった力に負けないよう、身体はより頑丈に柔軟に進化した。走るのが速くなったり痛みを感じにくくなったのは、こういう理由だったのだ。逆に純力の方は以前より使いやすくなる事はあれど、その器となる身体が強いお陰で暴走する事はまずあり得ないのだそうだ。


 静かにスピリット先生の解説を聞いて納得した私は、なるほど、と軽く頷くとまた他のことを考え始める。純力のことは心配しなくても良い事がわかってホッとした。これならば敵がいつ襲って来ても何とか即死技を回避するくらいは出来るだろう。


 あと、残る不安要素は‥‥‥。


「ねぇ、『次元獣』って何?」


 昨日私がジャックの命を奪った時に『次元獣、解禁』と脳裏に深く刻まれた言葉だ。解禁という事は、経験に基づいて会得するスキルとは違う、元々この身体に備わっていた能力のはず。解禁されたからにはどんなものなのか気になる。


 そう聞くと、スピリットさんは(そうですねぇ)と呟いて少し悩んだ後、(続きは夜中にいたしましょう。この橋の下では少々手狭ですわ)と返された。この場では試せぬ程に大きく恐ろしい化け物という事だろうか??


 何それっ!こわぁ!




 日が暮れて空が夕焼け色に染まる時間になったので一度家に帰宅。ガチャっと家の扉を開けると良い匂いがする。台所の方から「お帰り」という優しいお母さんの声が聞こえてきた。


「ただいまー」


 家に上がってお母さんに見られる前に自室に戻ると、体慣らしの時に転んだり落ちたりして汚れてしまった服から綺麗な服に着替える。そして食卓がある居間に向かうと夕食がちょうど出来上がっており、お母さんは私の分もお皿に盛ってくれる。私が食べ始めると、お母さんは頬杖をついて私の顔を見ながら問いかけてきた。


「優蘭ももう高校三年、早い様でもう夏になっちゃったわねぇ。で、進路どうするの?」


 ギクリ‥‥‥!


 危うく喉に米が詰まる所だった。

 何とか口の中身を全て食道に流し込むと、全力で頭を回転させる。


 ‥‥‥そうだった!

 最近は日本全国津々浦々旅をしていて、将来の事など微塵も考えていなかった。お母さんは容赦無く問いを投げてくる。


「きちんと学校には行ってるんだろうけど、ちゃんとお勉強してる?」


 ギクリィッ‥‥‥!

 お母さんはきちんと私の事を見ていたらしい。

 流石お母さんだ。しかし‥‥。

 マズイです!とてもマズイです!!

 なんて言い訳すればいい!?

 勿論勉強は全くしていない。


 本体の私が旅をしている間、分身ちゃんは普通に学校には通ってくれていたが、私の性格から考えても真面目に勉強はしていない。


 のおおおぉっ!!

 

 私は一度お箸を箸置きに戻すと、コホンと何とか言葉を発した。こういう時の嘘は焦って言ってはいけない。堂々と、目を見て言った方がまだ後に来るお母さんの稲妻の威力が下がる。


「うん‥‥‥次のテストでは平均点くらいは取れると思うよ」

「ふぅーん、で、進路は?」

「‥‥どこに行けばいい?」

「これは優蘭の人生なんだから、自分で決めなきゃダメじゃない」

「そ、そっかぁ」


 ‥‥‥そんな事言われても困るよ。


 今の私は何時殺されてもおかしくない。

 もしここで殺されたら勉強したって意味が無いし、勝ち残った後自分がどうなってしまうのかもサッパリだ。かと言って、大して将来の夢もないし、ここまで何となくで生きて来た。そんな私に進路を決めろと言われても自分の中の判断基準が無いから決められない。


「すぐに答えは出ない、かな」


 何とか思いついた、嘘では無い本音。スンッと視線を外した私を見て、お母さんは軽く溜息を吐くと「そんな事だろうと思った」と言って頭をポンポン叩いた。


「もうこんな時期だからゆっくり考えなさいとは言えないけどね、選択肢を増やす為にも勉強だけは頑張りなさい」


 お母さんは一言だけ残すと、さっさと夕飯を食べ終えて先に食器の片付けを始める。私もお母さんの食べる早さに釣られて急いでご飯を平らげると、食器を片付けてさっさと自室に戻った。




 お母さんが確実に眠るタイミングを見計らい、いつものように家を抜け出すと、家から一番近くて広い公園へバビューンとひとっ飛び。気になっていた『次元獣』とやらが何かを確認しにきた。


 スピリットさんは(変身中でも認識阻害は掛かったままなので、見つかる心配はございませんよ)なーんて言っていたが、心配事はそれじゃない。どこぞの怪獣映画の様に周りの物を壊さないかどうかが心配なのだ。とは言っても、確認しない訳にもいかないので変身してみる他ない。


 ‥‥‥どうやってなるんだ?


