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桃太伝  作者: 南風原
 
19/106

第19話 『 二郎と三郎 』

 二組は距離をとり対峙している。


 双馬たちは桃太たちを囲むように少しずつ動く。


 双馬たちを見ると三人の拳にはていてつのような武器がついている。


「いくぞ!」


 双馬たちはいっせいに跳びかかってきた。そして、桃太たちの周りを回り、

素早い動きで出入りを繰り返しながら蹄鉄のついた拳で攻撃する。


「うっ」


 桃太は刀で反撃をするが相手の出入りが激しく攻撃があたらない。


 新之助と半蔵も相手をとらえられずにいた。


「我等の連携にかなう者などいない」


「くそっ、このままじゃラチがあかないぜ」


「どうすれば」


 桃太が言った。


「まずはあの連携をどうにかせねば。そのためにはバラバラになって戦うしか

ないでござるな」


「そうですね。わかりました」


「じゃあいくぜ」


 そういうと半蔵は馬隊の一人に体当たりして他の馬隊から引き離した。


 二人は森の中へと消える。


 桃太たちもそれぞれ敵をひきつけて、敵を分断した。新之助は山道に残り、

桃太は川の方へ。


「我等を引き離すとは考えたな。だが貴様等の運命は変らぬ」


 双馬は桃太に言った。


 一方の半蔵と二郎は、


「ところでお前、どこかで見たことあるな」


 二郎が半蔵に言った。


「知らねえな」


「どこかで会ったことがあると思ったんだが」


 二郎は首をかしげて考えこむ。


「スキだらけだぜ」


 半蔵はパンチをくりだす。


「うぉ、あぶねぇな!」


 顔面すれすれのパンチをかわす二郎。


「戦いの最中によそ見しているほうが悪いぜ」


「この野郎!」


 二郎も蹄鉄のついた拳で反撃した。半蔵は避け、二郎のパンチは木にあたり、

木はそのパンチで折れて倒れる。


 二人は互いにパンチをくりだすが、スピードは二郎のほうが僅かに勝っている

ようだ。そして、二郎は勢いにのって連打するが、半蔵にパンチした拳をつかん

で受け止められた。


「調子にのるな」


 半蔵はそう言って鋭い目で睨むと二郎の腹に一撃をくわえた。


「ぐふっ」


 ふらつく二郎。


 半蔵はそれをよそに足を踏ん張り構える。


「はぁぁぁぁぁ」


 すると、筋肉は膨れ上がり熱気を帯びてきた。そして、その構えから渾身の

右パンチをはなつ。


 二郎はさっきの攻撃で足にきていたため避けきれず直撃した。二郎は勢いよく

ふき飛び、何本もの木をなぎ倒しながら最後は岩肌に激突し、白目をむいて気絶

した。


 そのころ新之助と三郎は、


「くっ」


 三郎が片ひざをついている。どうやら刀と拳でのリーチの差が新之助を有利に

しているようだ。


「やー」


 三郎は傷を負いながらも向かっていくが新之助にはとどかない。


 新之助は三郎のパンチをかわすと斬りつけた。


 三郎は背中を斬られ倒れる。


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