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桃太伝  作者: 南風原
 
18/106

第18話 『 新手 』


 城や町中ではあちらこちらで宴が始まっていた。


 桃太たちは城の中にいる。


「がはははは」


 半蔵は陽気に酒を飲んでいる。


「すごいよ、兄上」


「いやいや、桃太殿たちのおかげでござる」


「桃太さん、半蔵さん、ありがとうございます」


「えへへ」


 照れる桃太。


「これから新之助には当主としてがんばってもらわないと」


 母が言う。


 新之助は下を向いて黙ってしまった。


「どうしたのです?」


「すいません、母上。今はまだできません」


「なぜです?」


「鬼王軍と戦っている桃太殿たちを放っておくことはできません。

だから……」


 数秒の沈黙の後、


「わかりました。桃太さんたちにもお世話になったんだもの。新之助の

好きにしなさい」


「母上」


 新之助は桃太たちとまた旅をすることになった。



 翌日。


「お世話になりました」


「とんでもない。お世話になったのはこちらです」


 千代丸と母のハツは見送りのため城の門まで来ていた。


「新之助をよろしくお願いします」


「まかせておきな」


 半蔵は言った。


「では気をつけていくのですよ」


「はい母上」


「兄上、いってらしゃい」


 手を振る千代丸。


 桃太たちは手を振りかえして町を出る。



 このころより数日前の鬼王城では、


「兄者、どこへ?」


「例のヤツラのとこだ」


「へへっ、これでヤツラも終わりだ」


 不適な笑みの浮かべる三人。



 桃太たちが犬山城を出て二日後。山道を歩いていると、後ろから音が

する。桃太たちが音のする方を見ると三匹の馬が勢い良く走ってきた。


 桃太たちは馬をよけるため左右へ跳んだ。


 すると馬から三人の人が飛び降りてきた。


「何者だ!」


 半蔵が聞く。


「オレは馬隊副隊長、もり ろう


「同じく、馬隊副隊長、もり さぶろう


「我輩は馬隊隊長、そう。そして、三人合わせて馬隊三拳士」


 三人は同じくらいの背丈で顔も似ている。どうやら三つ子の兄弟の

ようだ。


「貴様らはここで終わりだ」


「オレたち三拳士にかかれば倒せん者などいない」


 二郎と三郎が言う。


「観念するがいい」


 そういうと戦闘体勢に入る。


 桃太たちは身構える。


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