 とりあえず『次元獣』だなんて大層な名前が付いてるのだから、力はたくさん使いそうだ。体内の純力を沸騰させるイメージで‥‥‥。


 体の中の純力の扱いは完全に手慣れたもので少し体に力を入れると、身体中を循環する力の流れが早くなるのを感じる。体内の純力濃度が高くなるのに伴い、左腕は漆黒の魔人の手に変化していく。額からは二本の真っ直ぐな黒い角が伸びてきた。今朝より力を巡らせている分、あの時よりも凶悪な見た目になっているかも知れない。


 私が「こんなもんかな」と呟くと(もっと)とスピリットさんの声が響いた。


 え?もっと‥‥‥?


 私は更に力を流していく。両腕両脚共に完全に魔人の様な漆黒に変わり、体内の純力の筋が淡く光り浮かび上がってきた。ここまで力を増幅させたのは初めてだ。私が「もう良いかな?」と呟くとスピリットさんは(もっともっともっと!)と更に力を使う様に促してくる。


 どんだけ使うんだ!!

 とも思ったが、スピリットさんから(やり方違います)の一言も無いので多分間違えてはいないのだろう。私はフンッ!と更に力を流していく。今度は浮き上がって来た筋から湯気のようにゆらりとオーラっぽいのが溢れ出てきた。少し身体がピリピリしてきたが痛くは無いし嫌な感じはしない。そのまま力を流し続けていると、脳裏にあった『次元獣』という文字が光る。


(今ですっ!)

「変身ー!」


 シュピッとちょっとポーズをする暇もなく、スピリットさんに言われるがまま、私は次元獣に変身した。私の体は一瞬のうちに透明な結晶のようなものに包み込まれていく。体丸々が透明な結晶に飲み込まれ、体の自由が効かなくなると、そのまま結晶は私を中心に頭、尻尾と伸びて行った。


 大きい、そして長い。


 この時、既に私はこの新しく生成された巨体の核になっており感覚がない。次に感覚を取り戻したのは新しく生成された大きな翼と長い尻尾。時間にして一瞬。多分十秒も掛かってない。一瞬すぎて自分でも頭の整理が追い付いてないくらいだ。


 ほぇー。


 私は変身したあとも暫くは地べたに座り込んで呆然としていた。


 大きさは、今座っているこの状態でも電信柱が遥か下に見えるくらいだ。立ったら?もっと大きいだろう。視線や首を動かし、千里眼も使って客観的に自分が今どんな姿をしているのかを確認する。


 体は全身ムラのない漆黒色。頭はヘビとワニを掛け合わせた様な感じで、目は細く赤く光り、額からは二本の真っ直ぐな角が左右対称に並んでいる。頭の両サイドからはサラサラとした羽毛が生えており、その羽毛は背中まで続いていた。羽毛のない所は、どんな攻撃も弾き返しそうな硬い鱗で覆われていて、尻尾はムチのようにとても細く長い。少し勢いを付けて振るとビュンと音が鳴って空を斬る。


 そして何と言っても、この体で一番特徴的なのはこの背中から広がる巨大な四枚の翼だろう。四枚のうち二枚は上に生える翼より一回り小さい。


 何やかんや細かく分析したが、要は背中に巨大な翼を四枚生やした全身真っ黒の超巨大な蛇?だ。イメージとして一番近いのはケツァルコアトルだろうか?自らの自己分析を終えフゥと一息ついてまず最初に思った事、それは‥‥‥。


 化け物だぁぁぁあぁぁぁっっ!!

 紛うことなきバケモンっ!

 コレは初見殺しっ!

 何だこりゃーっ!?


 自分が想像していたものよりも細くて、ゴ⚪︎ラみたいなずんぐりとしたイメージとは全然違ったが、それでもこの体にはとても硬そうな立派な鱗と牙がある。絶対強い。コレは本気で力を奮ったらひとたまりもない。


 はい‥‥コレ封印ね。


(まぁ、なんて素晴らしい見た目なのでしょう、これが優蘭様の次元獣なのですね!)


 まさかのスピリットさんにはコレが素晴らしい見た目だったらしい。


「褒められても全然嬉しくないー。何に使うの?この力。個人的には封印決定なんだけど」


 私はそう文句を言って、さっさと元の姿に戻ろうと力を少しづつ沈めていく。スピリットさんはそんな私に小さく苦笑した。


(確かに、相当な事がなければ使い所は無いでしょう。しかし、一度次元獣化しているのとしていないのとでは力の使い方や体の仕組みに雲泥の差ができるのですよ?)


 スピリットさんの解説をざっくりまとめるとこうだ。


 一度次元獣に変身した事のある者とそうでない者とでは、純力の体内循環の流れが違うらしい。次元獣になった事のある者は、変身時に一度身体を結晶化させて新しく身体を生成し直している様なものなので、体の強度が段違いに強くなっているのだとか。一度にドバッと力を使っても疲れにくくなったりもしていて、一見すると良い事ずくめにも聞こえるが‥‥要は、また一歩人間離れしたわけだ。


 結構すんなりと人型に戻る事はできたが、自分の正体がどんどん人ならざる者に変わっているのを実感して気持ちが悪くなってくる。使い道も使い時も分からない強大な力というのは何とも気味が悪い。今生き残っている敵を全て倒すことが出来れば使い道は分かるのか?それとも他に何か行動を起こすべきなのか?


 頭の悪い私には何も分からなかった。

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