表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
桃太伝  作者: 南風原
 
16/106

第16話 『 潜入 』


 犬山城下町にいる三人。


「こっちでござる」


 新之助たちは人気のない場所へ行った。


「ここから城の中に入れるでござる」


「ここって、井戸ですよ」


「そうでござる。ここは隠し通路で逃げるときに使ったところでござるよ」


「じゃあ、入ろうぜ」


 そう言うと三人は中に入った。


「これはどこにつながってんだ?」


「庭の井戸につながっているでござる」


 出口に近づくと新之助は井戸から顔を出し周りに見張りがいないのを

確認する。


「よし、誰もいないでござる」


 三人は庭に出て、室内に入り様子をうかがう。すると、見張りの一人が

歩いてくる。


「誰か来た」


 桃太たちは隠れながら奥へと進んでいって、城の上層部に近づくと数人の

見張りが行く手をさえぎる。


「曲者だ!」


 桃太たちは素早い動きで見張りを倒していく。


「この上が天守閣でござる」


 新之助たちが最上階に着くと、そこには男たちが待ち受けていた。


「待っていたぞ」


 中央にいる男が言った。その男は鬼王軍犬隊、じゃけん


「こ、これは?」


 驚く三人。


「気づかないとでも思ったか? すべて、こちらの思惑どおりだ」


 すると三人の後ろからも敵が来た。


「くそ!」


 半蔵が言った。


「しかし、聞いていた数より一人多いが……まあ一人増えたところで何も

変らぬがな」


 そして、邪犬が手で合図すると敵がいっせいに襲ってくる。


「うお〜」


 桃太たちは攻撃を受ける、が有利に戦っている。


「なにやってんだ」


 邪犬はイラつく。


 桃太は敵と戦っていると、後ろから殺気がする。振り返ると邪犬が攻撃

してきた。


「うわぁ」


 桃太は避けるが、邪犬の攻撃は部下に当たった。


 邪犬を見ると手には、かぎ爪の武器を持っており、両手を合わせると猛獣

の口のようだ。


 邪犬は、なおも攻撃を続ける。


「ぐわぁ」


 桃太は邪犬の攻撃を何度もかわし、部下は邪犬の刃に倒れる。


「素早いヤツだ。こうなれば……『むれり』 」


 邪犬はそう言うと、走り込んで周りを巻き込む無差別攻撃をする。


「ぎゃあ〜」


 桃太たちは、何とか横に跳んで避けたが、敵の部下の半分は犠牲に

なった。


「くそ。ポチ、何してる。お前も手伝え」


 邪犬は後ろに立っている、ポチという男に言った。ポチとは狼組組長、

いちじょう ろうである。


「早くし……ろ……」


 邪犬を見ると、なんとポチに後ろから刺されている。


「何だと」


 邪犬は倒れる。


「愚か者め。味方まで攻撃するとは」


 ポチが言う。


「味方を……」


 桃太は驚いた。


「隊長がいなくなって、楽になったでござるな」


「いいや。そうでもないぜ」


 そう言い、ポチの方を見ると、もの凄い威圧を放っている。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