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東方奔走録  作者: むーあ
紅魔郷
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宵闇と氷精

「氷符『アイシクルフォール』!!」

勝負の合図が放たれた直後、チルノは両手をルーミアのように大きく広げ、スペルを発動させた。すると、背中にある氷の羽が輝き、そこからいくつもの弾幕がチルノを軸に左右に大きく展開される。


「いきなりかっ!らしいぜ」

「いつでも来なさい!」


「じゃあ行くよー!夜符『ナイトバード』」

二人の声に答えたルーミアがチルノの前に移動し、更にスペルを唱えると、ルーミアの広げていた右手に青、左手に緑色の妖力が集まって行く


「はぁ!!」


そして両手を霊夢たちに向かって交互に振り回してきた

すると両手から多量の美しい弾幕が交互に襲いかかってきたのだ


「とぉ!なかなかやるな!」

「まあ、これぐらいやってもらわないとね!」


確かにそれなりの密度を誇る弾幕ではあるが、霊夢は移動しながら霊符で払いのけ、魔理沙は体を揺らすかのように華麗に避けている


「まだまだあ!くらえ!」


暫くしてチルノが叫んだと同時に、最初左右に展開されていたいくつもの弾幕がまるで避けていた魔理沙たちを付け狙うかのように一直線に襲いかかってきた!


「あぶねっ!!ちょっとかすったぁ」


そう呟く魔理沙であったが口元には笑みが浮かんでおり、更に狭くなったはずの弾幕の隙間を踊りでも踊る様に掻い潜っていた。


「大口叩くだけあるじゃない!じゃあおかえしの・・・!」


霊夢は先ほどから弾幕を払いのけていた左手に持つ霊符を顔の前にかざし、祈る様に宣言する


夢符『封魔陣』


「って夢想封印ってやつじゃないのかよ!」


霊夢が宣言してから魔理沙がそう突っ込むほどの時間があり、その間、何も起こってなかったので、神経を集中していた霊夢以外の三人は拍子抜けしてしまう。


ブオオォッッッ!!!


しかし数秒の時間をおいて、とてつもない程の霊力が霊夢から放たれた。それと同時に顔の前にかざしていた霊符が、まるで重ねていた幾千、幾万枚もの符が散らばるかの様に霊夢を囲うように八方に展開していき、爆ぜる様に霊符の弾幕が放たれた。


「うわぁ!!」


「お、大人げねぇ・・・。」



まさに「弾幕」

霊符は尋常でないほどの密度であり、瞬く間にレーザーのようなスピードで迫るそれをチルノとルーミアは寸前のところで回避した。霊夢から放たれた弾幕の隙間に二人はいるのだが、しかし、


「っ!!ルーミア!まだ終わってない!」

「えっ!??きゃあ!!」


叫んだチルノはルーミアに叫ぶと同時に腕を引き、霊夢を中心にした時計回りに回るように移動する


「あんたホントに妖精!?やるじゃないの、その通りよ!」

「お、なんだ?」


今度は霊符の弾幕(レーザー)が、チルノの移動した位置に向かい、時計回りに移動していく、一瞬でもチルノの判断と移動が遅ければ、この段階で勝負は決していただろう。暫く移動が続いた弾幕に後更なる変化が起こった


「はあっっ!!」


「「!!!」」


霊夢が裂ぱくの気合を込めると同時に、時計回りに移動していた四方の弾幕レーザーが途中から分裂し、途中の弾幕レーザーが反時計回りに移動してきたのだ。


「綺麗だぜ」 


その弾幕の展開は上から見上げるとさながら万華鏡のようであり、移動していた魔理沙は感嘆の声を漏らす


そして、あまりのスペルの緩急にチルノとルーミアは一瞬反応が遅れてしまった。


「ううっっ!!もうっっ!!食らい弾幕ボム!『ダイアモンドブリザード』!!!」


チルノはルーミアをかばう様に抱きながら、スペルを発動し、スペルを相殺させる。

食らい弾幕ボムとは、自分のスペルを捨てる代わりに、相手の効果を一定時間打ち消すことのできるルールである。スペルカードルールによる制約であり、この宣言を受ければどんな大きな力を持つ術でも打ち消されるのだ。


