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桃太伝  作者: 南風原
 
17/106

第17話 『 ポチの正体 』


 ポチは威圧を放ち、立っている。


「なんていう威圧だ! さっきの奴とは、ケタ違いでござる」


「なんてことするんだ。隊長じゃないのか?」


 桃太は言った。


「奴は隊長の器ではなかったのだ。隊長の座を狙っていたので、隊長を

譲ってやったのに。この役立たずが!」


 そういうと、倒れている邪犬を見下ろした。


「では、お主は……」


「オレは本当の犬隊隊長、いぬまる


 犬丸は刀を抜き構えた。犬丸は二刀流だ。


 桃太たちも身構えた。


「二人とも待ってくだされ。ここは拙者にまかせていただきたい」


「なんでですか?」


「これは山吹家の問題でござるから、拙者の手でカタをつけたいんで

ござる。」


「わかったぜ。ザコはオレたちにまかせな」


「かたじけないでござる」


 新之助と犬丸は向かい合った。


「いくでござる」


 新之助は犬丸に跳びかかった。


 犬丸は刀で受けると、もう一方の刀で斬りつけ、新之助もその刀を

かわす。


 二人は激しい攻防を繰り広げる。


「お主、なぜそんな強いのに隊長の座を譲ったんでござるか?」


「フン、オレにとって鬼王様の野望のためなら隊長なんかどうでもいい

こと。だから奴に面倒な隊長を譲ってやったんだ」


 そういうと、犬丸は攻撃をした。


「このままでは……」


 新之助は後方に下がって、刀を鞘に納めた。


「山吹流剣技『居合い斬り』 」


 すると新之助と犬丸は交差した。二人の動きは互角で無傷だ。


 犬丸も負けじと技を繰り出す。


『竜巻斬り』


 犬丸は刀を持った手を広げ、すごい横回転をして迫ってくる。


 新之助は防ごうとするが、吹き飛ばされた。


「うっ」


 新之助は迫りくる犬丸をなんとか避けて攻撃を加えるが、犬丸には効か

ない。


「くっくっくっく。これで終わりだ」


 犬丸は新之助に向かっていく。


 しかし、新之助は刀を構えたまま目をつぶっている。そして、


「山吹流奥義『一刀両断』 」


 新之助は刀を振り下ろす。


 すると、犬丸の動きが止まった。刀は折れて、体には深い傷を負った。


「ぐっ……ここまでか」


 犬丸は後ずさりすると天守閣の柵から下へ落ちる。


 新之助が駆け寄って下を見ても犬丸は見えなくなっていた。


「うわっ」


 桃太たちも、まわりのザコを倒し終わった。


「終わったでござるな」


 新之助は戦いを終えると大きく息を吐いた。


 鬼王軍犬隊を倒したことは、その日に町中に広まり、次の日には町中で

盛大な祭りが行われていた。


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