転生したキャラに死亡フラグがありました。
初めてましての方は初めまして!
曉さいらです!
三日に一回のペースであげていきます!
それではどうぞ!
(ん……)
眩い光に包まれた。
「ここ……は……」
どうやら、寝ていたらしい。ベッドに横たわり、手触りのいいベッドに、肌に触れているのかさえも曖昧なほど滑らかな生地を使ったらしいパジャマに身を包まれている。
フリルが気になるところではあるけれども。
「お嬢さま……!!
大丈夫ですか?!」
(……えっ?)
髪が肩まであるメイドの服を来た高校生くらいの女の子が、私に向かって呼びかけた。
お嬢さま……とは私の事?
茶色の髪が光にあたり所々キラキラと光り、赤い瞳はもうすぐに涙が零れ落ちるのでは、という程に潤んでいる。
(ええと……周りにも人が沢山いるわ……。私は……誰…かしら……)
記憶は特にない。
それが恐ろしい。
「お嬢さま……も、もしかして喋れないのですか……?!」
メイドの子が言った途端、周囲がどよめきだした。
「お姉様……?!そうなのですか?!」
私をお姉様と言う子の男の子は弟……?にしては顔が整いすぎではないかしら…私はそんなにも可愛いの……?←
他にも、お医者様のような方もいる。
となると、かなり身分の高いことになる。
「……ほっ本当にしゃべれないのですか……?!」
(あっ……、ど、どうしよう……とりあえず安心させないとよね……)
「えーと……、大丈夫です。私は元気ですからご安心ください。」
私がそう言うと、周りの人がどっと泣き始めた。
みんなしゃがみこんで、私が無事なことを喜んでいる……らしい。
「こんなにも権力があるのね……」
思わず声に出た。
だが、みんなの声で掻き消されたようなので何も言わずにその光景を眺めていた────。
……と、そこである一人の医者が私の名前を呼んだ。
「…アメラ様」
「はっ、はいなんでしょう」
──いけないいけない。
…なるほどね、私はアメラと言うのね……。
にしても聞き覚えがある気がする…まぁ、自分の名前だし当たり前かな……?
「…頭痛や腹痛などの痛みはありますか?」
「……いえ、特にはないです……あっ、ただ頭痛は少しする気もします…、」
「……わかりました。恐らく寝れば治るでしょう。しばらくは安静にしていてください」
「は、はい」
なんで聞いたのかな…、薬ぐらいくれればいいのに。
にしても、ここは一体どこだろう。とりあえず自分の容姿を見ておきたい…どうか美人でありますように…。
えーっと…何か理由をつけないと今の状況だと心配されちゃうよね。
「あの、顔を洗いたいので一度洗面所をお借りしてもいいでしょうか?」
「もちろんです!今すぐお持ち致しますね!」
にこっとメイドの子が言った。
(……ん?お、お持ち致します……??)
笑顔は保っているが、私は内心有り得そうで有り得なさそうなことを考えた。
「お持ちしました!我々は外で待っていますので、終わりましたら、必ずこちらのベルを揺すってお呼び下さいませ」
そう言って、私に金色の綺麗なベルを手渡した。
「ま、待って…なんで外に出るの……?」
色々と聞いてみたところ、どうやら隣国の『リト・フィロー』さんという王太子の誕生祭にお呼ばれしていたらしく、その最中急に倒れたらしい。
もちろん、お化粧もしていたらしく、女性ということで遠慮して外に出ようとしてくれていたらしい。
現在一番知りたいところなのはやはり『自分の身分』であることに変わりはないのだが、さすがにそんなことを聞けるわけもない。記憶喪失……という手もあるが、それはそれで面倒くさくなりそうだ。
(ううん……とりあえず…顔は洗わなくてもいい、かな)
先程手渡されたベルを鳴らした───
翌日、当たり前のように洗面台に行った。
何となく、目を瞑ったまま洗面台に行き、顔を洗う。
(いよいよ……か。どうか……どうか美人でありますように……っ)
おずおずと顔をあげた。
「…………え?」
予想は……していた。
あのメイドの子を見た時も……何か思い当たる点があった。
「この赤い目に……白い髪」
唇が微かに震えた。
「ぁ……」
大事な王太子の誕生祭で倒れた、と聞いた時も────
薬が配布されなかった時も─
なんとなく、気づいてはいた……。
「まさか……」
──そう。私が転生してしまったキャラは、アメラ・キリ。
『さよなら雨の元』というゲームに出てくるキャラ。
そして、この王太子の誕生祭で倒れた後
────もうすぐ亡くなってしまうキャラクター
この先急展開が……!!
次回は、
なんで死亡フラグがあるのか、ということを書いていきます!
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