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□027■スイッチを探す者たち

「一体…どうなってるんだ…?」

「そんなことより、早く探さなくちゃ、どうするんですか?残り49分ぐらいしか!」

里山君の声でやっと目が覚めた。

今は危機的状況にあると。

他の乗客は怯えるのみで全く手伝う気はないようだ。


まず僕たちはトイレの中から探してみた。

便器の中、換気扇の中、トイレットペーパの中など様々な場所を探してみたが、それらしき物はない。

続いてトイレから出ると、後ろから順に座席を一つ一つ見ていく。

座席には手伝う気の全くない臆病者達がおり、なかなかどいてくれなかったので、かなりの時間をくった。

しかし、一向に見つからず中年男性たちと合流してしまうはめに。


「どうです、見つかりましたか?」

「いやー、どう探しても、なかなかー」

中年男性は本気で探しているのだろうか?

場の雰囲気でただ手伝っただけじゃないのか?

そんな思いが脳裏をよぎる。


向こう側からも前担当の若い男が戻ってきた。

「おい、赤原(アカハラ)はどうした?」

「あいつさー、途中でメンドイとか言って、自分の座席に戻りやがって、俺一人で頑張っちまったよ!」

どうやら彼女は抜けたようだ。

老人が声をかけてくる。

「長谷川さん、どうします?こんなに探してもないとなると…」

「そうだなぁ…あっ!コックピットは探しましたか?」

前担当の彼に聞くと彼は首を横に振った。

「そういえば探してないっす!」

「それじゃあ、まずはコックピットにかけてみるしかないようだ、急ごう!」


コックピットのドア前に全員が視線を向ける。

里山君が先陣を切ってドアを開けようとするが…

「…あれ?おっかしいなー」

「どうしたんだ?」

田梶間君が身を乗り出して里山君に聞く。

「あかねーんだよ…」

後ろから女性の声が聞こえてきた。

「――様、お客様!困ります。こんな時に勝手にうろうろされてては他のお客様に御迷惑です!」

キャビンアテンダントの対応は老人に任せる事に。

老人はボケる振りをして時間を稼いでくれている。


しかし、ドアは一向に開かない。

とうとう若い男が消火器を持ってきた。

「皆どいて!」

男は後ろに下がると勢いよくドアに向かって走りだし、ドアを消火器でぶっ叩く。

その衝撃で鍵が壊れドアが勢いよく開いた。

「何だね君たちは!?」

機長等は目を丸くしていた。

それを無視しコックピットの中を念入りに調べる。

もちろん運転の邪魔にならないように。

しかし見つからない。

「ヤバイ…ヤバイぜー!残り10分、どうすんだよ〜、10分で探せんのか?」

次の瞬間、全員のケータイに着信音が響いた。

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