チルノの弾幕により相殺を受け、丁度霊夢の封魔陣の持続時間が切れた。


「まさか・・・しのぎ切らるなんてね」


「今だー闇符『ディマーケイション』!」

「凍符『パーフェクトフリーズ』!!」


チャンスはここしかない・・・そう本能で感じたチルノと、霊夢の気が緩んだ一瞬の隙を見逃さなかったルーミアは同時にスペルを宣言する。


チルノから放たれた高速のカラフルな弾幕が周囲に散らばると同時、ルーミアの周囲からもまた、先のスペル『ナイトバード』を遥かにしのぐ、高密度の弾幕が霊夢に襲い掛かる。


「くっっ!!」

封魔陣の維持に予想以上の労力を要した霊夢は、弾幕を躱しこそすれ、機敏性は先ほどまででは無くなっている。

倒せる!そうチルノとルーミアは確信した。


しかし、二人は気付いていなかったのだ。魔理沙の存在を・・・。


「こっちだ!!」


「「えっ!!」」


二人が上を見上げると、そこには手のひら大の八角形型をした、おそらく魔道具であろう物体をこちらにむかって構えた魔理沙の姿があった。


「声かけるなんて、馬鹿にしてるのか人類!来るなら来なよー!」


「まずっっだめルーミア!」


発動した後で回避しようと思ったルーミアは動かなかったが、魔理沙と弾幕ごっこをしたことのあるチルノは、

魔理沙がこれから放つであろうスペルを予想し、一刻も早くこの場を移動しようとしていた。



「遅いぜ・・・出力30パーセント、食らい弾幕ボム宣言は無しだ。恋符!『マスタースパァーーク』!!!」

 

魔理沙が叫ぶようにスペルの宣言をすると、ゴオオオォッッっと構えていた八角形の魔道具から、巨大なレーザーが放たれた。いや、チルノとルーミアを纏めて飲み込み、数十メートル周辺一帯まで飲み込むほどのものをレーザーと呼べるならだが・・・。


圧倒的な質量と力を持った弾幕を体に受けてしまったチルノとルーミアは、チルノが現れた時に出来た氷湖ひょうこに墜落した。


「何今の・・・」

「驚いたか、幽香みたいだろ。必死に練習したんだぜ?」

「あんたが一番大人げない!!」

「お、それより闇が消えてくぞ」

暫くしてルーミアが掛けていたであろう闇の妖術も消え去り、代わりにあたりには尋常でないほどの紅霧が立ち込めていた。紅魔館は近い。二人はそう確信した。



「うーーん」


「あ、生きてる。」


氷湖の上にいるチルノとルーミアは頭を振りながら起き上がってきた。


「一枚・・・」

「チルノ?」

「スペルッ・・・たった一枚しか使わせられなかった!!勝たなきゃいけなかったのに!!

あたいが異変を解決しに行かなきゃいけなかったのに!!!」


「異変解決?」

「何!?」

「チルノ?どういうこと?」


、チルノを除いた三人は、先ほどの弾幕勝負にさしたる意味は無いのだと思っていたのだ。

異変解決に行くのは、巫女であり、ルーミアが立ちはだかったのは、あくまで巫女のため。

老婆心のようなものであることは霊夢も魔理沙も分かっていた。ルーミアも途中から二人の実力が本物であることなど感じていたし、勝負になったのはチルノが現れたことにより、2対2の弾幕戦ができるようになるという・・・その時の流れのようなものである。


ルーミアが虐められていないだろうことは途中チルノが気づいている様子だったことも皆分かっていた。

しかし、彼女がどうしても、巫女に勝たなければならない理由があったのだとしたら、異変を解決しにいかなければならない理由があったのだとしたら・・・・・・


「大ちゃんが・・・赤い館に、連れてかれたんだ・・・」


恐らくそれはきっと本当に友達の為なのだろう・・・魔理沙は一人、納得した。









バトル難しいなあ(´・ω・`)

読みにくかったら本当にごめんなさい・・・。


奔走録での食らいボムは、自分のスペルを捨てる代わりに発動する一種の身代わりのようなものだという設定にしました。

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