表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/27

□023■The END

少年は腰が抜けたように倒れる。

「おっ、おい、おっさん…何やってんだよ!!」

少年の声は震えていた。

「何って?わかんないかなー、君さーちゃんとメールの確認ってしてる?」

「何言ってんだよ!それとこれとは関係ないだろ!」

「ん〜君が知る必要はないこと。でもメールは確認しとくべきだったね。それなら初心者でも少しは対処できたはず。

俺のことだって警戒はしたはずだ。まっ、君みたいな奴があのメールを見ても、関係ないかもね…

どうせ君は信じないんだから!」


この1分1秒、全てが快感。

もぉ止められない。

だってしょうがないじゃないか…これは…

「さっきの君の質問に答えてやるよ、何をやってるかだって?ゲームに決まってるじゃないか!!」

これは…僕のためのゲームなのだから。

「さぁ、お前はここで俺にやられてゲームオーバ!そういう結末だよ。最後に言いたいことはあるか?

あぁ!?クソガキよぉぉぉぉぉぉおおおおお!!」

中学生は泣き出す。

「ヒッグ、らぁすけれくらさい(たすけてください)!」

「あぁ?聞こえねぇーよ!もぉうぜーから死ねよ!!」


中学生は何かを掴むと加藤の前に差し出した。

「金を返すから助けて欲しいってか?はぁー、こんなバカ初めてみた…金なんて、殺してからでも取り戻すことはできるんだよ!」

加藤は銃の引き金を引こうとした。

ゆっくり、慎重に、少年に恐怖を味合わせるために。

「The END」

中学生は耳をつんざくような声でわめいた。

「うるせぇぇぇええええんだよぉぉぉぉおおお!!」

つんざくような声は一つの銃声でかき消された。

中学生は泣くのを止め、目を大きく見開く。

時間はゆっくり、全てを映し出した。


加藤はうめき声を上げた。

「ダレダァァアアア!俺の狩の邪魔をするのはぁぁああ!!」

撃たれたのは加藤のほうだった。

しかし、加藤には傷一つない。

もぉ2発、加藤に命中する。

しかし、やはり傷一つない。

「なっ、やベー…この俺が負けるのは許されないんだ…許されないんだよ!!!」

加藤は無造作に弾を放つ。

しかし、どうやら全て無駄に終わったようだった。


中学生は遠くを見つめている。

遠くの暗闇から一人の青年が現れた、高校生ぐらいの年頃の青年。

加藤はどこからともなく小型ナイフを取り出すと、青年に向かって走り出した。

「シネェェェェエエエエエ!」

加藤は勢いに身を任せ、小型ナイフを腹部に突き刺そうとした。

しかし、青年は目にもとまらぬ速さで腰にあった日本刀を取り出すと、小型ナイフを弾き飛ばした。

そして、ズバッ!と何の戸惑いもなく加藤を斬った。

「一匹目…」

まだだ、アイテムハンターで、主人公の俺様がこんな奴に負けるはずがない!

この前奪った強力なアイテムで―――!!

加藤は大量の血を流しながら倒れた。

「俺は…の…物…語りの……主…人公…なんだ――」

加藤はその言葉を繰り返し繰り返し言い続けた。

そして、ものの数秒で呼吸の音は消えていった。


青年は中学生の元に向かう。

「あっ、ありがとうご――!!」

中学生は今日から自分を変えようと思った。

自分が悪ガキだったからこんな目に合った、神様からの罰だと。

しかし、自分を変えることはできない。

それは今に分かることだから。


青年は手を差し伸べた。

中坊は安心した顔つきで青年に手を伸ばす、その時だった。

一瞬のことで中学生は何が起きたか分からなかった。

手が、自分の腕から勢いよく落ちたのだ。

「二匹目…」


青年はゆっくりと住宅街の闇という存在しない闇に消えていった。

中学生の体には全体に均等な割れ目が出てきた。

中学生は戸惑うことしかできない。

そして少しだけ、ただ、この場に居たくないとただそれだけの衝動にかられ、動こうとした瞬間、中学生の体は見るも無残な姿になった。

その夜の月は不気味なほどに、清らかな光を宿していた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング←よろしければクリックをお願いします。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