9章「ルミエール社」
セーラたちはパラレルでルミエール社と戦うなど、学院やロンドン市内で起きる事件を解決していました。
ルミエール社の会議室。そこにはカルロスやアルセーヌ、ムサシだけでなく、女子高生のような服装の少女、褐色肌の青年、スーツ姿の女性の姿もあります。
「皆さん、集まってもらったのには他でもありません」
スーツ姿の女性が厳かに切り出します。
ルミエール社の社長秘書キャロル。
オレンジ色の髪をお団子頭にし、ルビーのような瞳が特徴です。眼鏡をかけ、耳には真珠のイヤリングをしています。
首には、ダイヤモンドのネックレスもしています。
「ミンチン学院の特別寄宿生、セーラ・クルーとルシス王国のウィリアム王子、他5名の生徒によるパラレル攻略が行われています。皆さんにも何か策を練ってもらわねばなりません」
「うーん…ライブをやって気を引くなんてどうですか?」
青い髪の少女が提案します。
この少女は玉水マリン。
肩辺りまである青い髪とアクアマリンのような瞳のコケティッシュな笑顔が特徴的な少女。
日本の女子中高生の間では有名な、ポップシンガーです。
服装もシャツにリボンとミニスカート、セーターと女子高生ルックスです。
「日本でなら、効果があるかもしれないが、ミンチン学院はイギリスのロンドンにあるんだぞ。」
ムサシがそう言うと、アルセーヌがこう言いました。
「セーラの仲間に日本人の少年がいるわ」
マリンはアルセーヌの方を見て、じっとその話を聞いています。
「彼があなたに興味を持っているかまではわからないけど…」
「…セーラって、小公女の名の通り貧乏になっても、プリンセスのように気高く生きてきたんですよね?」
いままで黙っていた褐色肌の青年がこう言いました。
この青年は、エリオット・アシュクロフト。
大学に通いながらアプリ開発などを行っている天才プログラマーです。
緑のパーカーを着ています。
エリオットは話を続けました。
「例えば、自分も空腹なのにパンを5個もあげたとか…普通なら、できるはずがないよ」
「…やっぱり、セーラは小公女だな」
ムサシが言いました。
「社長はセーラを見たと言っていた。母さんも社長と同じ意見だろう?」
カルロスはキャロルに話しました。カルロスはキャロルの息子です。
カルロスはこの会議が終わった後、テラスで風景を眺めていました。
黒と赤を基調とした服と赤みがかった茶髪が風で揺れ、ルビーのような瞳には美しい風景が映っています。
「ミンチン学院には妹もいるんだ。…変なことが起きないといいんだけど」