□041■俺が主人公
「さぁ、さぁさぁ!!!俺とお前のゲームは始まってんだ!!!!かかって来いよぉ!」
男はそういうと、ハンドガンから銃弾を放った。
銃声が町中に響きあう。
「クックックッ…あぁ楽しくなってきた。早くお前も攻撃して来いよ!まさか、武器も持ってないザコじゃないよなぁ?」
銃弾1発が腕に命中していた。
しかし、すぐさまに傷はいえていく。
そもそも、本当に弾丸が当たったのかがわからないくらいだった。
うろたえていると、急に銃が消えた。
俺はすぐさま携帯のNOAH CUBEのサイトから、再度保管されていたアイテムを取り出す。
昨日の男から奪った、拡散型銃『ハナビオ』
「あ〜あ、初心者用の銃ハナビオごときで俺を殺れると思ってるわけ?
ヤッパリザコはザコでしかないんだな…」
男は更に14発撃ってきた。
また一発腹部に命中した。
しかし、また傷はいえていった。
「お前の攻撃だって、俺を殺れんのか?」
挑発してやった。
思ったとおり、男はすぐさまにこちらに向かって走り出してきた。
「お前みたいな餓鬼は、死ななきゃわからないようだな!!!ぶっ殺〜す!!!!!」
男は更に10発撃ってきた。
しかし、それをハナビオで打ち落とすと、数秒後に破裂した。
男は尚も撃ってこようとしたが、弾切れのようだった。
「おいおい、さっきまでの勢いはどうした?!俺を殺すんだろ!その前に殺しちまうぜ?」
「心配御無用!!ちゃんと予備の弾ぐらい持って来てるって!」
誤算だった。
当然だ…このゲームに慣れている奴なら予備の弾ぐらい持ってきているはず…
俺の作戦は失敗だ…
弾切れにして、無抵抗の中、殺るつもりだったのに…
「わかったか?俺が主人公だから、おまえみたいな奴にやられるわけがねぇーんだよ!」
俺はがむしゃらにハナビオを使った。
狙いを定めている暇はない。
すぐそこまで迫っているのだから。
「うわぁぁぁぁあああああああ!」
「はい、ゲームオーバー」
男は俺の銃を取り上げ、額に銃口を突きつけていた。
「最後にいいことを教えてやろう、俺の名は加藤 重秋、お前を殺す男の名だ!」